2017/5/26

唱歌「夏はきぬ」  短歌

五月ごろになると公園などの下草に「卯の花」が咲き始めるのに会う事がある。山の方に行くともう少し遅く、色々な「空木」があって卯の花=空木であると知っているのだが、源平空木などとても卯の花と同じとは思えない。「夏はきぬ」の歌を口ずさむと、旧暦五月はひと月ぐらい遅れているのだなあと実感する。
しかし良く歌う「夏はきぬ」の作詞者が佐々木信綱ということはすぐに失念してしまう。(このごろ年のせいかいろいろ忘れていることが多い)明治29年「新編教育唱歌」に発表されて文部省唱歌ではないらしい。五番まであるが@AとDのみあげてみる。

「夏はきぬ」作詞佐々木信綱

@卯の花の匂う垣根に    A五月雨のそそぐ山田に
 時鳥はやもき鳴きて     早乙女が裳裾(もすそ)ぬらして
 忍び音もらす夏はきぬ    玉苗植うる夏はきぬ

D五月闇 蛍飛び交い
 くいな鳴き卯の花咲きて
 早苗植えわたす夏はきぬ

「美しき日本の歌」の本にもあるが、歌詞は今の人には大人でもむずかしい。そのためによくある誤解やパロディも出てくるのだろう。「赤とんぼ」の「おわれてみたのは」の「背負われる」という意味を「追われる」と思ったり、「赤い靴」は人さらいの歌だと思ったりするようなものだ。時鳥は「ほととぎす」鳴き声はは「特許許可局」と教わったが、そう思って聞くとそうもいえるし、ただ聞いても節の付いた鳴き声だなあ、というところかも。

「夏はきぬ」と言うとCMにもあったような気もするが、「絹ごし豆腐」を思ってしまう。冷奴で食べるにはあのつるっとした感触が良いように思う。「来ぬ」きぬとよんで「ぬ」は完了の助動詞。夏が来たなあが本当。

夏は絹、冬は木綿と覚えたがどうやら母にだまされたらしい  多香子
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2017/5/19

「読売歌壇」「毎日歌壇」掲載  毎日歌壇他

ゴールデンウィークも終わると神田祭でいかにも「夏祭り」と言う感じの年と、雨にたたられて寒いような年がある。神田祭は一年ごとに「裏、表」があって、今年は盛大に行われる「表」の年だったのに、土曜は雨にたたられてしまった。日曜はまあまあで、あまり暑すぎないのが良かったかとおもう。
介護生活であまり出なかったお手伝いを、今年もしないつもりだったが、「お神酒所の留守番」という年寄りの仕事にお付き合いをした。地付きの人間なので近所の人と話しているだけで、疲れたけれど楽しかった。

4月24日付「読売歌壇」で小池光選に一首採っていただきました。
小池さんは有名な「猫好き」なので小池さんへの投稿は「私の猫歌を詠んでいただきたい」と言う気持ちからでした。毎週何百と言う猫歌が集まるので競争は激しいのでしょう。今まで採られたのは猫歌の間に挟んだ歌三首でした。今回初めて猫の歌を採って頂きました。

気の強いかあさん猫は三匹の子猫と緑の首輪を残しぬ    河野多香子

この猫は30年位前に死んだ「ルビー」という名前のこで、一度に六匹の子を産んだのだけど、歌には三匹にしたのです。本当に気の強い、他所の人が間違えた名前を呼ぶと、振り向いて「ふぁっ」というような猫でした。

5月15日付「毎日歌壇」では、伊藤一彦選で一首掲載されました。

小窓うつ雨トレモロと聞きながら君の足音おもい出してる  河野多香子

伊藤さんは二か月ぶりぐらいですが、六番目(毎日は特選とあと10首なので何席と数えていいのか分らないのだけれど)でとなりの七番のお歌も「雨を聞く」お歌だったのが、今週はそういうものが採られたのかなとか思ってしまいます。選者ごとの投稿なので、何となくその週のテーマが見えるときがあります。(というのは私の勝手な思い込みなんですけど)小池様、伊藤様、ありがとうございました。
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2017/5/12

秀歌(69)黒瀬珂瀾 角川12首より  秀歌読みましょう

N短が四月の選者交代で、第三週は「未来」選歌欄をもつ黒瀬珂瀾さんになった。ご紹介を兼ねて「角川短歌」三月号の12首詠から6首を引く。
黒瀬さんが若くて(40歳)僧籍のひとと言うのは良く知られているしN短の写真はすごいいい男写真なのだけど、立派な「イクメン」である。浄土真宗の僧なので(わが家の宗派でもある)禅宗とはちがうし、初めは春日井健に憧れて「中部短歌」に入り『黒耀宮』で「ながらみ出版賞」、BL風な三島を思わせる華麗な歌で評判を取った。「中部短歌」から「未来」に入会、大学の先生の奥さんの赴任地について行き、ロンドン在住時に子供が生まれた。奥さんの金沢大赴任とともに富山のお寺の住職となり金沢で基本子育てをしている感じがある。(これは私は賛意をもって書いている)昨年『蓮喰ひ人の日記』で「前川佐美雄賞」を受賞。

「鳥ならず鷺」

元日の水面に滑り込む白鳥(くぐい)われにも還る浄土のあるを

浅野川に鴨流るるを目守るのみ曲学の徒になり損なひて

乾坤の崩落に遭うごとき顔なしたり虫歯を告げられて児は

能登沖へジンベイザメの泳ぎ去るニュースを消せば娘は眠る

白峰の雪をママへの土産にと一分悩み児は川に投ぐ

とり、ならずさぎ、と初めて五歳児の指せば犀川みぞれ降り染む

「ならず鷺」というのは鳥ではない、という意味の「ならず」か。でも子供の言葉だろうか、黒瀬さんはサブカルチャーにも強いと言う事だけど、そこは私の弱い所なので何だか調べてもよく分らなかった。(六首目の読みをどなたかご教示頂ければ幸いです)子供の歌が多いが、冷静に子供の成長をみつめ、溺れない目で子供の居る現在の世界を描いているようだ。
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