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福田和也著「地ひらく」04年9月、文春文庫。

Soviet Stalinは、始めから毛沢東を信用せず、
毛沢東を「コミンテルン」に参加させたものの、
国際戦略上蒋介石の方が需要として、そちらに
援助した、とのこと。

著者が入れ込む石原莞爾流満州構想、満州を東亜
のUSA合衆国にする方針は、東條英機、岸信介ら
に否定され、満州植民地化が進められた。

石原が1970年頃と想定した対米最終戦争が前倒し
され、日本惨敗。

日本が対米戦争するのは、産業技術開発、対中和
解してからだ、対中全面戦争止めろ、の石原方針
は、軍部主流派に無視された。

でも石原は、敗戦や新憲法や平和主義を肯定。
国體を守り、徳義を回復させた上での平和を追求
せよ、とした。

また都市化を排し、農工一致を主張。
石原の平和主義は、安直で矛盾した戦後左翼流の
ものよりも面白い。

松岡元外相が、米穀に対抗するには、日独伊蘇四
国同盟が必要、としたのはそれなりの大構想。

でもHitlerの方が悪辣度で上手。自らのSoviet
侵攻の意図を隠しながら、日本Sovietを除く三国
同盟を結ばせた。

松岡洋右は、四国同盟に至る過程として三国同盟を
受入れたけれど、梯子を外された。

日本陸軍の多くは、Germany(ドイツ)を過大評価し、
三国同盟で十分対米戦争可能と幻想したけれど、
中途半端な三国同盟は、戦後も、旧日本軍とNazi
Germanyとの類比論とか、日本に多大の害をもたらした。

東條英機らは、第一次欧州大戦を曲解、Germany
は敗北したけれど、Germany流戦術はただしい、とし、
それを日本軍に取入れた。
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川勝平太著「富国有徳論」00年1月。
二十世紀終盤の冷戦終結は、富国強兵策の限界を示した
ものだとして、そこからの転換を模索。

98年、橋本内閣での第五次全国総合開発計画が「美しい国土
の創造」を副題に持つことを指摘、著者なりの美しい国づくりを模索。

小渕内閣では、政策助言者の一人にされた。

安倍第一次政権は「美しい国」の表題を掲げ、それを著書
の題名にも使用したけれど、中身が乏しく、混乱した。

教育基本法改定、国家権力による「愛国心」注入が美しい国を作る、
として国家権力主導のやり方に固執した。

第二次以降安倍政権は「美」を棚上げし、富国強兵幻想に逆戻りした。

川勝氏は、強い国よりも美しい国、美しい庭園国を作り、USA
(アメリカ)から自立せよ、と提案。

阪神大震災後の再開発を利用して、日本の住宅面積を倍増させよと提言。

住宅敷地は、食糧生産の場を兼ねて、一区画三百坪にせよ、土地私有
は明治以来の近代のもの、それを止めて、公有制を復活させよ、と。

戦後日本で、司馬遼太郎の土地公有化論があるけれど、著者はそれ
に言及せず。 一般国民の住生活を大幅に向上させて、各国民が自然
と共生した生活をすることによる「美」を期待した。

大まかな時代転換の認識は良いけれど、詰めが甘すぎる。
著者は現在静岡県知事。でも静岡で、この本の構想を政策化する様子
は無い。
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五木寛之著「運命の足音」
幻冬舎、02年8月15日。
著者の母や江藤淳夫妻の死に関する話もある
けれど、運命に関しては特定の見解を示さず。

宗教に関する話が重要な部分を占める。
著者によれば宗教は反現実である。

現代の現実社会では「プラス」思考が流行
するけれど、宗教は「マイナス」思考であり
「ブレーキ」である。道徳は現実のものである
けれど、宗教は道徳とは別のものである。

宗教は月光である。
著者によれば、宗教は人(信者)を、
重い荷物を持つことが出来る様にする
けれど、荷物を軽くすることは無い。

斎藤一人さんの商人道でも、手抜き、怠けと
しての「ラク」を求めるな、楽しく、努力が
苦にならぬ様にせよ、と説く。

宗教は、夜道を照らす光の如きものである。
環境問題に直面する現在の日本人は
「草木国土悉皆成仏」の思想を再評価する
のが良いと著者は説く。

著者は医者を頼りにせず、健康保険の世話になら
ぬことを誇る。

この本では右足首を捻挫した話があり、足首
がどす黒く腫れても自然治癒させたとのこと。
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神田昌典著「2022‐これから10年、活躍できる人の条件」
PHPビジネス新書、12年2月。

