*** あらゆる企業業務で必要とされるSEマインド ***
  学生様を対象とした『SE塾』を開催 2009年3月
  

2009/9/11

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(7)  

 システムアプローチに於けるインタビューのトリガーは、「どうしたい?」と云うことよりも、「問題、課題」の認識を入り口にするのが判り易いと感じる。 何故ならば、こうなれば良いと言うことについては通常漠然とイメージしているものであるが、不都合なことや、おかしいと感じることは、具体的に意識していることが多い。 また、不都合なことが解消された場合、良くなったと言うことが強く印象に残る筈である。
   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ と云う開設を、以前に記した。

 この様な意味から、顧客へのシステムアプローチに於いて、業務分野を絞った上で、
   ・当該業務の概要(業務機能)の把握
   ・認識しておられる『問題点』の抽出
というアプローチを行うのが、比較的たやすい。 前述の様に、顧客の「在庫管理業務」を例に採り、問題点抽出のインタビュー例を解説したい。

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           ≪ 準備すべきインタビュー内容 ≫

1.紳士ズボン縫製卸における在庫管理業務概要の把握
  @ 在庫管理対象品目 (原材料素材、半製品、製品、商品、その他)
    ・原材料素材品目 (布地反物、縫製糸、ボタン、フック、ジッパーなど)
    ・半製品品目 (裁断直後、縫製途中などどの工程で在庫が発生するかの認識)
         ※半製品は、在庫管理対象とは限らない
    ・製品品目 (製品種類)
    ・商品品目 
    ・その他品目
  A 各品目についての在庫管理単位

2.在庫管理業務における改善すべき問題点の把握
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2009/9/1

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(6)  

 在庫管理・・・・その業務分野を対象に業務改善テーマを具現化したい。 しかし、自分自身、ズボンの縫製会社に勤めたことも無ければ、ズボンを仕立てた経験なぞ全くない。

 ズボンの縫製は、反物の仕入れ、裁断、縫製、仕上げ、検品と云う手順を踏むことは想像できる。 その様な製造プロセスで発生する在庫と云うものを思い描くと、色々な事象を想定することができる。

 ・反物(布地)は、どの様にして仕入れるのか
 ・反物の仕入れるタイミング、量的単位はどうなっているのか
 ・どの程度の量の原材料(反物)が常時在庫として保管されているのか
 ・反物(布地)の種類は、数え切れないほどあらが、管理のKEYは何なのか
 ・反物以外に、原材料として管理される素材には何があるのか
 ・在庫管理上の品質問題にはどの様なことがあるのか
 ・その品質管理基準は何か
 ・それぞれの原材料、素材の仕入れの単位、在庫管理の単位はどうなっているか
 ・期間あたりの仕入れ量と消費量の程度

等々の要確認事項が思い浮かぶ。 この様なことが、インタビュー事項の骨格であり、これらの事項から自分なりのインタビュー項目を展開することが肝要である。

                 北尾隆夫
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2009/8/27

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(5)  

 当面、検討を深めるテーマとして、
  @ 現場部門に於ける業務の煩雑さの改善
     ・製造部門での改善
     ・倉庫部門での改善
     ・営業部門での改善
  A 製品品質と品種、色種での生産量の適正化、生産品質の改善
     ・適正な生産計画の立案とそれを実現する生産体制
     ・製造指示の適正化
     ・裁断、縫製工程、部品加工の製造品質向上
が、挙げられ、幹部の承認を得られたことは前回記載したが、重要なのは、

(1)漠然とした全体改善を対象としないこと
(2)対象とする業務範囲や改善すべき事項について、関係責任者の承認を得ること
(3)承認を得られた事項について議事録的資料を作成し、顧客に提出すること

である。 この様にして第一関門は通過した。

 ・ ・ ・ ・ ・ インタビュー項目の整理 ・ ・ ・ ・ ・

 業務範囲や検討の方向性が定義されたことで、SEとしての作業は次のステップへと入った。 全ての内容を、このブログに記載することはできないので、説明が容易な「倉庫部門の改善」を例にアプローチを整理する。

 システムアプローチに於けるインタビューのトリガーは、「どうしたい?」と云うことよりも、「問題、課題」の認識を入り口にするのが判り易いと感じる。 何故ならば、こうなれば良いと言うことについては通常漠然とイメージしているものであるが、不都合なことや、おかしいと感じることは、具体的に意識していることが多い。 また、不都合なことが解消された場合、良くなったと言うことが強く印象に残る筈である。

