第3部 第65話 ショックだった出来事  

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ケイとの3度目のデートが終わってからというもの、ますますケイの気持ちが私にないことを思い知る出来事が
起こっていきました。

まずは、デートをした翌週、ケイがサイトのオフ会に2日連続で参加するために、隣の県のホテルに2泊するという話を聞いた私は、例によって複雑な思いで、それを見送らないといけなくなりました。
1日目は夜の飲み会だけで、2日目は温泉に入った後での飲み会。
すでにケイの気持ちが見えなくなっていた私は、心中は決して穏やかなものではありません。
そして、とうとうその日がやって来ました。

私はモヤモヤした気持ちが晴れないまま、隣の県へ移動中のケイと、メールのやり取りをしていました。
飲み会が始まった頃、いつものようにケイからのメールが途絶えると、それから次のメールが来るまでの時間は、
私が決して知ることの出来ない時間になる。
それは、私にとって、長くて辛い時間でもあります。
そんな長い夜が明け、朝一でメールを送った私に、ケイからの返事が届きました。
するとケイからのメールには、同じホテルを予約していた女性と、タクシーで一緒に帰ったということが書いてありました。
その女性というのは、関西に住んでいて、このオフ会には初参加で、年齢はケイより2つ年上でした。
ケイがオフ会で楽しい時間を過ごしたことはわかったのだが、酔っていたせいで、記憶が途切れ途切れのようでした。

翌日の温泉オフのときには、ケイから実況中継のような報告メールが、何通か届きました。
昨夜一緒に帰った女性についても書かれてありましたが、さほど気にする内容でもなかったので、そのときは別段気にも留めていませんでした。
しかし数日後、サイトの掲示版に書かれていたオフ会の報告で、私は思いがけない事実を知ることになるのです。
それは、ケイがホテルに帰るときに女性と一緒に行動し、タクシーを拾うまでの経緯についてでした。
ホテルまでの道を案内するために、女性と一緒に歩いて帰ろうとしたケイは、酔っていたせいなのか、ホテルとは反対方向へと向かって歩き出していたらしい。
そしてそのときに、初対面だったその女性としっかり手を繋いで歩いていたというのです。
私とは三度デートしても一度も手を繋いだこともないというのに、その女性とは初対面で手を繋いでいたという事実・・・。
もしかしたら、女性のほうから手を差し出して来たのを、振り払うわけにもいかずに、そうなってしまったのかもしれない・・・。
そのときの状況がわからないので、何とも言いようがないのだが、私としてはショックを隠せなかった。
しかもその女性が、自分のホームページで、ケイとハグしたということまで書いていたのです。
それを読んだ私は、一瞬で心が凍り付いてしまいました。。。

酔った日の翌日はいつも記憶が曖昧になるケイは、単にその女性にからかわれただけでハグをしたという事実はないと話していたが、どっちにしろ手を繋いで歩いたことだけは事実のようだった。
その後、道がわからなくなったケイは、結局タクシーを拾ってその女性と一緒にホテルへ帰ったらしい。。。
同じ男性にしてみれば、そういう心理はわかるものなのか?
私にしてみれば、とてもショックな出来事だったのだが・・・。

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今までも、ケイの思いと彼女の思いは、すれ違ってしまっているのが明らかですが、これでダメ出しでしょう。
相手の女性もオフ会で2泊3日という非日常的な開放感から、酔って多少大胆な行動をとっていますが、これが彼女との大きな違いですね。
顔を見て話すこともできず、何かと周りばかり警戒し、面白みや楽しさを感じられないのでは、彼女と逢うことの意味がないですよね。
ましてや、ケイは本気で不倫のようなことをする気もないのですから・・・。
ところが彼女は、自分のダメ夫で得られない気持ちを、限りなくケイに求めています。

『飲み会が始まった頃、いつものようにケイからのメールが途絶えると、それから次のメールが来るまでの時間は、私が決して知ることの出来ない時間になる。それは、私にとって、長くて辛い時間でもあります。』

以前にも書かれていましたが、ケイにとって楽しみのオフ会も、異常な嫉妬心から、逐一行動をチェックする嫌な女をさらけだしていますが、それが彼女の性格なのです。

『そのときの状況がわからないので、何とも言いようがないのだが、私としてはショックを隠せなかった。しかもその女性が、自分のホームページで、ケイとハグしたということまで書いていたのです。それを読んだ私は、一瞬で心が凍り付いてしまいました。。。』

