「ぽぽろスクエア」は堺市に隣接する松原市天美我堂にある障がい青年が通う学びの場・自立訓練事業(生活訓練)です。特定非営利活動法人大阪障害者センターが堺(松原)に「学ぶ作業所」をつくる会(現在は「支える会」)と共同して建設し、2012年3月に開所しました。  「ぽぽろ」はイタリア語で「人々」、「スクエア」(SQUARE)は英語で「広場」の意味があります。  ここでは、日常生活・社会生活能力を身につけるとともに、大人になるための文化や地域社会・他の人との関わり方の経験を積みます。そして、何事にも自信を持ち、意欲的・積極的に取り組める「自立した社会人」をめざします。  それらの思いを表わす言葉の頭文字を集めてSQUARE(スクエア)とし、“多くの人が自由に集う広場”にしたいと考えています。  S…study(スタディ・学ぶ)  Q…quintet(クインテット・五重奏)  U…universal(ユニバーサル・万人の・みんなの)  A…accord(アコード・調和する)  R…relax(リラックス・くつろぐ)  E…enjoy(エンジョイ・楽しむ)  私たちは高校や特別支援学校高等部を卒業しても「もっとゆっくり、じっくり学びたい」という障がいのある方や家族のねがいは当然であり、権利として保障されるべきであると考えます。特に青年期は「子どもから大人へ」「学校から社会へ」と移行する大事な時期であり、障がいがあるからこそ時間をかけたていねいな移行支援教育が必要です。「学びの場・ぽぽろスクエア」のプログラムはこの移行支援教育と重なるものがあると考えています。  私たちは特別支援学校高等部に希望すれば誰でも通える専攻科(2年間)の設置を求めて卒後の学ぶ場・専攻科を考える集いを積み上げてきました。「つどい」は大阪障害者センターの子育て・教育部門である大阪発達支援センターぽぽろが事務局を担ってきました。現在は「卒後の学びの場・専攻科を実現する会」として事務局をぽぽろスクエアに置き、大阪府内に運動を広げるセンターとしてとりくんでいます。  このブログは「ぽぽろスクエア」の運営・内容の充実を支え、卒後の学びの場と専攻科の実現をねがって活動する「支える会」(『ぽぽろスクエア』を支える会)事務局(事務局はぽぽろスクエアに置いています)による情報発信・交流の広場です。

2012/10/31

ぽぽスク祭報告その8 アーチを作りたかったKH君  行事案内・報告

 とにかく映画会から3週間ほどの期間しかなかったので、じっくり準備に取り組めなかったのは大きな反省でした。次回にいかさなければなりません。
 その一つに、アーチづくりです。お祭りを盛り上げるにはどうしたら良いかと話し合っていたときに、KH君がぽぽスク祭の話を知ったときから作りたいと言っていたものでした。このアーチをどうするか、学生たちも真剣に考えたのです。K君は「かなり駐車場の間が広いので大きいアーチになる。取り付けるのはとても難しい。竹などではしなってしまって真ん中が下がってしまうし」。「卒業式に作ったら良いのと違うか」。「入学式がある」…。しかし、日がなかったことと、アーチの設置方法が見つからなかったために、結局実現しませんでした。彼はかなり渋っていましたが、あきらめざるを得ませんでした。
 KH君は、当日の役割でもウエイターを希望しました。ウエイターの仕事がやりたくて希望したのかどうかと話し合いになったとき、「ぼくはウエイターの仕事をがんばりたい。この仕事がしたくて希望した」と、自分の気持ちをきちんと言えたのです。これはとても素晴らしいことでした。話し合っていた学生も彼の決意を聞いて納得し、協力し応援して一緒に頑張ろうということになりました。
 いろんな心の葛藤を一人ひとり悩みながら乗り越えていく姿が見えてきます。これこそイベントをやる値打ちです。
 アーチの取り付け方を次までに考えなくては…。良い案があれば教えて下さい。
 

