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放課後いつも一緒の友達が先に帰って  

おまけに今日は、職員室に呼び出されて、放課後いつも一緒の友達が先に帰ってしまった。私は昇降口で、激しい雨がコンクリートの校舎を叩く音を聞きながら途方に暮れていた。空は暗く、時々稲妻があたりを照らしている。こんな、傘も役に立たないような、ニュースで報道されるほどの豪雨の中を、ひとりで歩いて家に帰り着くことなんて、できるだろうか。
「何してるの」
 話しかけられて振り向けば、そこには同じクラス、隣の席の栖川が立っていた。そういえば、この人もさっき職員室で別の先生と話しているのを見かけた。
「もう少し、雨が弱まるのを待とうと思って」
「この雨は弱くならないよ」
 当たり前のように、栖川は言った。

 栖川と一緒に歩き出して、すぐに後悔した。雨は想像以上にひどい降り方で、まさに「バケツをひっくり返したような」雨だった。雨の一粒一粒が異常に重くて傘を持っているのも大変で、そのくせに時々吹く横風で制服はすぐびしょびしょになった。
「そういえば、どうして職員室にいたの?」
 二人きりの沈黙が気まずくて、話しかける。一度目は無反応だったので、雨の音にも負けないような大声で聞訊きした。
「どうしてって、先生に呼ばれたからに決まってるだろ」
「そうじゃなくて、どんな用事だったのかなって」
「そんなこと、なんで言わないといけないのさ」
 栖川との会話は、教室にいるときもいつもこんな調子だった。大して面白いことも言ってくれないし、こちらが期待するような応えも返ってこない。それでも、なぜか私は栖川と話すのをやめなかった。
 栖川は、簡単にいうと少し変わっている人だ。クラスに友達がいないわけではないはずなのに、気がつくといつも一人でいる。休み時間に窓の外をぼうっと見ながらお弁当を食べていたり、授業中に堂々とイヤホンをつけていて音楽プレーヤーを取り上げられたりしている。一番驚いたのはいつかの帰り道、そう、この川の河川敷で、ひとりで座ってタンポポの綿毛を吹いていたのを見つけた時――
 歩きながらその川を見て、思わず思考が止まった。あの日ののどかな河川敷なんか、もう完全に消えていた。水位はどれほど上がったのだろうか、茶色く濁った水が、泡立ちながら激しく轟音を立てていた。
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