2012/1/28 | 投稿者: Sayo

 京に入り立ちてうれし。家に至りて、門に入るに、月明かければ、いとよくありさま見ゆ。聞きしよりもまして、言ふかひなくぞこぼれ破れたる。 家に預けたり  つる人の心も、荒れたる  なり  けり。 中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれる  なり。 さるは、便りごとに物も絶えず得させ  たり。今宵、「かかること。」と、声高にものも言はせ  ず。 いとはつらく見ゆれど、 志せむとす。
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2012/1/28 | 投稿者: Sayo

 四日。楫取り、 「今日、風雲の気色はなはだ悪し。」と言ひて、船いださずなりぬ。しかれども、ひねもすに波風立たず。この楫取りは、日もえはからぬかたゐなりけり。 この泊りの浜には、くさぐさのうるはしき貝、石など多かり。かかれば、ただ昔の人をのみ恋ひつつ、船なる人の詠める、   寄する波うちも寄せなむわが恋ふる人忘れ貝下りて拾はむ と言へれば、在る人の堪へずして、船の心やりに詠める、   忘れ貝拾ひしもせじ白玉を恋ふるをだにもかたみと思はむ となむ言へる。女子のためには、親幼くなりぬべし。「玉ならずもありけむを。」と人言はむや。されども、「死じ子、顔よかりき。」といふやうもあり。 なほ、同じ所に、日を経ることを嘆きて、ある女の詠める歌、   手をひてて寒さも知らぬ泉にぞくむとはなしに日ごろ経にける

とりあえず連投テスト
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