第3部 第75話 英治を取り巻く女性について  

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一方、それからも英治とさちえの動向を知るために、私はこっそり英治の携帯メールをチェックし続けていました。
本当はこんなことをしたくはないと思いつつ、真実を知る方法が他に思い浮かばない以上、こうするよりほかなかったのです。

さちえは臨月までスナックで働き、5人目の子供を無事に出産。
しかし、ゆっくり休んでいる暇はない。
父親である男性に逃げられてしまったからには、自分が働いて、子供達を養っていくしかないのです。
さちえを捨てた男性には、英治も怒りを持っていて、接触を試みたこともあったようですが、私が知る情報はメールからのみなので、詳細についてはわかりません。
その頃さちえは、自分の店(スナック)を持つことを考えていたようで、金銭的なものを含めて、英治に相談を持ちかけていました。
5人も子供がいて、しかもシングルマザーともなれば、生きていくためには時には手段も選ばず、自分に都合よく利用出来そうな人間はちゃっかり利用するといった具合に、生き方もしたたかになるのでしょうか?
この頃、さちえにはもう新しい彼氏がいたというのに、英治には隠してつきあいを続けていたのです。(後のメールで知ることになった。)
そんなことなど何も知らない英治のメールには、さちえの店の開店資金について心配するような言葉が綴られていてました。
本当は全額負担してあげたい気持ちなのに、今の自分にはそんな力がなくて申し訳ないとか・・・、一体どこまでが本音なのかもわからないような、ええ格好しい言葉には、思わず嫌悪感を感じました。
出産のときの保証人といい、実際、英治がどれ位の金額を援助したのかは、まったくわかりません。

そしてこの頃、英治には、さちえ以上に頻繁にメールのやり取りをする女性が現れました。
さちえと同じ店でアルバイトをしていて、おそらく年齢はさちえよりも若く、子供のいる女性で、名前は良恵。
店に行くのはもちろんのこと、外で一緒に食事することが、何度もあるようでした。
それだけではありません。
良恵に会社のカードを貸して、ガソリンを何度も入れさせている。
良恵の子供のために、大きな鯉のぼりを買ってあげた。
私が知っているだけでも、これくらいしてあげているのです。
うちは他人に援助してあげられるお金が捻出できるほど、裕福な家庭ではありません。
旅行や娯楽に使えるお金はもちろんのこと、貯金さえもほとんどできない状態です。
自分の家庭の状況を顧みず、いい人のふりをして、他人に援助する英治の気持ちは、まったく理解出来ないのです。

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単身赴任状態の英治は、やりたい放題ですね。
見栄っ張りでええ格好しいで、周りから頼られていると自己満足している勘違い男の典型です。
実際はいいように女に使われ、貢がされ、そして最後は捨てられるおバカさんなのに。。。
そして、第3部第73話にあったように、妻や娘にそれを指摘されると、ムキになって感情を爆発する。。。
こんな男ですから、彼女もさっさと離婚するのが一番の得策だと思うのです。
しかし、やはり我慢していれば養われてもらえるという甘えが強いのでしょう。
それに対して英治は、彼女に対して、夫婦らしい思いやりやいたわりの心を持っているとは思えないのです。
妻である彼女の存在は何なのだろうか? と、とても疑問に思うのです。
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第3部 第74話 優の存在感  

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その日は休日・・・
優にメールをすることも出来ない私は、むしゃくしゃした気持ちを抱えながら、長い夜を過ごすしかありませんでした。。。
優だったら、たとえこんな類の話でも、親身になって聞いて、優しい言葉をくれるはずなのに・・・。
しかし優は、ケイのように休日も関係なく、頻繁にメールをくれるわけではない。
休日は連絡が来なくなる。。。
だからといって、メールの内容が急にそっけなくなり、6月以来逢いにきてくれなくなったケイには、もう以前のようには、自分のことはもちろん、家族に関する悩みも話せなくなっていたのです。

こんなとき頼りになるのは息子の俊也。
真美のことや英治のことに関する悩み・・・、いざとなると、いつでも聞いてくれる相手は、俊也しかいませんでした。
父親のこと、そして姉のことは、俊也も常に気にしていたようです。
その日の夜も話し相手になってもらい、いろいろと話をしました。

