(無題)

2012/11/9 
『又、此の風が運んで来るのとは違つた原因から昆虫の雨が降る事がある。たとへば、或る蝗はたべ物が失くなつてくると、ほかの土地へ引越すために大勢集まつて大きな群を作る。或る信号が掛かると、此の蝗の移民隊は、太陽の光を遮る程の大きな雲を形造つて空を飛んで行く。あまり大勢なので此の移住は数日もかゝる事がある。そして此の食ひしんぼうの蝗の群は生きた嵐のやうな勢で、遠い遠い処の野原に降りて来る。そして五六時間の中に草も木の葉も穀物も、野原のものは悉く食はれて了ふ。野火に焼けたやうな工合で、地上には草の葉一つ残らない。其のお蔭でアルジエリアと云ふ国の人達が餓死した事もあつた位だ。
『又、火山は燃え滓の雨を降らせる。火山灰と云ふのは、噴火の時、非常な高いところまで噴き上げられた灰の事だ。

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菅原紗由理についての説明・解説する

2012/11/4 
螢籠を檐に吊して丸山さんと私とは縁端に並んで坐った。この夜ほど二人がしんみりと語ったことはなかった。淑やかに団扇を使いながら、どうかすると心持ち髷を傾けて寂しくほほ笑む。と螢が一匹隣りの庭から飛んで来た。丸山さんは庭に下りて団扇を揮うて螢を打った。浴衣の袖がさっと翻る。八手の青葉がちらちら揺らぐ。螢は危く泉水の面に落ちようとしてやがて垣を掠めてついと飛んで行った。素足に庭下駄を穿いて飛石の上に立った丈の高い女の姿が妙にその夜の私の心に沁みた。寡婦にして子供無き丸山さんは三之助さん、三之助さんと言って私を弟のごとく愛してくれたのだが、今では岐阜で女学校の先生を勤めてるそうだ。

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