もう少し用語にこだわっておきたい。文字を持たない『万葉集』の時代は往時の現代語であった。平仮名の生まれた『古今和歌集』の時代は言文一致であった。十四世紀に入って「言」と「文」が二途に分かれる。この残影が「口語」(現代語)と「文語」(古典語)なのだ。言文一致運動が成果を上げていく近代にあって、こと短歌に関していえば守旧派の時代であった。ジュニア短歌が言文一致という内実において平安時代と軌を一にするとすれば、「シニア短歌」の「文語」(古典語)とは平安時代の外見を借りてきたにすぎない、いわば仮装の姿なのである。〜吉岡生夫〜

 

角川全国短歌大賞  五句三十一音詩

「第10回角川全国短歌大賞」 作品を募集しています!
募集期間:2018年5月25日〜9月30日

詳しくは → http://www.tanka57577.net/

題詠の兵庫県選者を吉岡生夫が務めています。
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大阪府知事賞 第63回 新春短歌大会  五句三十一音詩

日  時 平成31年1月27日(日) 12時30分〜16時30分(受付開始12時)
会  場 豊中市立中央公民館(阪急電車宝塚線曾根駅下車東・市民会館北隣)
当日会費 500円
次  第 講演・作品批評・表彰
講  演 「蛙が歌う・蛙を歌う」
講  師 安田純生(「白珠」代表)
御  題 「光」(必ず「光」を詠み込んで下さい)
応  募 未発表作品に限ります。応募用紙に、作品と、郵便番号・住所・氏名・電話番号・出席予定を明記のうえ、出詠料を添えてご送付下さい。
     (詞書などはご遠慮下さい)
出詠料  2首まで2000円(1首でも同じ)、3首目からは1首につき500円。何首でも可。
     郵便小為替またはゆうちょ銀行振替口座 加入者名 短歌友の会連盟 記号14120 番号85160391をご利用下さい。
宛  先 澤田直子方 短歌友の会連盟事務局
     *吉岡(yoshioka-ikuo@pat.hi-ho.ne.jp)に連絡頂ければ応募用紙をお送りします。
締  切 平成30年11月15日(消印有効)
選  者 上田明・佐沢邦子・牧雄彦・安田純生・吉岡生夫
賞    大阪府知事賞
       第一席(賞状・副賞商品券一万円)
       第二席、第三席(賞状・副賞商品券七千円)
     豊中市長賞(賞状・副賞商品券五千円)
     豊中市議会議長賞・豊中市教育委員会賞・豊中市中央公民館長賞・短歌友の会連盟会長賞(賞状・副賞商品券三千円)
     選者賞若干名  佳作若干名
主  催 豊中市立中央公民館・短歌友の会連盟
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講師、承ります  王道をゆく

守備範囲は現代語短歌・ジュニア短歌・狂歌・夫木和歌抄です。実績は狂歌逍遥録の最下段「講演の記録」を御覧ください。


用語論〜文語体短歌から古典語短歌へ、口語短歌から現代語短歌へ〜



現代語短歌のすすめ、YouTubeなら3分15秒、見え方が少し異なります。


  短歌変質論

私は尋ねたい
いわゆる「文語体歌人」のあなたに
なぜ古典文法なのか?

口語歌の万葉集から
平仮名が生まれ
言文一致の古今和歌集へ

やがて時代は
古代語から近代語へ
その過程である中世語の時代において
言文は二途に開かれ

明治大正昭和を経て
再び原点に回帰した
−読み書き話す−

ところで
あなたの短歌は
その変質した時代の五七五七七を良しとするのか?
いわゆる「文語体歌人」のあなたに

私は尋ねたいのだ




狂歌とは何か、youtubeなら3分25秒、見え方が少し異なります




近世の狂歌、YouTubeなら3分35秒、見え方が少し異なります



   
   狂歌と天明狂歌

俳諧の連歌の発句は五七五
後発の川柳も五七五
しかし俳諧と川柳の軌道が
接近することはなかった

狂歌は五七五七七
後発の天明狂歌も五七五七七
しかし狂歌と天明狂歌の軌道が
接近することもなかった

俳諧と狂歌の軌道は接近し
ときに交わることがあった
鯛屋貞柳と西山宗因
貞柳を信奉した
一本亭芙蓉花なら蕪村

朱楽菅江は川柳も作っていたらしいが
俳諧と天明狂歌の関係はどうだったのだろう
国語辞典で「天明調」を引くと
俳諧の頽廃俗化を嘆く、から
蕪村らの
清新にして壮麗な
云々が出てくる

