彼女が頼んだのは美味しそうなピンク色のカクテル

2011/9/17 
彼女との最初の出会いは1年以上前のmixiにて。当時、カチャカチャmixi内を放浪していたとき彼女のページを見つけました。彼女は自分の写真を載せていて、最初は「可愛い子だな」と思っただけでした。ほっぺがプニプニちょっとポッチャリな感じで僕好みな感じ。女性用媚薬

ハートそれからしばらくして、僕がアクセスした形跡を見て彼女が僕のページに来てくれました。mixiでよくある足跡返し。そして更に僕が足跡返し。この無限ループはよくあるみたいですね。何度かそうしてる内に彼女のことが気になってしまって、ついついメッセージを送ってしまいました。ちょっとした足跡のお礼のメッセージ。そして彼女もそのメッセージに対する返信をくれました。それがきっかけで何度かメッセージの交換をして、チャットをしたりして。彼女とのやり取りは全部ログを残してあるので、いまだにログを見てはニヤニヤしています。

数日後、二人で新宿で会う約束をしました。
新宿での待ち合わせ。人が多くてメールのやり取りをしながらお互いを確認。想像していたより背が高くて大人っぽい感じの子でした。彼女も緊張していたみたいで、ぎこちない会話をしながらレストランへ行きました。
レストランで僕はカキフライ定職を。彼女は石焼ビビンバを頼みました。石焼ビビンバが大好きな彼女は即決したみたいです。そこでお互いのことを話しながら食事しました。彼女も慣れてきたみたいで結構お話してくれました。その後、二人で居酒屋へ行きました。彼女が頼んだのは美味しそうなピンク色のカクテル。僕は何飲んだんだっけな。お酒の入っておしゃべりになった彼女といろんな話をしました。

その日は池袋で彼女と別れました。もっと彼女と一緒にいたいって思っていましたね。あとから聞いた話だと、彼女も「家に一緒に来てくれないかなー」って思っててくれたみたいです。行ったらどうなっていたんだろう。

彼女との出会いはそんな感じ。彼女と二人の思い出話するときは、この日のことが話に上がります。中絶薬
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娘はしばし、己が身に起こった事態を理解できないでいた

2011/9/14 
 娘はしばし、己が身に起こった事態を理解できないでいた。威哥王
 まず鬼がいたなどと、生まれてこの方聞いたことが無い。母からも父からも、村人の一人にもそんな噂を聞いたことがなかった。鬼、鬼だ。一見見目麗しい男ではあるが、頭には二本の角を持ち、溶けるように姿を消す。これは化生に他ならないだろう。
 娘はしばしその場でうずくまった。母の言葉の中には、「彼」と名指しするものがあったはず。なぜ母は人ならざる者が男だと、わかったのだろう。いいや、そんなもの、知っていたからに他ならない。知っていて、なぜ教えてはくれなかったのだ! 普段のどこか物憂げな母の表情を思い出し、娘は唇を噛んだ。鬼が出ると、一言いってくれればよかったものを。
 鬼は危害を加えようという態度ではなかったから、それを見越してぼかしたとでもいうのだろうか。震える体を抱いていると、ようやく恐怖も引いていった。
 お祖母さま。と、山にこもってしまった祖母のことが思い出された。あの人は、鬼の存在を知っているのだろうか。ふらりと立ち上がり、再度祖母の家を目指そうとしたが、ふと茂みが視界の端に映りこんだ。鬼が示した、花咲く場所だ。何があるのかもわからないし、それを気にすることはよくないことのようにも思えたが、娘は手を伸ばしていた。様子を見るだけ、と自分に言い訳をして草木を掻き分ける。
 そこには一面の薄紅色の花が、見事に花開いていた。
 娘は引き寄せられるように、その花畑へと足を踏み入れる。
 風に踊る花が、ただ、美しかった。