話すことによって、少し気持ちも落ち着いて、長い夜が明けた翌日・・・
均に送ってもらい、真美が帰ってきました。
 
結局このときの真美の行動は、私が思っていた通り、英治の反省を促すことなどなく、単なる自己満足だけで終わったのです。
この出来事は、優にも話しました。
次々にいろいろなことが起きて、その度に心を痛めても、問題を起こした当人には、伝わることもなければわかってもらえない悲しさを、たくさん抱えていたこの頃・・・。
優の存在が、大きな支えでした
それは、一種の依存なのかもしれないと思いつつ、私には、優の優しさに甘えることだけが、救いになっていたような気がします。

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このときの問題を当時中学2年の息子を話し相手にするしかないとは、いかにも情けないし、息子もそんな母親の話し相手をするとは、やはり親離れ子離れができていないのでしょうね。

『それは、一種の依存なのかもしれないと思いつつ、私には、優の優しさに甘えることだけが、救いになっていたような気がします。』

その前はケイだったし、さらにその前はハルに頼って甘えて、なんとか生きてきた彼女。
自分の心を理解し同情してくれる人には、とことんのめりこむのです。
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第3部 第73話 安易と無責任  

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真美が、自分で払うと言っていたはずの宿泊代を、既に均が払っていた・・・。
高校生で収入のない真美のために、初めから自分が払ってあげるつもりだったのでしょう。。。
でも、こうやって何かどんどん均のペースにはめられて行くような気さえする。。。
そもそも、真美が1日くらい家に帰らずにホテルに泊まったからといって、一体何が変わる?

あの日・・・
真美がメールを見たことを告白し、さちえのことで英治を責め、やめてくれるよう話すと、「男女の関係はない。」 英治の話は、その一点張りでした。
違う・・・。
私が気にしているのは、そんなことではない。
そもそも、男女の関係がなければ、何をしても許されるというの?
むしろ、仮に男女の関係になっていたとしても、不思議とショックは受けないような気さえしていた。。。
それ自体、普通ではないのかもしれない。。。
でも、あくまで私がこだわっていたのは、どのような形でさちえと関わりを持ち、どんなことをしてあげているのか?
お金を、どんなことにどれ位使ったのか?
その真実についてでした。

しかし、いくら私が冷静な態度で質問しても、英治は最後まで真実を明かさないばかりか、自分の携帯メールを勝手に見ていた事実、その一点に腹を立て、私を冷たい目で睨みつけると、「携帯なんていらない。みんなやめてしまえばいい。」
そう言い捨てて、携帯をテーブルに叩き付けたのです。

自分は陰でどんなことをしている?
自分のしていることは、すべて隠してしまうつもり?
携帯メールを見た私がすべて悪いの?
空気が凍りつき、信頼関係が一層崩れた瞬間でした。

そんな英治が、反省してくれるのか?
反省するどころか、態度を改めるなんて思えない。
安易で後先を考えない真美と、無責任な均。
両方に腹を立てながら、後ろ髪を引かれる思いで、真美を置いて、ホテルを後にしました。

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英治は典型的なモラハラ男で、自分の弱みを突かれると、話をすり替えたり、自分のことは棚に上げて相手のミスを執拗に追及したり、思うようにならないと物を投げたり壊したりして、自分の力を見せつけようとします。
その一方で、泣いたりして演技をしたりもします。(最初の借金発覚のときや家出騒動のときがそうでしたね。)
今までは、妻である彼女に対してだけだったのが、このときは娘に指摘されたことで、おそらく初めて娘の前での感情の爆発だったのでしょう。
つまり、娘が言っても聞かないのでは、もう英治の性格は治らないのは決定的ですね。
以前にも書いたことがありますが、英治は娘の真美のことは、デキ婚ということもあって、それほど愛していないのでしょう。
そして、子供のことよりも、自分の楽しみや家族に縛られない自由な生き方をしたいのでしょう。

