2013/5/31

秀歌読みましょう(2)  秀歌読みましょう

岡本かの子を知っていますか。そんな失礼なと思うあなた以外は、せいぜい岡本太郎のお母さんと言う位ではないでしょうか。
私は小説家としてのかの子の作品が好きですが、その出発が和歌であり、新体詩から仏教研究と説教のための短歌であった事はあまり知られていないと思います。

写真で見る顔はちょっと引きますが、夫岡本一平が彼女を観音菩薩のようにあがめたのは一平の姉妹がすごい美人ぞろいで(その一人が池部良の母)美人に飽きていたのだろうと、池部氏のエッセイで読んだと思います。あるいは瀬戸内春美さんの「かの子繚乱」の中かもしれません。
そんなかの子の小説から

年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり 
                    「老妓抄」より

これは小説の主人公である老妓の感慨であるとともに、作者の心底からの叫びのように聞こえてならない。私が若い時にこれを読んでただ圧倒されたけれど、だんだん年をとるにつれて身に添ってくる歌になった。今ただの人がこういう歌を詠めば具体性のない独りよがりの歌と評されるのかもしれないけれど、小説の筋立てとかの子の生活を背景にした場合、生きる悲しみと反する命の強さが(作者のもてあますような思いとともに)歌い上げられていると思う。
この歌はかの子の記念碑(岡本太郎作の「誇り」という白鳥が空をめざすようなモチーフが素敵)にも彫られているという。

写真が貼れないので、ぜひググって見てください。太陽の塔などの太郎の作品とは違った、いかに彼がかの子を愛していたかが思われる姿です。
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2013/5/28

NHK短歌テキストのこと  NHK短歌

私が毎月買っているのは「NHK短歌」テキストだけです。こんなこと書くとほかの総合雑誌の方から叱られるかもしれないけれど、時間のない人間にはあまり色々読んでいる暇がないし、年寄りは段々目が駄目になって辛くなるのです。

「NHK短歌」というのは皆様ご存知のEテレの番組で、投稿者も多いらしく番組放送以外の佳作作品はテキストに掲載になるので、そのために買うという人が多いのだと思われます。でも短歌雑誌としてみた場合、さすがNHk、全国、老若男女に配慮をし、初心者も気楽にはじめられるような入門記事もあります。
また長年やって頭の固くなった年寄りに、今の若い人たちの世界を紹介する、ジセダイタンカというコーナーもあります。

巻頭秀歌には素敵な写真がついて、眺めるのも楽しく、時々あけてみる本としても楽しめます。そしてなんといっても安い。だいたい700円でおつりがくるので、手ごろではないでしょうか。
誰かのブログに、短歌を始めたころ放送を見ながら先生の言葉を一生懸命メモした思い出が書いてありましたが、テキストには放送内容がちゃんと記載されているので、忘れやすい年寄りでも確認することができます。

私はNHKのまわしもの(いまはステマとかいうのかしら)ではありませんが、ちょっとお奨めしてしまいます。なお文中の年寄りと言うのは私のことで、あなたではありません。
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2013/5/25

ゆりの花  短歌

土曜日は大抵主人の車に母を積んで、どこかへ出かけます。と言っても母の都合であまり遠くへも長い時間も行かれないので行先は決まったようなものです。先週は神田祭で出かけなかったので、今日はユリの木の花が咲いたか、上野の方へ見にいきました。出がけに近所の人が二週間前に満開だったというので、期待しないで行ったけれど、やはり散り終っていました。

私はユリノキが大好きで、ことに国立博物館の前庭脇にある大木がすきです。どの季節でも勇気を貰えるような堂々とした立ち姿ですぐそばまで行きたいけれど入場している暇がないのでこのところは遠目に見ています。
花が散ってしまったので、今日は奏楽堂の周りをちょっと歩きました。今の奏楽堂は再建ですが、母が女学生のころにパイプオルガンの演奏を聴く会に行ったと話していました。母は今はそのことも忘れています。都美術も立て替えて、昔の面影もなくなったのでここはどこだろうという顔をしていました。

それでも東京は大木の多い都市で、こんなに高層ビルばかり増えていくのに、皇居をはじめとして緑の塊があちこちにあるのは本当にオアシスですから、みんなで大事に守らなければといつも思います。
つる薔薇の彩と濃い緑の木陰を(ほんの十分ほどなのですが)楽しんで帰ってきました。どうも今年は気候が半月からひと月足早に過ぎていくような気がします。ユリの花の歌、今日は見られなかったので去年の花を思い出して

ゆりの花王冠のかたちに咲きにけり高き梢に気付かれぬまま
                           多香子
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