 そこに咲く花を手折るのは心苦しかったが、一輪だけは誘惑に打ち勝てずに摘んできてしまった。娘の手の中には、一輪の美しい薄紅色の花が握られている。鬼に教わった花を摘むのは命知らずな行為かもしれない。だが、あの悲しげな目をした鬼には、こちらへ危害を加えようとする気配が見えないことから、娘はつい花を諦められなかったのである。
 そうして、祖母の家が見えてきた。山奥にはあるが、それなりに手入れの行き届いた庭にほっと息を吐き出す。人の痕跡を感じるのは、恐怖にさらされた心に安堵をもたらした。
「薄紅の君」
 しかし家の扉を叩く直前、またもあの声が、今度は背後からした。びくりと娘の肩が震える。
「ここが、あなたの目的の場所でしょうか」
 問いかける声が、冷たい気がした。先ほどのような愁いを帯びたものではなく、すべての感情が削げ落ちたような、温度のない声色だった。
 今度こそ身の危険を感じ、娘は震える声を喉から絞り出す。助けを求める、か細い声を。
「……お、お祖母さま」
「おばあ、さま?」
 ひどく驚いたような声が、背後から響いた。それからうろたえたように息を呑む気配。そうして、さっと背後の呼吸が遠のいた。震えながら振り返ると、美しい鬼が気まずそうにこちらを見つめている。
「私はまた勘違いを……。申し訳ありません、薄紅の君。私も山に住み着く身ですが、あなたの血族の方がお住まいだとは、ついぞ知らず」
 ひどく恐縮したような態度であったが、恐怖にさらされた娘には何の慰みにもならなかった。手折った花を握りながら、美しい鬼を見上げる。
「い、いえ。その、お、怒っていらっしゃる……のでは?」
「怒る? いいえ、私があなたに怒りをぶつけることはありません。私は、私は、……薄紅の君? なぜ、震えていらっしゃるのですか」
 恐ろしいからだとは、鬼を目の前にしては言えなかった。恐怖から歯ががちがちと鳴るので、娘はそれを押さえるのに必死だった。
「これにも、答えてはくださらない」
 そう呟く鬼は、今にも泣き出してしまいそうだった。とび色の瞳にはたっぷりと涙を溜め、眉が困ったように八の字に下がる。聞くのも切ない声に、娘はなんと言っていいものか迷ってしまった。鬼は、先ほどから何か娘の知らないことまで話しているような気がするのだ。
「薄紅の君、いつになったらあなたの穢れ無き笑顔を見つめることができるのでしょうか。あなたの、軽やかな声が聞きたい。……いいえ、我が侭はいいません。待ちましょう、いつまでも。あなたが私の元へきてくれるまで」
 すうっと、溶けるように鬼の姿がぶれていく。娘は咄嗟に、声を上げた。
「待って。待ってください」
 すると、鬼はその場にとどまった。どこか困惑したような、しかし期待を込めた瞳でじっと娘を映す。
「私に、何を望んでくださるのですか」
「あの、あの、わからない、わからないのです……」
「何がわからないのですか。薄紅の君」
 今度は娘が泣きそうになる番だった。何度もつっかえながら鬼の方を見上げると、とび色の瞳に不安が宿っているのが見えた。それでも、娘は続けなければならない。
「あなたの言っていることの意味も、あなた自身も」
 鬼は目を丸くし、しばし息を止めた。それからのろのろとした動きで、一歩、また一歩と娘に歩み寄ってくる。娘は不思議と、もう恐ろしいとは感じなかった。
「ついにあなたから、一つの答えをもらえたというのに……」
 とび色の瞳がぎゅっと細められたときに、ついにそこから透明の雫が流れ落ちた。鬼はぱっと手で目元を覆うと、その場で崩れ落ちた。
「その答えは、あんまりです。なんて、なんて酷い」
 鬼はすすり泣いたようだった。涙を袖に吸わせようとしながらも、溢れるそれに間に合わなくて、それでも隠そうと手で覆う。
 しゃくりあげる声を耳が拾い、娘はどうするべきか迷いつつ、鬼の方へと手を伸ばした。今度は鬼が震えているようだった。娘の手が肩に触れた瞬間、怯えたように身を引く。
「私はあなたがっ、ずっと待っていてっ……。ひどい、ひどい、どうしてこんなに辛くあたるのですか」
「あの、泣かないで。どうか、泣いてしまわないでください」
「泣いてなどいません。これは涙ではなく、血です。あなたの言葉が突き刺さり、私の身から血があふれ出したのです。見ないでください。私の無様な姿を見ないでください」
 鬼の哀願に、娘も泣き出してしまいそうだった。母の言葉が蘇る。決して答えを与えてはならぬ。それは、鬼を困らせるからだったのだろうか。それでも必死に鬼の背を撫で、涙に濡れる顔に手を伸ばした。しかし、鬼は嫌がるように顔を背けようとする。仕方なく、娘は薄紅色の衣を取り去ると、それを鬼の頭にかぶせた。
「これで、わたしにはもうあなたの顔が見えません。どうか落ち着いて。話を聞かせてはくださいませんか」
 掟を破ったことへの恐怖は、考えないことにした。鬼を手ひどく傷つけてしまったのだと、そればかりに今は目が向く。薄紅色の衣をかぶった鬼は、布の下から赤くなったとび色の目で見つめてきた。
「薄紅の君……。では、その家へ導いていただけますか」
 その言葉に一瞬だけ祖母の身の安全を気にかけたが、鬼が掠れた声で「招かれずに無理に入れば、私は家に厄をもたらしてしまうのです」と目を伏せるので、娘は仕方なく鬼の手を取った。