五句三十一音詩としての狂歌と
戯作文学としての天明狂歌

片や
八雲立つ
出雲八重垣の時代から
受け継がれてきた詩型であり
片や
鳥がなくあづまぶりはわづかにはたとせばかりこのかた
しかも線香花火に終わった詩型

その差は発句と川柳以上に大きかったようである
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2018/8/9

仮名遣いと五句三十一音詩  五句三十一音詩

歴史的仮名遣いから古人を解放せよ! 古人の歌は古人の生きた時代とともにあり、仮名遣いもまたその例外ではないのである。



 『狂歌大観』(明治書院)の凡例には「本文」として「行移り・丁移り」「文字」「符号」「その他」と四項目に分かれて詳しいが、歴史的仮名遣いという言葉は一度も出てこない。底本のままなのである。『近世上方狂歌叢書』(近世上方狂歌研究会)も同様で「原本の表記については、出来るかぎり原本のおもかげを残すことに努めたが」云々とあるが、仮名遣いについての言及はない。『江戸狂歌本選集』(江戸狂歌本選集刊行会)も同様で「翻字に当たっては、できる限り底本に忠実にするよう心がけたが、活字化の都合上」云々とあるが、仮名遣いへの言及はない。これに対して『新編国歌大観』(角川書店)の凡例は「表記は底本のそれをできるだけ尊重したが、よみやすさへの配慮から、次のような処置をとった」とした上で「B仮名遣いは歴史的仮名遣いに統一した。(略)」とある。たしかに読者の側からいえば読みやすいだろう。しかし作者の側からすれば、どうなのか。いずれも古人であるから異議申し立てはない。だからといって何をしてもいいというわけではないはずだ。
 以下、専門家に教えを請いながら、実作者として、この問題について考えてみた。


  目    次

1、仮名遣いとは何か
 1−1、『歴史的仮名遣い―その成立と特徴―』を読む
 1−2、『かなづかい入門―歴史的仮名遣VS現代仮名遣―』を読む
2、歴史的仮名遣いとは何か
 2−1、『日本語の歴史』を読む
 2−2、『話し言葉の日本史』を読む
 2−3、『かなづかい入門 歴史的仮名遣いVS現代仮名遣い』を読む
3、定家仮名遣いとは何か
4、暴走する歴史的仮名遣い
 4−1、山家集(和歌文学大系21)
 4−2、後鳥羽院御集(和歌文学大系24)
 4−3、金槐和歌集(群書類従・第十四輯)
 4−4、兼好法師集(和歌文学大系65)
 4−5、草庵集(和歌文学大系65)
 4−6、慶運集(和歌文学大系65)
 4−7、権大僧都心敬集(和歌文学大系66)
 4−8、後水尾院御集(和歌文学大系68)
 4−9、六帖詠草(和歌文学大系70)
 4−10、『はちすの露』(和歌文学大系74)
 4−11、草径集(和歌文学大系74)
 4−12、志濃夫廼舎歌集(和歌文学大系74)
5、非歴史的仮名遣いの中にこそ時代の真実が宿る
6、現代語短歌と現代仮名遣い〜未来への宣言〜


