2010/10/17

【 無題 】  鹿波 裕樹

  


  今見えている光が、いつか闇になってしまうなんて。
  想像しただけでどうしようもない不安に襲われる毎日だった。




  「…っあ……」


  手を伸ばしてコップを掴もうとした。 いつも通り、掴むつもりでいた。
  それなのに視界がぼやけて、目的のものは掴めず鈍い音と共にそれは倒れた。


  机の上でコップが転がり、中の液体が零れる。


  早く拭かなきゃ、と頭の中で思うのに体が全く動かない。
  ぽたぽた机から垂れる液体を見つめ、ただ呆然と立ち尽くした。




  いつか、突然、今みたいに呆気なく光を失ってしまうのだろうか。
  物を掴む。 そんな簡単な事すら、出来なくなってしまうのだろうか。


  物を掴むだけじゃない。
  日常の中で行われる、当たり前の事が出来なくなってしまう。


  そうすれば、どれだけの人に迷惑をかけてしまうのだろうか。
  

  
  

  「――――…っ、」

  
  



  
  何度目か分からない涙が、濡れた床に零れ落ちた。




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2010/10/17

【 無題 】  古郡 澪


  
  ―――― “決して、他人に感情を抱かない”。
  そう誓いをたててから、一体どれくらいの数月が経ったのだろう。



  
  人との関わりを絶つのは、意外と簡単なもの。
  人との関係なんて、あっけないものなんだと改めて思う。


  どんなに理不尽な離れ方をしたって、俺の存在なんか
  初めから無かったかのように新しい相手を見つけ、みんな過ごしていく。



  友情だとか、家族愛だとか、恋愛だとか。
  全てがただむなしいものでしか見えない。


  

  それが哀しいとか、そんな感情は持ち合わせていない。
  ただ、何とも言えない感情が俺の中で渦巻いている。 ただそれだけ。


  

  ただ、それだけなんだ。




  

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