 家に入ると、祖母は出かけているのかどこにも姿が見えなかった。
 不安になりきょときょとと家を見渡す娘に、鬼はわずかに微笑んで伝えた。無理に微笑んだのがよくわかる笑顔だった。
「この家の者は、おそらく山にいますね。すぐにかえって来るでしょう」
「……はい」
 娘が応じると、鬼はそっと頬を染め、すぐさま薄紅の絹を引っ張り、顔を隠す。全体的に青い鬼であるのに、今は顔から目から、そして頭にある衣のおかげで赤鬼にみえた。
「あの、鬼さま」
 鬼の名称がわからぬので娘がそう呼びかけると、鬼はびくっと肩を揺らして娘を見つめてから、悲しげに俯いてしまった。おまけに布の下からはらはらと水滴が滴ってくるのをみて、娘は己の失態を悟った。
「鬼さま……。鬼さまなどとあなたが私を呼ぶのは、私があなたに何かひどいことをしたからでしょうか」
 薄絹の下からそう問われて、娘は慌てて首を振った。すると、鬼はますます泣き始める。
「では、では、私はあなたに嫌われてしまったのでしょうか。お前のことなど、もう知らぬと。名すら呼んではいただけない……」
「ち、違います。あなたとは、初めて会ったのではないかと思うのですが」
 さめざめと泣く鬼に困り、娘はつい声を上げた。薄紅の君、と娘を呼ぶ鬼の青年。化生の寿命は知らないが、もしかしたらこの鬼、娘の母や祖母と何かしらつながりがあるのではないかと思ったのだ。なにせ鬼だ、見た目より年を取っていてもおかしくはない。薄紅の君というのは、受け継がれてきた名前であるというのに。
 鬼はしばし沈黙し、それから意を決したように、はらりと布を取り去った。赤くなったとび色の目が、じっと娘を映す。
「薄紅の君、あなたは何も、……覚えてはいらっしゃらないのですね。忘れてしまった、私のことも、約束のことも」
「いえ、忘れてしまったのではなく……」
「いいのです。今更、多少の意地悪は覚悟の上です。それでは、あなたが思い出すよう祈りながら、少し過去を語りましょう。遠い昔の、私とあなたの在りし日を」
 涙をぬぐった鬼は、そういうと、そっと過去に思いをはせた。

