よく子供が産まれたときに犬を飼い始めると良いと耳にすることがあります。
それは、子供が小さい頃は子供を犬が守ってくれ、子供が小学生になると、良き友達として、子供が中学に入る頃には、犬はその生が終えることによって命の大切さを教えてくれるからです。
私も両親が私が産まれた時に犬を飼い始めました。ラブラドールレトリバーで、名前をロンと言います。
そして、やはり私が小さい頃は両親もそうですが、ロンの方が私より大きかったため一緒にいると安心感がありました。
しかし、ロンは私がまだ小学校2年生のときに病気にかかりこの世を去ってしまいました。まだ、小さかった私は死ぬということがよくわかっておらず、ロンが目を閉じたまま動かないのは眠っているんだと思っていました。
しかし、両親が「もうロンは起きないんだよ。ロンは死んでしまったの。だから、お別れしないといけないんだよ」と、泣きながら説明してくれました。
私は両親が泣いているすごく悲しそうな顔が、何を物語っているか、幼いながらに理解しました。その後は、もう本当に泣きじゃくりました。
「死」ということは、もうロンと遊ぶこともできないし、触れることすらできなくなってしまうのだと思うと、悲しみがとめどなく溢れて涙が止まりませんでした。
大人になった今でも、その時の両親の顔は忘れられません。
ロンは自らの死をもって、私にとても大切なものを教えてくれました。お別れという悲しみと。そして、いつまでも心の中に残る大切な思い出です。両親と、そしてロンに「ありがとう」と伝えたいです。

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