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2012/10/30

ぽぽスク祭報告その7 疲れが出て休んでしまったK君  行事案内・報告

 体調が悪くて少し間が開いてしまいましたが、学生たちの様子の続きをお知らせします。
 K君はなかなか自分の力を発揮する場を見つけにくい学生でした。今回も何を受け持つか、役割分担を決めるときも迷っていました。自分が何に向いているか、自分は何をしたいのか、よくわからないからです。
 三日前に綿菓子の機械が到着したとき、みんなで練習をしました。これが結構難しい。所長のUさんも四苦八苦です。ところがK君はどういう訳かとてもうまい。なんかコツをつかんだかのようで、うまくできるまでにどれだけ材料をつぎ込むだろうと心配していましたが、案ずるよりは産むが易しです。
 というわけで、綿菓子の係りになりました。当日もとても自信を持ってやっていました。相棒のA君もなかなか上手にできるようになっていたし、二人で仲良く力を合わせて綿菓子屋さんをやっている姿はとても気持ちの良い物でした。
 祭が終わって後片付けになりました。テントをたたんだり、机の片付けや、横断幕の取り外しなど、大きい仕事から小さい仕事まで次から次へとスタッフに混じって最後までやってくれました。「もういいよ。しんどいやろう」と声をかけても、「いえいえ大丈夫です」と頑張ります。自分から「他にすることは無いですか」と聞いてきたりします。その働きぶりは本当に信頼の置ける立派な者でした。
 自分に自信の持てる仕事をしっかりやれたという満足感があれば、こんなにまで生き生きと主体的に動けるんだなあ、とスタッフみんなで感心していました。いつもの、迷いながらやっている姿とは別人のようでしたから。
 でも、心配したとおり疲れがなかなかとれなくて、翌週は休みが多くなってしまったのでした。ご苦労様!
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2012/10/25

ぽぽスク祭報告その6 お母さんが来るから…Nさんの思い  行事案内・報告

 ぽぽスク祭が近づいてくるとNさんがこんなことを言い出しました。
「ぽぽスク祭、いやや。けえへん…」
「なんで?お祭り楽しいで」
「だってお母さんが来るもん」
「えー、お母さんが来てくれたらうれしいやろ」とちょっとビックリ。でも??
「お母さん来てほしくないから、20日いややねん。見られるの、いややもん」
と言いつつ、その表情を見ると、にこにこでした。なるほど、とっても来てくれるのがうれしいんやな、とわかりました。でも、うれしいとは言えないお年頃のよう。
「お母さんはNさんがとっても大事やから忙しくても来てくれるんやで」と言いましたが、その後もなんどか「いやや」を繰り返していました。にこにこ顔で。
 そして、お祭りの準備をせっせとしていました。喫茶で出す箸袋を折り紙で可愛く作ってくれました。昼休みなど、時間を見つけて一人でもやっていました。
 役割は喫茶のウエイトレスを希望していました。少し役割分担でもめましたが、話し合いの後、そんなことを言ってはいけないと思ったようで、「他の人とも協力してやっていくわ」と決意を語っていました。前日の夕方、スタッフのチラシ配りにも少し付き合ってくれて、みんなと仲良く帰りました。
 当日の朝一番に「緊張して昨日寝られへんかった」と言いに来ました。責任をもって仕事をやることの大切さを感じているようでした。
 お祭りが終わって片付けをしていると、「Hさん、今日はゆっくり寝てな」と優しい言葉を掛けてくれます。なんか、少しずつ大人になっていってる感じです。穏やかな表情がとても愛らしかったです。
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2012/10/24