細かな事件、事象を予測することは困難でも、大まかな時代
の変化や波を知ることは出来る。著者は七十年周期説を採用。
数十年後に革命や財政破綻等の大きな出来事があると予測する。

著者は七十年を四分割し、志の人、能の人、公の人、商の人
の順で主導者が交代するとする。これは近世日本の士農工商
の現代版の様でもあるが「ラビ・バトラ」博士の社会循環説
とも似たところがある。「バトラ」博士は武人、知識人、金持ち
の三者の交代を想定する。

著者は嘗て「非常識な成功法」を出版し、新たな成功法の旗手
として注目された。しかし二千四年に歴史周期の知識を得た
著者は、価値観の大転換が近未来に起ると見越して、
金儲けのための成功法則を封印、事業の方針を転換させた。

二千七年からは教育事業に参入することを決め、会社上場
準備を進めた。しかし新たな社員を入れたことにより、組織
硬直化の問題が発生、対応に忙殺される中で癌が発覚、
上場を無期限延期。

著者は金儲け至上主義から転換し、二千六年の「ホリエモン」
事件を冷静に見ることが出来た。しかし癌の襲撃を受けた。

著者は癌に対して独特の心の持ち方を示す。
癌を敵視せず、癌を幸福にする、癌を満足させて、
宿主から自立させる。

過去の罪悪感を生産して心の整理をするとともに、
部屋の整理もする。

著者は最新の治療を受け、さらに癌不在の状況のimaging
もしたらしい。そして見事に癌を消失させた。

☆著者は、iphoneを題材にして、製品の寿命(ライフサイクル)
の問題を検討する。製品の販売量を縦軸、時間を横軸にして、
製品の成長曲線を描くことができる。

成長曲線を、導入期、成長期、成熟期に分析することが出来る。
現在までの趨勢を延長してみるに、iphoneの製品としての寿命
は二千十六年になるとのこと。全く別の設計思想や別の名称の
製品に、二千十七年以降移行する。

導入期には試行錯誤のため、どんどん改良、version up
がくり返される。成長期、最盛期には同一versionの製品が
長期間売れ続ける。成熟期は再びversion upが頻繁になる
にしても、製品の本質を変更することは無く、苦し紛れの
販売促進策にしかならず。

著者は、製品の寿命から話を大きくして、
会社の寿命を問題にする。千九百七十年以降、
会社の寿命はどんどん短縮されつつあるとのことである。

会社の寿命が短命化しつつある。
この趨勢から推測して、会社(近代企業)の寿命は
二千二十四年頃に尽きると著者は話す。

それはある意味では資本主義の終了を意味することになる。
著者は、会社の代りにNPOが重要な組織になると、
Druckerを援用しながら語る。

ただこの本での会社論は、会社の発生や成長の過程や歴史
を省略してあるので、議論としては粗い。
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中矢伸一さんの古代史解釈「神々が明かす日本古代史の真相」によると、
出雲を武力制圧した日向邪馬台国は、大和に対しては政略結婚を持ちかけ。

日向側「アマテラス」「ヒミコ」の孫「イワレヒコ」神武帝が、大和側
「イスケヨリヒメ」に婿入りする事で話がまとまる。

どちらも「スサノオ」の孫でいとこ婚。神武一行は軍勢を連れずに「東遷」
したけど、大和側長髄彦が自身の勝手な判断で妨害。

神武一行は迂回して大和入り、辛酉年に即位。ただ西紀前660年とは
記紀の嘘で、西紀241年辛酉が恐らく正しい。

邪馬台国は「ヒミコ」が長命を全うした後「イワレヒコ」の娘「ヒミコ」
のひ孫豊受姫、魏志倭人伝では卑弥呼の宗女「トヨ」とされる、が継承。

関裕二さんの説では、大和が神功皇后こと「トヨ」らを派遣して北九州を
武力制圧、しかし梯子を外され征伐された「トヨ」が怨霊化したため、その
遺児神武帝を怨霊鎮めのために大和に呼び寄せた、とするけど、中矢説
の方が断然分り易い。

中矢氏は、十代崇神帝が、それまでの十種の神器を三種に削減したこと
を指摘しつつ、解明作業をせず、謎を放置。

中矢氏が、出雲を抹殺した記紀勢力を批判するのは良いけれど、その先、
出口王仁三郎らのOccult思想に落ち込むのは疑問。
抹殺された出雲側に、真正日本神道がある?