 男が娘を見初めたのは、豊穣の祈りを込めた祭壇からだった。
 この土地を守護し、見守る存在であった男にとって、人間とはただうるさいだけの生き物であった。実りを望むくせにすぐに刈り取り、雨を呼ぶくせに洪水を嘆き、自分勝手でいけ好かない奴らだと。しかしその時ばかりは、男の目はある娘に縫い付けられていた。豊穣を祈りし巫女。村から選出された穢れなき乙女に、男は昏倒した。
 しかし土地神ではあっても、男は人ならざる者。受け入れてもらえる自信はなく、焦がれるばかりの時がすぎた。そんな折、村に不幸が襲い掛かったのだ。雨が降らず土の栄養も枯れた、不作の波が押し寄せた。村の人々が集まって話し合った結果、豊穣を祈り神に供物を、生贄をささげようという取り決めに相成った。そして生贄役に選ばれてしまったのが、その巫女であった。
 焦りを抱いた男は、人々の前に姿を現し、巫女を貰い受けると宣言した。事実、男は土地神であり五穀豊穣の神。村人の願いを聞き届けるのは、できない道理ではなかった。
 山の社に連れてこられた巫女は、しかし、男を拒絶しなかった。あなたが私の定めですか、と一言問い、ふわりと優しく微笑む。男は喜んだ。今までの焦がれた時間から、何もかもを忘れて巫女を抱きしめ、愛を囁く。その拙い告白も、巫女は頬を染めて受け入れた。
 そうして妻を得た男は、神の伴侶となる巫女にもそれなりの物を授けてやろうと、喜んで自身の力を分け与えた。豊穣を呼び、雨をもたらす力を乙女に注ぎ込んだ。人の身ではあるが、その力があれば彼女は畏敬を集め、いずれは神として男と並び立てるだろうと考えての行動だった。
 ――ただ見誤ったのは、人という生き物の底なき欲。
 幾日が過ぎ、巫女が神の力を授かったと聞くや否や、村人は乙女を村へと奪い返した。男が授けた一度の豊穣では、人は満足できなかったのだ。望むだけ豊穣を呼べる巫女は、村人にとって都合のいい娘であった。
 無論、男は激怒した。人の身勝手さに嫌気が差し、雨雲と雷雲を呼んで、土から栄養を奪った。人々は雨に流され、雷に打たれ、そして作物すら枯らされた。当然の報いだと男がせせら笑う中、一人泣く者がいた。巫女だった。
 巫女は村人の命を乞い、そうして男にすがった。
「この身に授けられしあなた様の比類なきお力を、どうかこの土地に広げることをお許しください」
 故郷の人間の命が散らされる様を見ることに、巫女は耐えられないようだった。そして、男の強すぎる力にやがて恐怖する。なんとか怒りを堪えた男に、こう申し出た。
「私はあなた様の妻。しかし体は人の身です。尊きあなた様のお傍に寄るには、あまりに儚き身。わたしは人の村で、あなた様はこの山で、ともに暮らしてはいけませんか」
 村人の吹き込んだ「人が神の伴侶になどなれるものか」という言葉が背を押したこともあるが、これは鬼と化した男の知る由ではない。
 巫女の嘆願に、男はひるんだ。ともにありたいというのは、自身の身勝手な振る舞いなのだろうか。村人と同じように、自分は己のことばかりを考えて行動してしまっているのだろうか。男は苦悩し、嘆き、しかし巫女の心を守るため、最後にはそれを了承した。ただ一つの約束を交わして。
「人の村にいるあなたを見失わぬよう、赤い衣を羽織ってください。そうすれば、私は山からでも、きっとあなたを見つけられる」
 巫女はこれにうなずき、そしてずっと赤い衣をその身に纏うようになった。女性用媚薬
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淡い空色の鞘に納まった剣を取り、腰の刀と交換する

2011/9/7 
 なんだろう、さっきまでの暗い気持ちが嘘のようだ。
 悩みや疑問が解決したのだから当然と言えば当然だけど、俺ってこんなに繊細なのか?
 しかし今はそんな事よりも……。

 「ヨザークさん、色々と吹っ切れたのはいいんですが、俺もう駄目かもしれません」
 「おいどうした! どこか痛むのか!?」
 「色々すっきりした所為で余計腹が減って……なんか食わせてください……」
 もう限界だ、胃がキュウキュウ締め付けられるようだ。
 こんな時は肉だ、肉が食いたい!!