ぽぽスク祭報告その5 M君のやる気  行事案内・報告

 ぽぽスク祭の詳細を決める会議が11日にありました。そこで、どうやってたくさんの人に来てもらうかが話し合われました。のぼりを立てる、チラシを配る等々の案が出て、会議の後、早速、制作準備に取りかかりました。
 翌日の金曜日には学生たちが横断幕・のぼりの制作をしました。目に見える作業なのでみんなとてもやる気を出していました。放課後ぽぽスク前に立てました。形のある物ができあがると、一気にぽぽスク全体が盛り上がりました。
 そんな中、Mくんがみんなの様子を見て気にし出しました。「これはみんなの勉強の実習だからね。働くことでお金は入ってくるし、そのお金をどう使うかも大切な勉強だから、みんなで考えていこう」と話すと、とても良く話を聞いていて、「ぼくゲームを買いたい」と言います。「何を買うかはみんなで相談しよう。みんなのお金だから。野菜を売ったりした時のお金と同じだよ。ちゃんと置いてあるからね」と話しました。
 15日の月曜日には各係りを決め、授業終了30分前のビラ配りも3グループに分かれて行きました。M君はいつも少し早く帰っているのでこの日は参加できませんでした。翌日の火曜日、自分もチラシ配りに行くと言い出しました。でも、早く帰るので「2時に行く」と言います。「人手がないからそれはできない。配るのなら2時半にみんなと一緒に行くしかない」と話すと、2時半まで帰らずにいて配ることにしていました。「どうしても配らねばならないことは無いよ」と話して、配らずに帰ることもできたのですが、自分も何かしなければという思いがあったようです。早く帰りたいのと、でも配らねばという思いの間で揺れながら、2時半を待っていました。
 早く帰りたい彼の気持ちを考えて、みんなとは別行動になりますが、チラシを配りながらバス停まで行き、そのまま帰ることにしました。2時半になってやっと出発。渡されたチラシを見て、「えー、これは多すぎる!」と戸惑う。「わかってる。バス停までで良いのよ。あとは私がやるから」と言うと、ほっとした表情になり一緒に配り始める。彼は、ポストに入れながら「たくさん来てくれると良いね」と何度も言っていました。
 M君がやる気を出す授業がなかなかできず悩んでいるのですが、この時、目的をきちんと理解できることなら彼はやる気を出せることがよくわかりました。そして「たくさんの人に来てもらいたい」という自分の思いがあるからこそチラシ配りまで帰らずに頑張れたのだと思います。
 当日も元気に声を上げてお客さんを呼び込み、係りの仕事を頑張っていました。
 
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2012/10/23

ぽぽスク祭報告その4 Y君、足が向かった!  行事案内・報告

 祭が終わって、学生たちが最後に感想を述べた。その時Y君は、「今朝、足が自然にぽぽスクに向かっていた」と語った。
 彼は前日早退していた。嫌なことがあって落ち込んでいたのだ。その日は何とか遅れてやって来たが、誰とも口を聞こうとしなかった。昼食もほとんど食べずに、1時頃ついに帰ると言って帰った。その時職員の「明日はポップコーンの仕事があるし、おいでや」という声かけにも、「わからへん、けえへんかもしれん」と応えていた。
 しかし、来た。そして、声を張り上げてポップコーンを売り込んでいた。昼食をとるように進めても、「大丈夫です」と言って頑張った。前日の分までやらなければという雰囲気が溢れていた。
 そして、感想では「昨日、いろいろ思って落ち込んでいたことはなんやったんやろう、とあほらしくなった。今までは嫌なことがあると逃げてたけれど、それはあかんと思った。今日、来て楽しかった。良かった」と付け加えた。昨日とは別人のような素敵な表情である。

 とても敏感で傷つきやすい彼は、感情のコントロールが上手じゃなくて、自分の不安な気持ちに負けそうなときがある。そんな時、今までは職員に聞いてもらっていた。しかし、今回は自力でコントロールできた。ぽぽスクに足が勝手に向いていた、という言葉はとてもうれしいし、彼も自分への自信に繋がったと思う。初めのうちは「ぼくなんかが、ぽぽスクに来てもいいのかなあ」と漏らしていたが、少し前には「ぽぽスクのことをもっといろんな人に知ってもらいたいんです」と言うようになっていた。行事をみんなと一緒に経験していく中で、ぽぽスクが少しずつ彼の中で居場所になっていけばいいなあと思います。
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