出雲以前の縄文時代日本が、元は世界の中心、日本に猶太勢力が流入
したけど、それは、日本を出発した勢力が、古代Israel、猶太
を経由して、日本に里帰りしたもの?さすがにこれは信じ難い。

縄文日本に人類普遍思想がある、との願望妄想を語る梅原猛さんでも、
日猶同祖論に手を出すことは無い。
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神道思想家中矢伸一さんの日本古代史解読、関裕二さんと
同様の種本(原田常治本)を使用しながら、関氏の説と
結構差異がある。

関氏は、日本と朝鮮半島とのつながりを問題にするけど、
日本と大陸との関係を追及せず。

中矢氏は、江上波夫説(朝鮮半島系騎馬民族が日本を征服)
とは別の形で騎馬民族による日本征服説を採る。

初代王「スサノオ」の父「フツ」が、どうやら大陸Mongol
系、騎馬民族渡来人。出雲に漂着。

出雲は当時「ヤマタノオロチ」と呼ばれた暴君に支配された
けれど「スサノオ」が「オロチ」を打倒して王位に就く。

「ヤマタノオロチ」に関して、梅原猛さんあたりでも解釈
に苦慮、火山や溶岩流の象徴化、などと推測(神々の流竄)
したけど、中矢氏は、元は人物のこととする。

記紀伝説で身勝手な暴れ者とされた「スサノオ」は、本当
は優れた統治者だ、とのこと。

「スサノオ」は、南九州日向をも攻略。これは、大陸史書
で、倭国大乱とされた。「スサノオ」は、かの地で「伊弉諾」
「イザナミ」の娘「アマテラス」こと「ヒミコ」と関係を結ぶ。

「ヒミコ」は「スサノオ」との間に五男三女を設けたけれど、
大陸からの使者には、独身巫女だと嘘報告したらしい。
魏志倭人伝の「ヒミコ」に関する記述は鵜呑みに出来ず?

「スサノオ」は、養子大国主に日向を任せ、出雲に戻り、
大和に息子「ニギハヤヒ」を送り、攻略。
出雲、日向、大和の大勢力を形成。

でも大国主の死後、相続をめぐり、出雲と日向が対立。
日向が、Mongol流末子相続の正義を主張したのに対し
て、出雲は「スサノオ」の正妻側の正義を主張。

日向は「アマテラス」「ヒミコ」を、大国主末子の代理、
事実上の王、摂政?としつつ、騎馬隊を出雲に派遣して
武力制圧、それが出雲の国譲り。

井沢元彦さん、関裕二さんら「ヒミコ」は暗殺された説
だけど、中矢氏は「ヒミコ」が長寿を全うしたとする。
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古代史研究は、大学「アカデミズム」外の参入者が居るの
が面白い。民間研究者の一人、関裕二さんは、経済評論家
浅井隆さん(日本国破産論者)の実弟。「日本書紀」に
よる歴史改竄、歪曲を批判、改竄以前の実相再現を試みる。

関氏の本はそれなりに面白く、十冊以上読破したけど、不
可解な部分も残る。

中矢伸一さんは、自動書記による、20世紀半ばの預言
「日月神示」解説、普及者。

中矢氏の初期著作の中に、日本古代史に関するものがあり、
それが結構凄い。

中矢氏も、関氏と同様、原田常治古代史を重要な手がかり
としながら、いくつかの重要な点で見解の相違。

「神々が明かす日本古代史の謎」では、日本には「神話」
は無い、超常現象説明のため、架空に建てられた神格は無
く「伊弉諾」「イザナミ」にしても、実在の人物を死後神
格化したもの、とされる。

「伊弉諾」「イザナミ」の子「アマテラス」の弟とされた
「スサノオ」は、記紀では暴れん坊とされたけれど、本当
は「アマテラス」の夫で優れた統治者だ、と。

「記紀」は勝者の立場からの歪曲された歴史、として記紀
原理主義を諫める。記紀に抹殺された敗者出雲勢力の歴史
を再現すべきだ。

その基本の立場は関裕二さんも採用。でも、中矢氏が、真の
初代天皇「ニギハヤヒ」こと大物主と大国主、大己貴とを
同一とするのは日本書紀の罠、大国主は「ニギハヤヒ」の
養子で別人、とするのに対して、関氏はその罠にはめられた様子。

中矢氏は「アマテラス」=邪馬台国の「ヒミコ」としながら、
場所を南九州日向とする。邪馬台国南九州説は、他には
PHP新書「日本古代史を科学する」中田力著があるけ
ど、少数派。

邪馬台国畿内下級集荷論争では、九州とは北九州で、
南九州は殆ど問題にされず。これは盲点?

関氏は、日向は、滅ぼされた北九州勢力の一時亡命先だと
したけど、苦し紛れの感じ。
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