こらこら。彼は怪我してるんだから

2010/12/1 
 その後を、コルベールが興奮した調子で引き取った。
「千人もの軍隊を一人で壊滅《かいめつ》させるほどの力を持ち、あまつさえ並のメイジではまったく歯が立たなかったとか!」
「で、ミスタ・コルベール」
「はい」UGG
「その少年は、ほんとうにただの人間だったのかね?」
 そう言って振り返った老女の後ろには、ずらり、五十三の生首が。能面のように壁に飾られた顔は、皆ミイラのように干涸らびている。
「けっ、だからここは見つからねぇと?」UGGブーツ
「そうじゃ。道摩法師に落ち度などありはせぬぞぇ。皆殺しじゃ。死体に口なしとは言うものの、その死体も見つからなくば安倍も賀茂もどうにもならんて」
 かさかさと乾いた音を喉から漏らす老女。その目前で、紅鬼の金髪がふわりと波立つ。身に纏う鬼気が何かを察知したようだ。アグブーツ
「こらこら。彼は怪我してるんだから、じゃれちゃダメよ」
 カトレアがそう言うと、才人に群がっていた動物たちがのそのそと離れていく。
 部屋の中はさながら動物園のようで、才人はいつかの馬車の中を思い出した。このカトレアは、そういえば動物が大好きなのである。
「す、すごいっすね」
 感想を漏らしたら、カトレアは楽しげに笑った。
「驚いちゃったでしょう?」
0

諸君! 決闘だ!

2010/11/30 
「ああもう! ほんとに! 使い魔のくせに勝手なことばっかりするんだから!」
 ルイズは、才人の後を迫いかけた。
 ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある、中庭である。西側にある広場なので、そこは日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。UGG
 しかし……、噂《うわさ》を聞きつけた生徒たちで、広場は溢《あふ》れかえっていた。
「諸君! 決闘だ!」
 力を奪われた鬼女と紅鬼は、追い詰められた格好となる。しかしそうは言っても、こちらも状態は同じこと。結局鬼二匹は残った力を振り絞り、その場から這々の体で逃げ出した。悠太と忠利は浄化の雨に打たれ、他に追跡できる者もおらず、事実上見逃す形となった。
 安倍本家は、襲撃が前庭に留まったことにより、受けた被害は小さく見えた。だか十余名の命を奪われ、既に四分の一の陰陽師を亡くしていることもあり、生存者は六十名を切っていた。UGGブーツ
 ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある、中庭である。西側にある広場なので、そこは日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。アグブーツ
 しかし……、噂《うわさ》を聞きつけた生徒たちで、広場は溢《あふ》れかえっていた。
「諸君! 決闘だ!」
 ギーシュが薔薇《ばら》の造花を掲げた。うおッー と歓声が巻き起こる。
「ギーシユが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」
0

大変なことなど、あるものか。すべては小事じゃ

2010/11/29 
 かつての武人っぷりを偲《しの》ばせる、きびきびとした步みで、カリーヌは退室していった。そのあとを追って、姉たち二人が退出する。ルイズも、ギーシュたちを呼びに部屋を出て行った。
 才人《ぎいと》も行こうとすると、アンリエッタに呼び止められた。
「……姫さま」
 アンリエッタは一瞬顔を曇《くも》らせたが、無理やり浮かべたような微笑をしてみせた。
「ご無事でなによりですわ」
 才人《さいと》は頬《ほお》を染めて俯《うつむ》いた。
「いえ……、申し訳ありません。勝手なことをしてしまいまして」 鈴の音。
 ――神楽鈴が奏でる音。UGG
「えっ」
 それは、花が在るべき場所へと還る瞬間。
 モザイクのように輪郭が小片へと変わっていく。花が、葉が、枝が、小さな欠片へと姿を変え、そして、――彼の腕に吸い込まれていく。
 思いもよらぬ衝撃が彼を襲ったのだろう。
「オールド・オスマンー」UGGブーツ
「なんじゃね?」
 ミス・ロングビルは何事もなかったように机に座っていた。オスマン氏は腕を後ろに組んで、重々しく闖入者を迎え入れた。早業であった。
「たた、大変です!」アグブーツ
「大変なことなど、あるものか。すべては小事じゃ」
「ここ、これを見てください!」
 コルベールは、オスマン氏に先ほど読んでいた書物を手渡した。
0

騎士は杖《つえ》を振った

2010/11/28 
 そしてくすくすと笑い始める。先ほどのキュルケもいた。周りを男子が取り囲んでいた。なるほど、男の子がイチコロというのはホントだったようだ。周りを囲んだ男子どもに、女王のように祭り上げられている。まあ、あの胸ではしかたがない。巨乳はどの世界でも共通言語のようだ。UGG
 皆《みんな》、様々な使い魔を連れていた。
 キュルケのサラマンダーは、椅子《いす》の下で眠り込んでいる。肩にフクロウを乗せている生徒もいた。窓から巨大なヘビがこちらを覗《のぞ》いている。男子の一人が、口笛を吹くと、そのヘビは頭を隠した。カラスもいた。猫もいた。 さつきの身体の下で、白狐を覆う全身の毛が逆立つのを感じた。同時に前方から赤い光が広がってくる。背に乗った状態では分かり難いが、白狐の額にある太極の印が浮かび上がり大きく広がっているようだ。
 視界が真っ赤に染まったとき、さつきの身体が千切れんばかりの風に打たれた。急降下が始まる。急激な気圧の変化に耳管が悲鳴をあげている。UGGブーツ
 駿足を飛ばす白狐は、さらに速度をあげ――敵の結界へと飛び込んだ。
 騎士は杖《つえ》を振った。
「多少手柄を立てたからといって、調子にのってはいけません。事情があろうがなかろうが、国法を破ってよいわけがないでしょう。結果として、それはさらに多数の人間を不幸にしてしまう可能性を秘めるのです」アグブーツ
 暴風が吹き荒れ、ルイズをもみくちゃにした。
 才人《さいと》は見てられなくなり、ルイズの前に飛び出した。
「や、やめてください!」
0

なんで俺がお前の下着を!

2010/11/27 
「だ、誰《だれ》が罰を与えるのだね?」
「そう言った手前、わたくしが与えましょう」
 一家の後ろに控えていた、それまで動じなかった召使たちが、わずかに身体《からだ》を震わせ始めた。UGG
 エレオノールが珍しく作り笑いを浮かべ、
「な、何も母さま自らお与えにならなくても……、ねえ、カトレア?」
 カトレアも、ちょっと困ったような声で、 白狐の赤い目がグッと鋭く細められる。本物かどうかを狐疑するように、鈴なりに咲いている白い花一つ一つを見つめている。
 やがて。UGGブーツ
『よくやった』
 そう言って、さつきの前に背を突き出してきた。
『乗れ。――静成が危ない』
「じゃあ、これ、明日になったら洗濯しといて」
 ぱさっ、ばさっと何かが飛んできた。アグブーツ
 なんだろう、と恩ってそれを取り上げる。
 レースのついたキャミソールに、パンティであった。白い。精巧で緻密《ちみつ

》なつくりをしているなあ、と熱した頭で考える。屈辱と歓喜が入り混じった感情

が溢れ、それを握り締める。
「なんで俺がお前の下着を! 洗濯! 嬉《うれ》しいけどふざけるな!」
0



AutoPage最新お知らせ