ケイとは夫婦でも恋人でもないのに、この反応は異常ですよね。
思うに、常に自分のことをかまってもらいたい、好きでいてもらいたいという気持ちばかりなのでしょう。

『同じ男性にしてみれば、そういう心理はわかるものなのか?』

当然、よ〜くわかります。
楽しさを求めて参加していて、満足のいく時間が過ごせたのですから。。。
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番外編 ブログに書いた詩  

2005年6月・・・
私が初めて書いた自分のブログに、思いを綴った詩は、次の4編でした。
(前回の第3部第64話 参照)


(1)一瞬のときめき・・・

一瞬のときめきで
芽生えてしまったこの想いを
そっと胸の中にしまっておこう
いつかあの人が気付いてくれるまで・・・


これは、社会人になって初めて抱いた恋心・・・、高橋さんへの想いを書いた、初めての詩です。


(2)18の想い

求めてはいけない人の 胸の中に やすらぎを覚えてしまった
このまま 時間(とき)よ止まれと 祈った夜
たとえ あなたの大切な人を傷付けても
たとえ 私の心が血を流そうとも
瞳を閉じて 身を委ねた
ふたつの鼓動が 重なり合う
私は あなただけのものになる


これは、私の18歳の頃の気持ちを思い出しながら、高橋さんへの想いを綴った詩です。
当時独身だった私も、結婚をして「妻」となった今は、高橋さんの奥さんの気持ちでも、物事を考えることが出来るようになっています。
そうかといって、恋愛に対する根本的な考えは、18歳の頃と変わっていない自分に気付きます。。。


(3)最初で最後・・・ 〜ぬけるような青空〜

それは 一通のメールから始まった出会い
とても優しげで それでいてどこか寂しげな そんなあなたに惹かれていった
いつか逢おうと 約束したね
遠い距離を越えて ふたりが逢うときには きっと想いが重なると信じてた
時が過ぎ いつしかあなたを遠く感じてしまう

あなたの気持ちを 確かめずにはいられなくて 遠い距離を越えた あの日
初めて逢ったふたり
あなたは 思っていた通りの 素敵な人なのに
そこにいるのは 私の知ってるあなたではなくて
心の遠い人・・・
もう あの日のふたりには戻れない
あなたは 全ての迷いから解き放たれて 私に逢いに来たんだね

ひとつだけ わかったこと
もう 私達は逢うことはない・・・ 
きっと これが最初で最後・・・
「本当に逢えたときには ギュッと抱きしめてあげるから・・・」
そう言ってくれたのに
このくちびるにも 指先にさえ 触れることなく
全てが終わってしまうんだね
きっと私達には それぞれの幸せが待っているはず
だって今日は こんなにぬけるような青空だから・・・


これは、出会い系に登録して初めての恋であるハルに逢いに行ったときの気持ちを、思い出して書いたものです。
『それぞれの幸せが待っているはず』というフレーズの通り、私には、今とても幸せだと思える瞬間がいくつかあります。
しかし、それは、夫である英治との時間ではなくて・・・。



(4)電話

いつものように あなたからの電話
今日は 何だか少し酔ってるみたいね
声を聴いただけで そんなこともわかるようになったよ
電話だと こんなにはしゃいで話せるのに
逢ってるときには ちょっとぎこちないよね
それじゃあ またね・・・
そう言って 電話を切るときの
切なさが ちょっぴり嫌いになりそう


これは、ケイのことを想いながら書いた詩で、この時期は、私がケイのことで悩んでいた時期でもあります。
今、こうして心穏やかになれたのも、「優しい人」の支えがあったおかげだと思っています。

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彼女がブログに出会い、最初にこの詩を書いたときから4年余がたち、彼女のブログも当初の初々しい文章から、
今は、読者をいかにひきつけるか、ノンフィクションの恋バナをわくわく楽しみに読んでもらえるか、そして心配してもらえるか、という観点での、書き方になっています。
以前にも書きましたが、自叙伝のような彼女のブログは、以前に一度書いたものを、内容を書き加えて再度書いていて、初めて読む何も知らない人に同情してもらおうという、あさましさです。
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第3部 第64話 優の言葉  

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サークルへ移動してから、私は初めてブログというものに出会い、詩を何篇か書くことになります。
そこのサイトはブログも使えるようになっていて、亜希子さんと梨奈さんが、自分の書いたブログを公開したことがきっかけで、私も書いてみたのでした。
そのときに書いた詩は、番外編として、このあと載せることにします。