 「お前、屋台でも出店でもあるんだから何か摘まんできたらよかっただろ……」

 そんな可愛そうな物を見るような目で見ないで下さい、本当に限界なんです。
 もう喋る気力もないです、そもそもお金が無いです……。

 「ちょっとついてこい。さっき焚き火でヘビーモウラスの肉を焼くとこだったんだ」

 肉? いまヨザークさん肉って言ってたよね? 昼間市場で聞いた魔物の名前が聞こえたけど、食用みたいだし関係ない!

 「肉ですか! 食います! 俺草原抜ける前から何も食ってなかったんです!」
 「おいおい、食料も尽きた状態であそこを突破してきたのか? 本当に無茶が好きな奴だなシュテルは」
 「途中で気がついたんですよ、それに市場で何か食べようにも、俺無一文ですし」

 そうだよ、せめてこの世界の通貨くらい幾らか荷物に入れておいてくれてもよかったじゃないかモヤモヤさん。

 「馬車に乗る金が無いんだと思ったが、まさか無一文だったとは……。こりゃ先に尻尾の代金渡しておいたほうがよさそうだな」

 馬車に戻って代金の支払いをしようと提案してきたが、断っておく、今は一刻も早く……!

 「金なんてあとでいいです。肉食いましょう肉……さぁ、早く!」
 まるで戦場から逃げるような必死の形相で急かしたせいか、ヨザークさんが「しょうがない奴だな」なんて軽く苦笑いしながら先程の焚き火をしていた場所へと案内してくれた。


 焚き火を囲んでる人達が此方に気付き「お、戻ったか、そっちはさっきの兄さんか」と声をかけてくるが、俺は「シュテルって言います、肉ください!」と必要最低限自己紹介で肉を要求した。
 しょうがないだろう、もう肉の焼ける匂いでまともな思考が出来ないのだから……。




 空腹は最高の調味料だとはよく言った物だ。軽く塩をふっただけのようだが美味い。
 少々歯ごたえがあるが、噛み切れない程じゃない。
 焚き火で焼いただけでこの美味さなんだから、キチンとした環境で調理をすればもっと美味いはずだ。

 「美味い、美味いですよ! 本当に死ぬかと思いましたよ!」
 「おい若いの、こいつも食っていいぞ」

 焚き火の明かりでよく顔が見えないが、荒々しくウェーブ掛かった髪を後ろへ流し、アゴも髪と同じように伸ばして後ろへ撫で付けた男性が何かを投げてよこす。あれ? これって。

 「あ! これバルナって言うんですよね、さっき屋台で売ってたの見て教えて貰ったんですよ! 持ち合わせがなかったので買えませんでしたが……」

 やった、気になってたんだよ"バルナ"あの店員さんには悪いけど、遠慮なく頂いておこう。
 手に持つと、皮もバナナのように厚みがあり、手で簡単に剥けた。すると中からこれまたバナナのような白い果肉が現れたので遠慮なく齧り付く。

 一口で口の中に南国の果物特有の甘い風味が広がる。バナナのようにネットリとした食感ではなく、どちらかというと硬めに茹でたジャガイモのような、ほくほくとした食感だ。

 これも美味いな、フリッターにしたら絶対さらに美味しくなるぞ!

 「おいしいです! 初めて食べましたよコレ!」
 「初めてって、お前一体どっから着たんだ」
 「ああ、シュテルは随分外との交流の少ない田舎から出てきたばかりなんだよ。ギルドも知らなかったくらいだ」

 フォローありがとうヨザークさん。
 色々知識を蓄えないと、これからも人に驚かれてしまうかもしれないし。

 「さっきもこのバルナを売ってたお姉さんに驚かれましたよ、本当にイモと麦と狩って来た魚や鳥しか食べた事がなくて……」
 こう言って予防線を張っておけば何かと便利だろう。少なくとも食に関してはこうやって言い訳する事にしよう。

 「それは俺も初耳だぞシュテル。じゃあお前本当に物流すらないとこで暮らしてたんだな。自給自足って奴か? 甘い物もほとんど食った事なかったんじゃないか?」
 「ええ、森の木の実などは食べたことがありますが、名前などは知りませんし、こんなに甘い物もありませんでした」

