2011/1/22 | 投稿者: vsdgfd

 遠子先輩が絶対に話さないというように、両手を口にしっかりあて、目をぎゅっと閉じている。ぼくはその手を後ろからつかんで、引き離した。
「遠子先輩……?」
 いきなり遠子先輩が、ぼくのほうへくるりと向き直り、倒れ込んできた。
 心臓の辺りに、熱い頬が勢いよくあたる。ハイキングシューズ
「心葉くんのバカ。バカバカバカ。やっぱりひどい」
 ぼくの腕をぎゅぅっとつかみ、子供のように繰り返す。
「後輩は、先輩の言うこときかなきゃいけないんだから」
「きいてるでしょ、てゆーか、強引に、きかされてます」
「嘘、意地悪ばかりするもの」
 ぼくの腕をつかむ指に、またぎゅっと力がこもる。
 喉がひくっと鳴ったのは、込み上げる涙を飲み込んだせいだろうか。哀しそうに目を閉じたまま、なにかに耐えるように小さく震え出す。
 掠れた声で、なにかささやいたけど、小さすぎて聞こえない。
 それでもなおアイリスフィールを窘《たしな》めることなく、束の間の自由を満喫したいという彼女の希望を聞き入れたのは、自らの剣に託した揺るがぬ自信故だ。
 彼女は冬木の聖杯が設けた最強のクラス、剣《セイバー》の座に招かれた英霊である。こと近接戦闘において、彼女を凌駕するサーヴァントは存在しない。どんな不利な状況から戦端が開かれようとも、活路を拓く自信はある。登山用品店
 奇襲は、むしろ望むところだ。堂々と受けて立ち、返り討ちに仕留めるまでのこと。彼女を相手に策を弄そうとする愚か者には、セイバーのクラスが伊達ではないことを思い知らせてやればいい。
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2011/1/21 | 投稿者: vsdgfd

 だから、ゆりが決して表へ出ないよう、人を雇い、犬を飼い、見張らせたわ。別荘の使用人は、ゆりを監視する牢番だったのよ」
 巫女という名の罪人。
 ゆりは、姫倉の囚われ人だったのだ。mbt
「秋良が屋敷を訪れて、ゆりと恋に落ちたときも、彼らは監視し続けていたわ。
 秋良はドイツへ留学するために、屋敷を出ていこうとしていた。当時ゆりは、秋良が自分を置いて行ってしまうんじゃないかと怯えていたわ。
 ゆりには、約束があるから、秋良についてゆくことはできない。
 それに、外へゆくのが恐ろしくもあったのでしょうね。
 秋良と二人で、夜中に池へ行ったとき、白雪が見ていたので心臓が止まりそうになった、幸せなのに怖くて、チロを抱きしめて泣いてしまったという日記からも、ゆりの複雑な気持ちを、想像できるわ。
 策謀の通用しない強敵≠ノ当たるとなれば、そのときは――切嗣もまた、独りの魔術師として、持てる秘術の限りを尽くして立ち向かうしか他にない。そのときはこのコンテンダーが、切嗣の持つ唯一にして最強の牙となる。mbtシューズ販売店
 心の時計を巻き戻しながら、切嗣はケースからコンテンダーを取り上げた。過去に幾度と巻く切嗣の手の汗を吸い取ってきた胡桃材の銃把は、九年のブランクを隔ててなお、まるで絡みつくようにぴったりと掌と指に収まった。
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2011/1/20 | 投稿者: vsdgfd

「このは、くん……?」

 眉を下げた遠子先輩が、確認するようにおそるおそる訊いた。

「……はい」

 ぼくも、ぼんやりしたまま答える。アウトドアシューズ
 遠子先輩はまだ怖そうにぼくを見ながら、首をそっとかしげ、
「足……ついてるわよね、幽霊じゃ……ないわよね」
 と尋ねた。
「寒くて、びしょ濡れで、傷だらけで、足はスリッパで最低ですけど、とりあえず生きてます」
 ビニールの合羽にくるまれた細い体が、水滴を飛び散らせて抱きついてきた。
 顔に水が、ぴしゃりと跳ねる。もっとも、雨でとっくに濡れているので、かまわないのだけど。
「よかった〜〜〜〜、ちゃんとさわれるわ。本当に生きてるわ。わたし、池をさらわなきゃいけないんじゃないかと思っていたの。熊手を持ってくればよかったって。心葉くんが生きててよかった〜」
「どうして、死んでること前提なんですか」
「そもそも今の局面で御三家の邸宅を監視するというのは、聖杯戦争に参加するマスターとして当然の策でございましょう」
 脇に控える髑髏の女――ハサン・サッバーハでしか有り得ないはずの人物が、言葉を挟んだ。登山用品店
「その程度の用心も怠るような者であれば、どのみち|我ら《・・》アサシンを警戒する神経など最初から持ち合わせおりますまい。結果としては問題ないかと」
「うむ」
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2011/1/19 | 投稿者: vsdgfd

 秋良はよく、一人でぼんやりしていて、そういうときはいつも指で耳たぶをいじり、哀しそうな目をしていたという。耳たぶにさわるのは、もともとは日本で別れてきた恋人の癖だった。その人はもういないのだと暗い顔で話したらしい。登山靴
 耳たぶに手をやる、ゆりの癖――。
 やわらかな耳にふれながら、秋良は日本でのことを思い出していたのかもしれない。
 ゆりが身を投げたことを、彼は知っていたのだ。自分のせいで恋人が命を絶ったことを、どう思っていたのだろう――。
 自分と重ねて、ゾッとした。
 それは、死よりも恐ろしい、責め苦ではないか!
 ようやく肝心なところに思い至った龍之介が、馴れ馴れしく問いかける。
「名前、ですか。そうですね。この時代で通りの良い呼び名といえば……」
 男は唇に指をあて、しばし考え込んだ後、
「……では、ひとまず『青髭』とでも名乗っておきましょうか。以後はお見知り置きを」
 そう親しみをこめて、天使のような笑顔で答えた。ハイキングシューズ
 こうして、第四次聖杯戦争における最後の一組ー七番目のマスターとサーヴァント『キャスター』は契約を完了した。行きずりの快楽殺人鬼が、魔術師としての自覚も、聖杯戦争の意義も知らぬまま、ただの偶然だけで令呪とサーヴァントを得たのである。
 運命の悪戯というものがあるならば、それは最悪の戯れ事と言ってよかっただろう。
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2011/1/19 | 投稿者: teacup.ブログ 運営担当

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