2018/4/20

「読売歌壇」掲載  毎日歌壇他

今年の花の咲く速度の速さは、みんなあっけにとられているうちにどんどん咲いて、どんどん散ってしまいます。花海棠(はなかいどう)という、姫林檎のような少し濃いピンクの花の咲く木があって、大きくても2mくらいの優しい木です。北の丸にちょっとした花海棠の並木があるけれど今年は見ないうちに終わってしまうでしょう。と言うのも四月前半は武道館で毎日のように大学の入学式があるから、うかつに車で入ってはいけないのです。名前を覚えた「トキワマンサク」もあちこちの公園の生垣に濃いあずき色をみせはじめています。

4月10日付の「読売歌壇」俵万智選に久し振りに掲載されました。三席でした。

巻貝のような階段くだりゆき私のスカート潮騒となる   河野多香子

評】螺旋階段をとらえた上の句の比喩が瑞々しく、結句もうまく響きあっている。

私は普段からスカートしか履かないもので、こういう歌になるのかなと思いました。「貝」と「潮騒」がつきすぎと言われず「響きあっている」という評でほっとしました。「読売」は7か月ぶりぐらいで嬉しいのに、俵さんの素敵な評も頂けてニコニコしてしまいます。俵万智さまありがとうございます。

この回は、栗木さんの選で採られた掲示板「風」の風太郎さんとも同じ紙面に載っているので、それも嬉しい事でした。
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2018/4/13

「花かげ」の碑  短歌

童謡「花かげ」は今の人は知らないだろうけど、少し年が行ったひとだと曲を聞けばああと思うだろう。昭和七年 作詞 大村主計(かずえ) 作曲 豊田義一で、お嫁に行く姉をしたって弟の大村主計が作った詩という。まず(三番まであるが)一番の歌詞だけを上げる。

一、十五夜お月様 ひとりぼち  
  桜吹雪の花かげに
  花嫁姿の おねえさま
  車にゆられて 行きました (ユーチューブで安田章子の歌が聴けます)

曲も哀調があり、何故か私は子供心にこのお姉さんはお嫁に行っても幸せには成らなかったのでは、などと空想していたけれど大人になって調べてみたら、それは弟の主計の寂しい心からのもので、決して不幸な話ではないと知った。大村は山梨県塩山市の生まれで、そこで亡くなっているし、姉の嫁ぎ先もそう遠くはない山を越えた村だったようだ。

私と母は以前よく山梨に旅行して、歴史遺跡や武田関連の場所を見に行ったりした。「塩山」という名前は海なし県の甲斐で、運んできた塩の貯蓄地であったのかもしれない。武田の時代、寺の築地塀に塩を練り込んでいざという時に備えたと言う話もあった。その塩の寺「向嶽寺」に大村家の菩提寺が有ったので、境内の外に「花かげの碑」がひっそりと建っていた。
桜は何本かあるのだけど碑に添うように一本の桜がひょろりとあって、私達が行った時ちらちらと風に舞ってくるのが、寂しげだった。近くにハイキングコースもあり、その時もお婆さんと子どもお母さんが車でお花見に来て楽しんでいたけれど、いまだに私の印象はのどかながら寂しい。

塩山の山懐に抱かれて桜ちらちら「花かげ」の碑に  多香子
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2018/4/6

四月の歌  短歌

今年の花粉症はひどいと皆が言う。私も去年までだんだん治まりつつあるなあと言う感じだったのが、今年は二月ごろから本当に目も鼻もひどい状態でついにお医者から「花粉症用目薬」をもらった。それがあまり効かなくて、毎朝辛い思いをしているが皆仕事はしなくてはならない。四月の歌はそこからこんな題になったけど、私自身は電車通勤がないのでそこは楽だ。

「仕事をしよう」

春が来てちょっとウィンクした後で私の右を通って行った

斜め前、爆睡中のおじさんと私を乗せたローカル電車

玉かぎるピンクパールのイヤリング春の匂いの街中を行く

朝焼けは午後には雨とお布団で猫に聞かせる天気予報よ

雨に泣く桜の花の心さえ捨てて一日デスクで仕事

気持ちだけコロコロ転がる月曜日ルンバではない掃除機をかける

四月には新しい眼鏡買いなおし夕焼け空をよく見てみよう

本当はプチ入れ歯が緩んで、物が嚙みにくくなっているので「新しい入れ歯」を作り直しているところなのだが、ちょっと歌には美しくないので眼鏡にした。去年買い直した「眼鏡屋さん」はもう閉店してしまい、うかうかしていらない世の中、家の方は歯医者だらけになってしまった。
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