特許庁による地方振興の取り組み  商標

 地域ブランドの育成に取り組む地域が増えていることに合わせて、特許や商標などを管理する特許庁も地域ブランドの育成サポートに乗り出しました。特許庁としても、地域ブランドの商標登録を推進し、日本の地域振興に、商標権を守るという部分で貢献したいという考えのようです。自治体によっては、商標の管理の重要さを認識していなかったり、手続きや審査が面倒なために商標登録を怠っていたりする地域もあるようです。商標登録を行っていない地域ブランドに模倣や盗用の危険性を知らせ、商標登録を呼びかけています。

 以前紹介した地域団体商標制度もこの活動の一貫です。地域団体商標制度が制定されたことで、地域ブランドの商品を一般企業と協同して販売することができるようになりました。食品や飲料などに、商標登録している地域ブランドを記載したり、商品名に入れたりすることで、地域ブランドの認知を広げることができる上、商標権を所持している団体が使用料を得ることもできるのです。地域団体商標制度を利用するには様々な制限があるため、登録条件や利用方法などの相談も行っている他、HPで詳しく紹介されています。
 
 最近では地域ブランドの海外進出も視野に入れ、諸外国に地域ブランドを売り込む際のサポートや、現地での商標登録についてのアドバイスなども行っています。地域ブランドを育成し、守っていくためにも、地域団体商標制度を利用し、特許庁のサポートを受けましょう。
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キャラクターによる地域振興  新たな取り組み

 地域ブランドや地域振興関連で、ここ数年人気を集めているのが‘ゆるキャラ’と呼ばれるご当地キャラクターです。以前から観光協会や自治体がキャラクターを造り、きぐるみショーやグッズ販売などをすることはありましたが、2007年にひこにゃんが登場したことにより、ゆるキャラブームに火がつきました。

 ひこにゃんは彦根市で開催された「国宝・彦根城400年祭」のイメージキャラクターとして作成されたキャラクターで、「ひこにゃん」という親しみやすい名前と、その風貌のゆるっとした可愛さで子供から大人まで大きな人気を集め、人気自治体キャラクターでも常に1位にランクインしています。これまでのひこにゃんのグッズ売上高は述べ10億円以上にものぼるそう。また、連日多くのメディアに登場することで、彦根市の地域ブランド向上と知名度アップにも大きく貢献しました。ひこにゃんが登場する彦根城でのイベントも大盛況。これら全ての経済効果は数百億円以上にものぼります。注目したいのが、イベントの盛況によって観光客が増えたということです。まさに地域ブランドによる地域振興の成功例と言えるでしょう。

 ひこにゃんに倣って他の地域自治体もゆるキャラでの地域振興を試みています。福島県のきびたん君や京都府のたわわちゃんなど、地域ブランドの名産品や観光地をイメージしたゆるキャラが全国各地に誕生しています。全国各地のゆるキャラが集まる‘ゆるキャラサミット’も開催され、地域ブランドの育成に大きく貢献しているようです。
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地域で協力した取り組み  

 地域ブランド育成の取り組みは、地域ごとに単体で行われているだけではありません。何かメディアで注目されるようなイベントや商品を出したいと思っていても、小さな地方自治体が単独でやるのはなかなか難しいのです。そこで、全国各地の地域がそれぞれ協力し合い、様々な地域ブランドを紹介するイベントを開催するのです。

 地域ブランドが集まるイベントとして最近注目を集めているものと言えば、やはりB-1グランプリでしょう。このイベントは、その地域で愛されている、安くて美味しいB級グルメを一同に集めたイベントで、全国各地の美味しい料理が食べられるとあって人気を集めています。また、来場者は自分が美味しいと思った団体に投票することができ、来場者の評価によって優勝チームも決まります。イベント開始当初の2006年は1万7000人程度だった来場者数も、昨年2010年は過去最高の43万5000人を記録。メディアでも大きく取り上げられ、定番のイベントとなりました。

 B‐1グランプリ第一回、第二回大会優勝の静岡県富士宮市の富士宮やきそばは地域ブランドの成功例と言えるでしょう。B-1グランプリでの優勝により、富士宮やきそばの知名度は急上昇し、観光客も増加し、大きな経済効果をもたらしました。

 B-1グランプリは、地域ブランドのB級グルメの認知を広げることができる上、観光客の誘致にもむすびつく地域振興のイベントとなっています。今後もB級グルメだけでなく、他の業界でもこのような全国の地域が協力して地域振興を行なうイベントが増えていくでしょう。
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世界に向けた地域ブランド  新たな取り組み

 地域ブランドを育成し、地域振興をすることのターゲットとなるのは、日本国内だけではありません。地域ブランドを育成し、認知度を上げることで、地域ブランドの商品の海外展開や外国人観光客の誘致にも繋がります。今回例に挙げたいのが神戸牛。日本でも高級牛として広く知られている有数の地域ブランドですが、アメリカでもこの神戸牛が大人気。もともとはハリウッドスターが来日した際に神戸牛を食べ、その美味しさに感動したことからアメリカでも広く知られるようになったと言われています。ハリウッドスターの中には神戸牛を食べるためにお忍びで日本にやってくる人も。今では「コーベ・ビーフ」という神戸牛スタイルのアメリカ産の牛肉も存在し、レストランなどでも食べることができますが、やはり一般の人でも本場の神戸牛が食べてみたいとわざわざ日本にやって来ることもあるそうです。

 逆に日本で人気の海外地域ブランドにはどのようなものがあるでしょうか。最近人気なのは、やはり韓国のソウルでしょう。韓流ドラマやK-POPはもちろんのこと、韓国料理やファッションまで大ブームになっていますよね。韓国旅行に行く人が増えているのはもちろんのこと、コリアンタウンの新大久保も若い女性を中心に大人気です。その韓国の中心地がソウル。今では様々な商品に「ソウル◯◯」と付いています。まさに地域ブランドですね。日本にも世界的に認知されるような地域ブランドがたくさん生まれて欲しいですね。
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地域団体商標制度  商標

 地域ブランド作りが全国的に盛んになる中で、地域の名前を入れた商標が増えています。以前は地域名と商品名が入った商標は商標として登録されることが難しく、地域ブランドは商標登録を出願しても受理されないケースが大半でした。しかし2006年に地域団体商標制度が導入され、地域名と一般的な商品名を合わせた地域ブランドの商標登録が認められるようになりました。第一弾として、大分県の関あじ・関さば、京都府の鴨川納涼床、岐阜県の下呂温泉など52件が登録され、現在も登録件数が増え続けています。この地域団体商標制度が導入されたことにより、同一、類似の商標は商標権の侵害となるほか、他人の商標の無断利用の差し止め請求や損害賠償請求もできるようになりました。地域ブランドが模倣や盗用からようやく守られるようになったのです。

 この商標登録は、誰でもできるものではなく、主に漁協や農協など、その商標を利用する組合でなければ商標は認められません。これは、一個人が商標権を取得することによって、地域ブランドの商品に地域名を入れることができなくなることを防ぐためです。商標権を取得する組合の構成員であれば、商標を使用することができるため、地域ブランドが様々な商品に広がることを可能にしています。

 地域ブランドは、地域という公共性のある言葉を付けた商標が多いため、馴染みやすい反面、独占的に使用するのには限界があります。地域ブランドを守りながらも、誰かが独占するのではなく、地域全体の活性化に繋がるような仕組みであって欲しいですね。
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