こうしてケイとの三度目のデートが、手を繋ぐこともなく淡々としたものに終わり、私はサークルのボードにその報告と、変わってしまったケイの態度に戸惑い、心が見えなくなってしまっていた悩める胸の内も書いたのです。

少し経って、サークルを覗いてみたとき、みんなからの書き込みがありました。
一番に言葉をくれたのが優でした。
優は、みんなの書き込みに対し、いつも優しい言葉を書いてくれる人でした。
「男と女だからといって、こうあるべきだということには、こだわらなくてもいいと思うよ。 もちろん、お互いの合意の上だったら、体の関係があってもいいことだし、なければないで、それは別に構わないと思う。
 しおんと彼が、どうしたいのかという気持ちが大事なのだから、これからも自然体で付き合っていけばいいんじゃないか?」

私は、お互いに既婚者だという思いから、ケイと男女の仲になることにはどうしても抵抗があって、
そのことについては、ケイにも話してありました。
ケイも私の気持ちに理解を示してくれていたし、ケイ自身、根が真面目な人なので、そういう関係にはならなかったのだと思います。

あれは、確か、2月の初めてのデートの前日だったと思います。
ケイは、私にこんなことを言いました。
「せめて、手だけは握らせてくれよ・・・」
だから私はケイが手を繋いでくれるのを待っていたのに、車の中で2人きりになったときにも、それすらしてくれないことに、寂しさを感じていました。
三度目のデートも、そんな素振りさえ見せることがないまま終わってしまい、ケイの気持ちが理解出来ずにいたのです。
そんなときに、「自然体で・・・」 そう言ってくれた優の言葉で、私は気持ちが軽くなるのを感じていました。

男性2人が入ってからは、サークルの雰囲気はどんどん変わってしまい、私は、サークル内で話すのではなく、
個人的に優とメールのやり取りをして、胸の内を聞いてもらうようになっていったのです。 
初めは、お互いのフリーアドレスでメールのやり取りをしていました。

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彼女の考えていることは、自分に都合のいいことばかりですね。
ケイと初めてのデートの約束をしたときに、彼女はケイに『絶対に何もしない』と念を押して約束させているのですよ。(第3部第39話参照)
ケイの『せめて、手だけは握らせてくれよ・・・』という言葉は、おそらくそのときに出たものでしょう。。。
しかしそうは言っても、絶対に何もしないでと言われているから、実際には男としては何もできないでしょう。
ところが、彼女の方がその後気持ちが高まり、今度は手をつないだりしてほしいと。。。

果たして、彼女が三度目のデートの後に、サークルのボードに悩める胸の内をどのように書いたのかわかりませんが、それに対する優のコメントも、とんちんかんですね。
ケイも彼女も体の関係なんか持つつもりはないんでしょうし、『自然体で・・・』なんて言っている二人の関係の現状(ケイの気持ちが離れていることと、彼女との気持ちの温度差)が全然わかっていません。
彼女は、結婚前の自分のつきあいのように、初めてのデートの後、数か月で体の関係を持つことを男のほうが言ってくるのが普通だと思っているようで、そんな素振りを見せないケイの気持ちが理解できないとは、全くあきれます。(お互い既婚者なのにね。)
自分自身が体の関係を持つのに抵抗があるのに、もしもケイがどんどん求めてきたら、おそらくまた寸前で泣いて
拒否するのでしょう。
その一方で、相手がそういう素振りも見せないと悩むとは、魔性の女の正体見たりですね。

こんな優のとんちんかんな言葉でさえ、気持ちが軽くなるのを感じるとは、
いかに他の人とコミュニケーションがとれていないのかがわかります。
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第3部 第63話 3度目のデート -2-  

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北へ向かって少し走ったところに、道の駅「たろう」があり、私達はそこで一休みすることにしました。
建物の中には、お土産が売っているスペースがあって、プロ野球の楽天球団のグッズが目に留まると、
ケイは、子供へのお土産だと言ってクッキーと野球帽を購入しました。
私と一緒にいるときも、ケイは子供のことを常に考えているのかもしれないと、そのとき思いました。
きっとケイの頭の中には、お土産を受け取って喜ぶ子供の顔が浮かんでいるに違いない・・・。
そしてそれは、私の知らない優しいパパの顔なのでしょう。
ケイの子煩悩さは、メールのやり取りの中からも、いつも伝わってきました。
優しい夫の顔も、子煩悩な父親の顔も、私の好きなところで、どんなに家族の話をされても全く気にならない。
むしろ、お互いのメールの内容で一番多いのが、家族の話題だったくらいです。