仮名遣いと五句三十一音詩
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2018/3/8

兵庫県高校生文芸集(第6号)  ジュニア短歌を読む

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【短歌部門】

 《最優秀賞》

    親和女子高等学校 二年 矢野日南子
スカートをはためかせては坂下る広がる世界に見えるパノラマ

 《優秀賞》

    兵庫県立加古川西高等学校 二年 吉原綾乃
ふとぬるい風に言葉をさらわれて肩甲骨に銀河のにじみ

 《優良賞》

    兵庫県立小野高等学校 一年 大盛明夏
目覚ましのけたたましい音を止めつつもまだ眠りたい休日の朝

    兵庫県立北摂三田高等学校 一年 戸張優那
塾帰り空見あげれば光る星一人感じる小さな幸せ

    兵庫県立須磨東高等学校 一年 三原緋奈乃
落ち葉ふみ忘れさられた古池に臨む私の影がひとつで

 《入選》

    兵庫県立小野高等学校 二年 藤川琉奈
秋の田の風に吹かれてゆらゆらと黄金に染まる稲穂の輝き

    尼崎市立尼崎高等学校 二年 武内優希
日本の四季春夏秋冬言うけれど温度的には夏夏夏冬

    兵庫県立須磨東高等学校 一年 福田遙香
延々と知らない言葉続いてる英語の授業私は嫌い

    兵庫県立武庫荘総合高等学校 二年 柴田いぶき
夕暮れに包まれながら風を切る今この時が続くはずなく

    兵庫県立社高等学校 二年 岡田尚緒
サクサクとくずして食べたかき氷甘くて冷たいああ美味しい


【短歌部門講評】
 最優秀の矢野日南子さん。三句「坂下る」が全てでしょう。傍観するのではない。その中へ入っていく、「私」の未来がそこにあるからです。@は漢字の多さ、字余りと字足らずが気になります。一例ですが三句以下「飛行雲たどれば夢を追う君がいる」とすれは解消できます。Bも同様です。歌は視覚から入ってきます。結句の五音、何の「葉音」なのか、を考えるのも一案です。
 優秀の吉原綾乃さん。肩甲骨から銀河を連想する感性に驚きました。抜群です。但し下句に対して上句がベストであったかどうかについては疑問です。難解もしくは独善の嫌い、同じことが@の下句についても言えます。とはいえプレパラート以下の展開は魅力です。Bの下句も同じです。大いに期待したい個性です。
 優良の大盛明夏さん。てっきり平日だろうと読み進めると休日の朝だった。この裏切られ感の中にこそ読む楽しみがあります。@は遠景を視覚、近景を聴覚で捉えて特色としています。Bは重複する語彙を整理、また平仮名を増やす工夫がほしい所です。
 優良の戸張優那さん。昼は学校、夜は塾、その塾帰りの光景です。三句の「光る星」は充足感の象徴、だから下句の展開なのでしょう。なお「1人」は「一人」です。@はパターン化された題材ですが、そう言えるのも当事者でないからかも知れません。
 優良の三原緋奈乃さん。構造としては四句で句割れ、「臨む。」までと「私の」以下が倒置として読みました。影に託した孤独感でしょう。Aは三句「のに」と四句「と」で分かりにくくしています。Bは初二句のイメージが読者を拒んでいるようです。
 入選の藤川琉菜さん。対象を丁寧に描いて破綻のないところを評価しました。@の取り合わせは魅力ですが、鉄橋の擬人化は賛成できません。Bは展開となる三句を工夫して欲しい所です。
 入選の武内優希さん。地球温暖化で熱帯夜が増えて冬日が少ない。そんな現実のデフォルメですが、構造も単純で思い切りの良さが魅力です。Aは作中主体が異色の試みとなっています。
 入選の福田遥香さん。本音の部分の戯画化でしょう。しかし表現者として迷いがない、その力強さが魅力の源泉です。それに比べると@は二句があいまい、Bは下句に具体がほしい所です。
 入選の柴田いぶきさん。自転車でしょうか。この若さ、青春は永遠でない。そんなふうに聞こえます。残念なのは結句が言い止しで弱い。AとBの結句も同様、言い切ることが大切です。
 入選の戸田こころさん。四句まで、かき氷を食べる様子が活写されています。それに比して結句の着地が平凡、転換のほしい所です。@の四句「蝉が触れてた」にすれば七音に収まります。
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2018/2/15

イタダキマスゴチソウサマ一九九五年  王道をゆく


2017/9/30

第9回 角川全国短歌大賞  王道をゆく

第9回

角川全国短歌大賞

       締め切り迫る!!

兵庫県の皆さん、題詠もよろしくお願いします。
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2017/3/15

