2011/9/13

震災39  

遅ればせながら2011年8月26日に参加した宇都宮泰氏による「ガイガーカウンター製作ワークショップ」の報告をしようと思います。そこで宇都宮氏の話を聴くことが出来たことは単にガイガーカウンターを廉価で入手するという題目にとどまらない貴重な体験となりました。詳細については何はともあれutsunomia.comをご覧頂くとして、以下に私的印象的事項を述べてみましょう。

シーベルトという突如有名になったこの単位は放射線による人体への影響を表すわけですが、核種が多数存在することを度外視したとしても、厳密には細胞分裂の頻度の異なる体の部位によって本来その算出のための係数が違ってくるのだということです。もちろん年齢によってもそうでしょう。

「ワークショップ」で作ったガイガーカウンターはガイガーミュラー管を通過した放射線の数をカウントするというシンプルなものです。そして「cpm=カウント数(回)/時間(分)」を算出する際、時間でなくカウント数のほうを任意の定数とすることにより平均cpmの誤差をカウント数の平方根の逆数と概算することが出来るとのこと(ポアソン過程)。例えば100カウントで10%、1000カウントで約3%、10000カウントなら1%の誤差。400カウントで5%の誤差、というのが私的モード。使用している「SBM-20」というガイガーミュラー管が放射線を捕捉し損なうことはまずないそうなので、こうして計測した値は信憑性の高い「生のデータ」であるといえるのではないかと思います。

計測したcpmにある係数を掛ければ簡易にシーベルト換算したことにはなりますが、その係数には条件に応じて0.0065〜0.01などの幅があるようで、あくまで目安とすべき。拙宅(3F)での測定結果は、β遮蔽ありの状態で17〜20cpm(誤差±5%)。窓際で風を入れながらだと約2cpm増し。ちなみにシーベルト換算するとざっと0.11〜0.22μ㏜/hときっちり倍の振れ幅になってしまいます。通行量の多い二車線道路、道路工事現場、学校のグラウンドと三方を望ましからざる環境に囲まれているせいか近所の知人達宅より2〜3cpm高めに出ています。

追々皆で「(ガイガーミュラー管の品名)×(count per minute)」による「生のデータ」表示に移行していくのが望ましいのではないかというのが私的提案です。例えばこんな製品が参考になるかと。曖昧シーベルト表示など後々場合によっては司法の側から「無効」を言い渡されかねない、なんてのは杞憂でしょうか。

一度ご自宅での放射線測定をしてみたいという方には、ガイガーカウンターを貸し出そうと思っていますので、是非お申し出ください。当面生徒さん優先ということで。

宇都宮泰氏は科学的環境に生育しこそすれ御自身は音楽家です。たどたどしいハンダ付けを終えてクリスタル・イヤホンからプチプチと放射線通過音を聴いた瞬間かつてのwrkやジョン・ケージを軽々と超える感動があったのはその音響が生じるための一連の論理的必然性がその悲劇性を凌駕したように直観されたがゆえだったとすればそれは宇都宮氏が目指すという「最終音楽」に似つかわしいものではなかったか、と測定の度に回顧しています。
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