 よくもこんなに澱みなく嘘の思い出を語れるな俺。しかもなんだかみんなの視線が哀れみを含んでるような気が……。

 「若いの、さっき言ってたバルナ売りはたぶん俺の娘だ、もうすぐここに戻って来るから、売れ残ったバルナがあったらジャンジャン食ってくれ!」

 おおう、さっきのお姉さんのお父さんなのか、20歳前後だと思ったけど、この人も意外と歳いってるのかな。

 「そうだったんですか、でもいいんですか?1本20メルスですし払いますよ」
 「気にするな、売れ残りなんてどうせ色や形が悪い物だ、金なんていらんぞ」

 バナナって変色しやすいけど、バルナもそうなのかね? むしろ少し変色してる奴の方甘いと思うんだけど。

 バルナについて考えていたところ、誰かが近づいくる気配を感じて顔を上げてみると――

 「あれま、さっきのお兄さんじゃない? お父さんの知り合いだったの?」

 お店を出していた娘さんが戻ってきた。そういえばさっき近くで話したとき思ったんだけど、この人も瞳孔が縦長だった。この世界の女性は皆そういう目をしてるんだろうか?

 「さっき会ったばかりです、俺がお世話になってる商人のヨザークさんに紹介してもらいました」
 「へぇ〜ヨザークさんとこのお弟子さん? 世間は狭いもんね〜」

 どうやらヨザークさんを知ってる様子だ。
 知り合いの知り合いという事で気を許したのか、少々間延びしたしゃべり方で明るく話しかけてくる。随分と明るい性格のようだ。

 「いや、弟子じゃなくて街まで乗せてもらってるんだ。草原で立往生してた所を拾ってもらったんだ」
 「あ、お兄さんも"ガルヴェウス"まで行くんだ。何かの依頼の帰りなの?」

 街の名前かな? 今更知ったよ!
 どうやら俺のことをギルドの仕事で街から出ていた冒険者か何かだと思ってるみたいだ。

 「違うよ、これからギルドに所属して仕事を始めるんだ。街の名前も今知ったよ」
 「あ、そっか。ブライトランプも知らないって言ってたもんね、どこのギルドに入るのか決めてるの?」

 ああ……また皆の視線が集まってきたじゃないか、余計な事をー!

 「お、おいシュテル、まさかブライトランプもなかったのかお前の村は! 夜はどうしてたんだ」

 案の定コレだ、これから先何度こういう反応をされるのやら……。
 「え、ええと、火を使ったランプや松明を使っていたのですが」
 「ああ、可燃性のランプはあったのか……驚いた、もし夕暮れと共に眠るなんて言い出したら、さすがに俺もその村に行商に行こうかと思ったぞ」

 さすがに、そこまで自然と共存してる所がまだ存在してるとは俺も思っていない。
 どんな村だと思われてるのやら。

 空腹も満たされ、ひと段落ついたのでヨザークさんに馬車の荷物に用があると告げ連れて行って貰う。どうやら馬車の持ち主以外は、たとえ一緒に居た人間でも広場に入れて貰えないらしい。

 俺の用事と言うのはもちろん尻尾の代金……ではなくて、カノンの言っていた剣を装備する為だ。

 「あった、これだ」
 淡い空色の鞘に納まった剣を取り、腰の刀と交換する。今の俺はコイツを下げる資格はないだろうし。

 「おいシュテル、そっちの剣はもう使わないのか? 姉さんが作ったって一品だろ?」
 「ええ、こっちも姉が作った剣なんです。さっきの剣は俺にはまだ使いこなせないみたいです」

 尤も、いつまでも使えないままでいるつもりはないけどね!
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teacup.ブログ START!

2011/9/7 
ブログが完成しました

ケータイからも、閲覧、投稿が可能なので、どこからでもブログの更新が行えます!

teacup.ブログはひとりで複数作成可能なので、ブログの内容によってブログを使い分けることもできます。
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