 倉庫業務と云うものは、企業活動にとっては「必要悪」であることは周知の事実である。 倉庫は、入って来るものと出て行くものとのバランスをとる為のバッファ装置である。 入りと出が完全に同期していれば必要はない。 その様な倉庫がどの様な機能は果たし、日常の業務として、どの様な問題が発生しそうかと云うことを予め整理して置く必要がある。 その想定に沿って顧客状態、状況を確認することで、顧客の実情をしることができる。


              潟Lタオ 北尾隆夫
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2009/8/26

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(4)  

 細かいインタビューに先立ってズボン製造卸会社の幹部の方々から、会社方針、業務方針についてのご意見を賜ることにした。 会社見学に続く、2回目のアプローチである。 その場での聴取内容は今後のSE作業の方向性を左右することと、幹部の方々へのインタビューであることも併せ、緊張するフェーズである。

 お集まり戴いた顧客幹部の方々に、打合せの趣旨を説明し、個々のご意見を頂戴した。 I.T.化の焦点が絞り込めていないことへの理解と、コンピュータ導入への意欲がある為、真剣に日頃からの思いをぶつけて戴くことが出来た。 しかし、管理者として、また経営者としての考えはまちまちで、一つの意見に集約は難しいが、

 ・会社全体の利益率を高め、給与水準を上げたい。新しい設備投資をしたい。
 ・生産量を向上させ、営業力を充実させ販路、販売量を拡大したい。
 ・製品品質を向上させ、市場評価を高めたい。不良率低減、原価低減を図りたい。
 ・現場業務の煩雑性を改善し、業務効率を改善し、労働時間を短縮したい。

などの意見は当然出てきた。

 しかし、これらの意見は、全く目的や手段が異なるものではなく、それぞれが相互に因果の関係を持っている。 業務効率を高めることは、原価低減を齎し利益率向上に繋がるし、間接的とは云え、製品品質向上に繋がる。 この様に、一般的に企業が将来展望(目標)とすることは、「市場規模拡大(売上向上)」、「利益率向上」、「市場評価向上」などと云ったことに集約され、それを実現するための手段、方法、問題点の解決の積み上げが、企業目標に繋がるものである。

 この様な議論から、課題を以下の3フェーズに絞り込むことにした。
  @ 企業としての将来展望
  A 将来展望への歩みを確認できる短期的(2〜3年)の取組み
  B ポジティブな短期的取組みを行うための直近の改善課題(問題点)
ここで言う「将来展望」は、額に入れて社内を鼓舞する内容であるが、短期的取組みとそれを実施するための解決すべき課題は仔細に検討する必要がある。 

 当面、検討を深めるテーマとして、
  @ 現場部門に於ける業務の煩雑さの改善
     ・製造部門での改善
     ・倉庫部門での改善
     ・営業部門での改善
  A 製品品質と品種、色種での生産量の適正化、生産品質の改善
     ・適正な生産計画の立案とそれを実現する生産体制
     ・製造指示の適正化
     ・裁断、縫製工程、部品加工の製造品質向上
が、挙げられ、幹部の承認を得られた。

               北尾隆夫
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2009/8/26

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(3)  

 ズボン縫製卸会社の会社見学も終え、次のSEアプローチ展開を進めて行かなければならない。 何の準備もなく、またまた替えズボンを買い求めに行くことも出来ず、本来の作業に入った。 顧客の業務内容を大掴みに出来た訳であるから、SE作業としては、I.T.化対象業務の絞込みの手立てを模索せざるを得ない。

 ・ ・ ・ ・ ・ アプローチの整理 ・ ・ ・ ・ ・

SEアプローチの王道に沿った展開を試みるのが最も妥当であろう。
(1)会社見学で知り得たことの整理 と 必要な未聴取業務分野の整理
(2)大掴みに出来た業務範囲での更なるインタビュー内容の整理
(3)未聴取(聴取洩れ)業務分野のインタビュー内容の整理
(4)得られた情報からの問題点発掘
(5)問題点の整理 ・・・ KJ法的問題点の体系化
(6)問題点に対する因果分析(原因、結果分析)
(7)改善ポイントの整理 ・・・ 業務改善対象と概括的内容の整理
(8)I.T.化対象業務の絞込み