『安易で後先を考えない真美と、無責任な均。
両方に腹を立てながら、後ろ髪を引かれる思いで、真美を置いて、ホテルを後にしました。』

均のことをここで無責任と決めつけていますが、許してもいないのに真美を送り、
ホテルに置いていく彼女のほうが母親として無責任ですね。
娘に、体の関係を持たないでとか、アトピーで酷い裸を見せないでとでも、忠告したのでしょうかね。
そんなことは彼女の性格では言えるわけないと思いますが。。。
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第3部 第72話 もうひとつの理由  

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真美の行動を止めることができない空しさと、均に英治の件を知られていたことのショックで、私の気持ちは、前にも増して落ちていました。
均は真美を止めてくれるどころか、むしろ好都合とばかりに、煽っているようにさえ思える。。。
もしかしたら、初めから英治のことを口実にして、仕向けられたことなのかもしれない。。。
そう考えると、悔しくてたまらない・・・。
実際にホテルに泊まるのは真美1人だけだとしても、仕事が終われば、均も絶対に部屋に行くだろう・・・。
2人きりになったとしたら・・・。。。
それが真美をホテルに泊めたくない、一番の理由でした。

しかし、理由はそれだけではなかったのです。
それは、真美の持病のアトピー性皮膚炎のことでした。
一時期は症状がかなりひどかったのですが、たまに薬を塗るくらいにまでに落ち着いていたので、ずっと病院にも行かなくなっていたのです。
それが、春先から突然に悪化し、夏になって頻繁に汗をかくようになってからは、ますますひどくなる一方で、今までの薬が全く効かず、あっという間に全身が湿疹だらけになっていました。
顔はほっぺたを中心に赤くかぶれたようになり、耳は全体が皮がむけてボロボロ、痒さのあまり一日中身体をひっかいてしまうので、出血することもよくありました。
真美のシーツの上には、血のシミのほかに、剥けた皮膚が散乱し、毎朝取り除かないとならないほど・・・。
そんな真美を見るにつけ、何度、代われるものなら代わってあげたいと、思ったことでしょう・・・。
本当に胸が締め付けられる思いでした。
以前通っていた病院の先生が亡くなり、そのときは新しい病院を探している最中で、まだ希望の光が見えていないときでした。
真美がそんな身体で、ホテルに泊まるのを許可する気持ちになど、なれるわけがありません。
それでも、均が予約したビジネスホテルに、しぶしぶ車で連れて行くことになったのです。

ホテルは、駅から少し離れた街のはずれにあり、建物はまだ新しく、部屋もきれいでした。 宿泊代は既に均によって支払われていて、それが私の怒りをますます大きくしたのです。

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確かに、高校生の娘がホテルに泊まるとなると、均という彼氏の存在があるから、第一の理由にあげた「体の関係」を心配するのは、母親としてわかります。
しかし、第二の理由のアトピーは、なぜこれを理由に挙げているのか全く疑問です。
真美自身が、自分の体のアトピーを知られたくないから、均と一緒に泊まりたくないというのならわかります。
しかし、母親である彼女が、『真美がそんな身体で、ホテルに泊まるのを許可する気持ちになど、なれるわけがありません。』というのは、体の関係を持つのを前提にしていて、真美のこんな体を均が見たら驚くとか気味悪がるとでも思っているのでしょうか。。。
でも彼女は、真美と均の交際に反対しているのです。
もし、均が真美のアトピーの姿を見て嫌になって別れたら、逆に幸いなのではないでしょうか。

『それでも、均が予約したビジネスホテルに、しぶしぶ車で連れて行くことになったのです。』

そんな状況でホテルに泊まるのを許していないのに、なぜ真美を車で送って行ったのでしょうか。
断固反対して、「どうしても行くなら自分で勝手に行きなさい。送ってなんか行きません。」というのが、母親として当然だと思うのです。
反対しているのに送っていくとは、それを認めたようなものです。

結局、彼女は自分の考えというのが弱く、夫の英治の一連の行動もそうですが、相手のわがままを許してしまうのです。
真美も、このときの一件で、母親である彼女を見くびるようになっていきます。
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