2011/1/18 | 投稿者: vsdgfd

 麻貴先輩がからかうように言い、腕をますますからめてくる。豊満な胸がぼくの肘に触れそうになる。遠子先輩と違って、わかっていてやっているから始末が悪い。
 遠子先輩の十倍くらい疲れる。登山靴
 解体工事を請け負っている会社の事務所に辿り着く頃には、ぼくは夏の蒸し暑さも手伝って、ぐったりしていた。
 出された麦茶を飲みながら、わんこのように大人しくソファーに座っている。
 麻貴先輩は、担当者と見積もりの話をしている。
「こんな感じで、どうでしょう」
「悪くないけど、他にもいくつか見せてくれる」
「少しお時間がかかりますが」
「かまわないわ」
 異教徒の侵攻に晒され、壊滅の危機に瀕していたブリテン国。魔術師の予言に従ってその救世主の任を負わされ、十の年月、十二もの会戦を常勝のうちに戦い抜いた龍の化身≠スる若き王。
 その武勲にも関わらず、最後には肉親の謀叛によって王座を奪われ、ついに栄華のうちに終わることを許されなかった悲運の君主。登山用品店
 そんな激しくも痛ましい命運を、こんなにも華書な少女が背負ってきたという真相は、アイリスフィールの心にも重くのしかかる。
「切嗣には……私の正体が女であったが故に、侮られているのでしょうか? 剣を執らせるには値せず、と」
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2011/1/10 | 投稿者: vbdfg53

 いつの間にやら再び実体化したライダーは、どっかりと路面に胡座をかいて座り込むと、ウェイバーから取り返した地図帳をぱらぱらと捲りはじめた。
「おいライダー、戦《いくさ》の準備っていうのは……」
「戦争は地図がなければ始まるまい。当然ではないか」
 何が嬉しいのか、ライダーは妙にニヤニヤと顔を綻ばせながら、まず地図帳の冒頭のグート図法による世界地図に見入る。ハイキングシューズ
「なんでも世界はすでに地の果てまで暴かれていて、おまけに球の形に閉じているそうだな……成る程。丸い大地を紙に描き写すと、こうなるわけか……」
 ウェイバーの知る限りでは、英霊はサーヴァントとして聖杯に招かれた時点で、聖杯からその時代での活動に支障がない程度の知識を授けられるのだという。つまりこの古代人も、地球が丸いことを納得出来るぐらいには弁えているのだろう。だからといって、どうしてライダーが泥棒まがいのことをしでまで世界地図なぞ欲しがったのか、ウェイバーには皆目見当もつかない。
「? なに、心葉くん?」
「……愛してる」
「!」
 遠子先輩がとたんに、ずざっと後ろに引き、首から耳まで真っ赤になる。
「な、なななななな……」
「結婚して」登山用品店
「こっ、心葉くん」
「幸せにするから」
「〜〜〜〜〜〜!」
 ぼくと目をあわせたまま、口をぱくぱくさせる。
 ぼくの頬も、焼けるように熱い。
「って、麻貴先輩が遠子先輩に伝えろって」
「ま、麻貴が?」
 遠子先輩がカァァァァァッと赤くなり、次の瞬間、力が抜けたように、へなへなと長椅子にへたり込んでしまった。そのまま軟体動物のように、ぐにゃりと前にのめる。
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2011/1/9 | 投稿者: vbdfg53

 三ヶ月目にさしかかる頃には、すでに頭髪が残らず白髪になっていた。肌には至る所に瘢痕が浮き上がり、それ以外の場所は血色を失って幽鬼のように士気色になった。魔力という名の毒素が循環する静脈は肌の下からも透けて見えるほどに膨張し、まるで全身に青黒い罅が走っているかのようだ。ハイキングシューズ
 そうやって、肉体の崩壊は予想を上回る早さで進行した。とりわけ左半身の神経への打撃は深刻で、一時期は片腕と片足が完全に麻痺したほどだ。急場凌ぎのリハビリでとりあえず機能は取り戻したものの、今でも左手の感覚は右よりもわずかに遅れるし、早足で歩く際にはどうしても左脚を引きずってしまう。
 不整脈による動悸も日常茶飯事になった。食事ももはや固形物が喉を通らず、ブドウ糖の点滴に切り替えた。
 怯えるはずだ! 祟りの噂がある屋敷で、八十年前と同じことが起こっているのだから。
「けど、それだと、ぼくと麻貴先輩が一目で恋に落ちることになりませんか? それに、遠子先輩は白雪?で、妖怪になっちゃいますけど」
 とたんに、頭をぽかりとやられた。
「わたしは妖怪じゃありませんっ!」
「けど、令嬢?と学生?が、麻貴先輩とぼくなら、残ってるの妖怪だけですし」
 今度は、デコピンをされた。
 遠子先輩は怒り心頭という様子で、真っ赤になってふるふる震えている。
「冗談じゃないわっっっ!」
 あ、なんだかヤバイ雰囲気だ。アウトドアシューズ
「それじゃあ、可憐で純情な文学少女?のわたしが、みんなを殺しまくって、お屋敷を血の海にするとでも言うの?」
「いや、それは……」
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2011/1/8 | 投稿者: vbdfg53

 切嗣の隣で、同様に恭しく面《おもて》を伏せているアイリスフィールに、老当主は視線を転じる。
「アイリスフィールよ、器の状態は?」
「何の問題もありません。冬木においても、つつがなく機能するものと思われます」
 淀みなく返答するアイリスフィール。アウトドアシューズ
 願望機たる万能の釜は、それ単体では霊的存在でしかなく実体を持ち合わせていない。よってそれを『聖杯』として完成させるには、依り代となるべき聖杯の器に降霊させる必要がある。それを巡る七人のサーヴァントの争奪戦そのものが、いわば降霊の儀式と言ってもいい。
 その器たる人造の聖杯を用意する役は、聖杯戦争の開始以来、代々のアインツベルンが請け負ってきた。そして今回の第四次聖杯戦争で『器』を預かる役を任せられたのがアイリスフィールである。彼女は切嗣とともに冬木へと向かい、戦いの地に居合わせなくてはならない。
「なにせ屋敷は血まみれで、生きている人間は一人もいなくて、犯人がわからなかったのよ。すごかったらしいわよ〜。こう壁にべったり血飛沫が張りついて、鎌で顔から喉に向かってざっくり切られた死体がひとつ、鍬で胸をえぐり取られた死体がひとつ、頭を銃で撃ち抜かれた死体がひとつ、階段から転落して首の骨を折った死体がひとつ、口から泡を吹いて転がっている死体がひとつ」
「〜〜〜〜!」登山用品店
 遠子先輩が真っ青になる。きっと頭の中で、リアルに情景を想像しているのだろう。ぼくも、喉に鎌が突き刺さっている死体をうっかり思い浮かべ、胃の中のものを戻しそうになった。
 麻貴先輩はサディスティックな本性を全開にして、ねちねち続けた。
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2011/1/7 | 投稿者: teacup.ブログ 運営担当

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