兵庫県高校文芸集(第5号)  ジュニア短歌を読む

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【短歌部門】

 《最優秀賞》

    兵庫県立須磨東高等学校 二年 井上めいみ
下駄箱に汗の滲んだスニーカー夕焼の空にひぐらしの鳴く

 《優秀賞》

    兵庫県立神戸高等学校 一年 福島志穂
真っ黒の空を見上げて指をさす夏の大きなさんかくけい

 《優良賞》

    兵庫県立北摂三田高等学校 二年 松居彩花
登り坂一足ごとに汗が出る日ざしに溶け込む蝉の鳴き声

    兵庫県立北摂三田高等学校 一年 *柳天乃(*木偏に「夘」)
秋時雨鞄の中とこのおもい濡らしたくなく駆け続けてる

    兵庫県立小野高等学校 二年 永井里奈
明日のため荷作りをする少年に鳩語を話す鳩が群がる

 《入選》

    兵庫県立宝塚北高等学校 一年 四木愛実
音に聞く浜野タカシの浮気性日陰の私は無縁の話

    兵庫県立宝塚北高等学校 一年 神吉孝洋
山行けば新緑からの木漏日が今日着た服を水玉にする

    兵庫県立宝塚北高等学校 一年 青木佑哉
花火の音舞い散る光仰向けば横切る蝙蝠闇に馴染めず

    兵庫県立武庫荘総合高等学校 二年 北本琉華
影の中ひっそり潜む私には君の光が疎ましいんだ

    兵庫県立姫路西高等学校 二年 藤阪希海
コイバナのつづきを歩く君の背をトラックの排気ガス越しに見た


【短歌部門講評】
 最優秀賞の井上めいみさん。下駄箱という小さな世界に夕焼け空という大きな世界を対比させています。これにヒグラシを聴覚として配置しました。屋内と屋外ですが、いま学校から帰ってきた「私」を想定しました。晩夏を描いてスケールの大きなところが魅力です。二句「汗の滲んだ」とあるのは部活に励んだ成果でしょうか。その夏も終わりが近づいてカナカナと茅蜩が鳴いています。
 優秀賞の福島志穂さん。下句「夏の大きなさんかくけい」は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結ぶ三角形でしょう。三句「指をさす」だから一人ではありません。どんなシチュエーションも読者次第ですが、私は林間学校を想像しました。友人たちと青春の夢をふくらませている景でもあります。
 優良賞の松居彩花さん。四句の「日ざしに溶け込む」に感心しました。思わず「暑いなあ」と空を仰いだのでしょう。あるいは立ち止まったのでしょうか。そのとき、どこからというのではない、夏の光と蝉の声が一斉に降り注いできた、そんな感じでしょうか。
 優良賞の*柳天乃(*木偏に「夘」)さん。秋時雨は秋の末に降る時雨をいいます。この時期、何があったのでしょうか。その理由は二句「鞄の中」にあります。三句「このおもい」も同様です。しかし具体的には分かりません。ただポジティブな反応が心地よく伝わってきます。
 優良賞の永井里奈さん。荷造りを外でしているのでしょうか。今一つ、私の中では場面が立ち上がってきません。ただ下句があることによって、明日、少年が遠い旅に出るのだろう。そんな言い方がふさわしいロマンを漂わせていて、そこに惹かれた作品です。
 入選の四木愛実さん。初句の意味は「噂に聞く」か「有名である」、用例は古代に遡ります。そしていきなりの人名に続けて「浮気性」、この破壊力で選びました。下句の着地も決まっています。
 入選の神吉孝洋さん。木漏れ日が「私」の服を光の水玉模様にした、この発見に惹かれました。いかにも新緑らしい、またその中を歩く喜びが伝わってきます。これも結句の手柄と思われます。
 入選の青木佑哉さん。上空に花火大会の光と音、下界に観客、その間に迷い込んだ蝙蝠を配してユニークです。結句、気の毒な蝙蝠ですが、馴染めないのは蝙蝠本来の闇ではないからでしょう。
 入選の北本琉華さん。影の世界に住む「私」が光の世界に住む君を結句「疎ましいんだ」という。この屈折した表現が素晴らしい。ただ物に託せば人物はもっと立ち上がった、そこが残念です。
 入選の藤阪希海さん。初句は漫画「コイバナ〜恋せよ花火〜」でしょうか。その登場人物よろしく先をゆく君と「私」を排気ガスが遮る。この具体がよい、また「私」の批評も看取されます。
 甲乙付けがたい作品で迷いました。この調子で、皆さん、頑張って下さい。中に句ごとに一文字あける作品がありましたが、短歌は一行詩です。続けて書きます。一文字あけるのは修辞として、ここは一呼吸おきたいといった必然に促された場合のみなのです。

                 歌人 吉岡生夫
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2017/2/16

ときめき  ジュニア短歌を読む

二〇一六年編纂 第二十九回 現代学生百人一首
  黒板にうっすら残る日直欄あなたが書いた私の名前
               京華商業高等学校二年(東京都) 宮崎偲永

 二句の「うっすら残る」、残っているのは「日直欄」ではない。下句の「私の名前」である。したがって一首は無句切れの歌となる。読むときは一呼吸おくが、構造上は「日直欄(の)」もしくは「(に)」である。助詞を補うと七音になるので省略したのだろう。気になる「あなた」が「私」の名前を書いた。公私で言えば「公」、それでも書くときは意識しただろう。もちろん後者の「私」なら嬉しいことは言うまでもない。そんなときめきを思わせる結句の体言止めである。
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2017/2/15

尾木ママ  ジュニア短歌を読む

二〇一六年編纂 第二十九回 現代学生百人一首
  尾木ママがテレビで言ってた反抗期あなたのことねと母がつぶやく
             西武台千葉高等学校一年(千葉県) 坂田瑠美

 アマゾンで「尾木ママ」を検索すると八十七件がヒットする。たとえば『尾木ママの女の子相談室』全五巻がある(ちなみに「尾木直樹」だと百八十四件)。テレビの露出度も高い。だから初句から「尾木ママが」ときても驚かない。さらに愛称の由来と思われる「オネエ言葉」は教育評論家と保護者の垣根を低くする。これで四句までは了解、しかし「私」はどうか。反抗ではない、自己主張なのだ、結句「つぶやく」には、そんな大人を傍観する「私」が透けて見える。
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