道の駅を出ると、北に向かって再び車を走らせました。
国道から脇の高台の道に入ると、眼下に景色を見下ろせる場所があり、そこの駐車場でケイは車を停めました。
ちょうど助手席にいる私の左側に景色が見えるように停めたので、ケイは私の肩越しに景色を観る格好になっている。
そのときケイが私の横顔を見ている気がして、私はケイのほうを、振り返ることができなくなってしまっていました。
恥ずかしさで、胸がドキドキしているのを隠しながら、平静を装って、ケイと話すのが精一杯でした。
そこには他に車は停まっておらず、私達は二人きりなのに、そんな場面でもケイは手を握る様子もなく、淡々と話が続いて行くだけだった。。。
やはり、ケイの心の中にいる私は、もう以前とは違うのかもしれない。。。
ケイが私に対する強い想いを持っていた時期は、もう終わってしまったのかもしれない。。。
そう考えるのが、自然なことのように思えた。
そうだとしたら、なぜ私に逢いに来てくれるのだろうか?
ケイの心が見えないまま、この頃から、ケイとのお揃いの携帯電話とストラップを持っていることが、私の心を苦しめる辛いものになってしまうのだった。。。

思い出せば、さきほど道の駅を出る前、外の自動販売機の近くにあったお店でソフトクリームを買い、2人で車の中で食べていたときに話していたのが、なぜかパンツの選び方について・・・。
少しくだらない話に熱くなって、思わず笑い合った私たち・・・。
それは友達同士といったほうが、しっくり来る光景のような気がしていた。
以前、ケイがサイトのプロフィールに載せていた下着姿の画像は、私が「ドン引きする」と言ったら消してくれた。
私に嫌われたくないがために、「気に入らないところがあったら言ってほしい。何でも直すから・・・」 と言ってくれたケイに、「そんなふうに言わないでほしい・・・。自然体がいいんだから・・・。」と私が話した。それがつい数ヶ月前・・・。

今は、私の隣りにいるケイの心が、遠く感じる時間が過ぎて行く。
あんなに嬉しかったはずのことが、こんなに短い期間で、辛いことへと変わってしまうなんて、夢にも思っていなかったのに・・・。
ケイの心が見えなくて、こんなにも苦しいのに、どうしてこうなってしまったのかがわからない・・・。
もしわかっているのなら、こんなに辛い思いをしなくても済むかもしれないのに・・・。
光る海を見ながら、私はそんなことを考えていました。

帰る時間が迫ってきたので、車を走らせ、最初に行った市場へ着くと、さっきとは違い、人がまばらになっていた。
ケイは、目星をつけていたスルメイカを買い、家に帰ったら刺身を作ると張り切っていた。
私は何も買わずに市場を出ると、ケイの車に乗り込んだ。
そして私の車が停まっている、今朝の待ち合わせ場所の道の駅「みやこ」へと向かった。

駐車場に着くと、いよいよ別れの時間・・・
いつものように「ありがとう」と告げる私に、笑顔で応えるケイもいつもと同じだった。
手を振り、車を走らせるケイを、いつものように笑顔で見送る・・・。
何もかもがいつもと同じだったから、また近いうちにケイは私に逢いに来てくれる・・・、そう思っていた。
しかし、ケイが私の所に逢いに来てくれるのは、これが最後になってしまうのでした。

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子供へのお土産を買うケイ。
はたして妻には何と言って、彼女に会いに来ているのだろう。。。
平日に有給休暇を取って来ているのだが、友人と遊びに行くとか、あるいは仕事で出張に行ったとか・・・?

『むしろ、お互いのメールの内容で一番多いのが、家族の話題だったくらいです。』

いずれにせよ、家族の話題が中心ということは、ケイは、彼女のことはもう単なる同郷の友人としか感じていないのが確かなことでしょう。
だから、第3部第49話に書かれているように、メールもあたりさわりのないことしか書かないし、ケイはそういうつきあいでいいと思っている。
しかし彼女は、自分だけ気持ちがやきもきし、あれこれ悩んでいる。
ケイだけが、彼女の生活の中での救いだったのでしょう。。。
だから、逢ってもこんな状態なのに、近いうちにまたケイが逢いに来てくれるだろうという図々しい考えをするのでしょう・・・。
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