 そんなこんなで、当方の聞きたいこと(インタビュー事項)の整理を行った。 インタビューの難しさは、内容の展開が聞く側の意思に左右され、聞かれる側の意思(方針)と云ったことが反映し辛い点にある。 悪い言い方をすれば、どうしても誘導尋問的展開になってしまうことである。 そこで重要なのは、相手先(顧客)のポリシー(方針、指針)の確認であろう。 それを違わさなければ、概ねSEアプローチの壷を外すことはなし、インタビューされる側にとっても返答の論点が整合する。

 相手先(顧客)のポリシーの確認とは、どの様なことなのか?
企業であれ、組織であれ、持つ価値観はそれぞれである。 従って聞いてみないとそれはわからない。
 ・会社全体の利益率を高め、給与水準を上げたい。新しい設備投資をしたい。
 ・生産量を向上させ、販路を拡大したい。
 ・製品品質を向上させ、市場評価を高めたい。不良率低減、原価低減を図りたい。
 ・現場業務の煩雑性を改善し、業務効率を改善し、労働時間を短縮したい。
などなど、その着眼点は多種多様である。 しかし、それを理解せずに、種々のインタビューを実施することは方向性を誤る。

                 北尾隆夫
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2009/8/25

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(2)  

紳士ズボン縫製卸の会社のS.I.をふり返って・・・・・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 この事例には、面白い前提がある。 それは、中小企業でも汎用コンピュータが使い始められた時代で、中小企業の経営者や管理者もコンピュータの存在は耳にしているものの、知識の中に具体的なイメージが存在しない頃の出来事である。 そんな昔話が、昨今のI.T.浸透の時代に役立つ訳がないとお叱りを受けるかも知れない。 しかし、私自身、Pre−SE作業は、コンピュータの浸透やI.T.技術の発達とは聊か関係がないと感じる。 それは、仕事をしているのは人間であり、遠い昔から遣っていること、考えていること、困っていることに大きな違いはないと思えるからである。

 言い訳はさて置き、そんな時代に巡り合った縫製会社の経営者は、面白い方で、第一声、
「最近、コンピュータちゅうもんがあるらしいでんな。 何や便利やて聞くさかい、うちも使うてみようかと思うてまんねん! どうでっしゃろ?」
この言葉に、SEだと思い込んでいた自分は面喰ってしまった。 「どうでっしゃろ?」と言われても返事のしようがない。 「自動車を買うのと訳が違います。」と言い掛けて言葉を呑んだ。

 便利道具が世の中に浸透して行く入り口は、こんなことが切っ掛けなのかと驚いた。 話しの経緯から、コンピュータ処理を適用する対象業務を定めるところからの出発である。 まずは顧客の仕事の中味を知らなければ話しにならないということで、顧客の会社見学から事を始めた。 裁断のための型紙製作、布地を何枚も重ねての裁断、分業が進んだ縫製作業、仕上げ、検品と自分が履いているズボンが生産される過程を初めて目の当たりにした。

 発した言葉は唯一つ、「へぇ〜っ!凄いですね。」。 相手の会社の方は私が何に驚いているのか判らない。 「そうですか?」と返事が返ってきた。 その会社の人々は、それが日常で驚きでもなんでもない。 極自然な日常風景であり、毎日繰り返される作業なのだ。 聞く側と聞かれる側のギャップは大きい。 「倉庫も見ますか?」、「ええ、是非!」と倉庫へも案内して貰った。 扉が開くなり新しい布地の匂いが立ち込める。 薄暗い倉庫の棚には天井まで届くほど、出荷待ちのズボンがうず高く積み上げられている。 「気に入ったのがあれば、安うしときまっせ。」と好意的な言葉。 「気に入ったのが・・・」と言われても、百貨店の陳列とは話しが違う。 見ようと一本のズボンを抜こうものなら、積み上がっているズボンの山が崩れそうである。 「言うてくれはったら、出しますよ。」との介助で、5〜6本のズボンから自分に合いそうなものを選んだ。 聞いた値段の代金、と言っても桁違いに安いが、支払いをして、その日の見学は終了した。

 SE作業としての一日と云うより、ズボンを買いに行った一日となった。

                  北尾隆夫
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2009/8/25

今すぐできるSEアプローチ:インタビュー編(1)  

 Pre−SE作業の重要な入り口作業として、「インタビュー」がある。

 Pre−SE作業を円滑に実施するために最も重要なのは、技術、知識、経験よりも「気構え」であろう。 多くの人は、「えっ!?」と思われるかも知れない。 技術、知識、経験は、無いより有るに越したことはないのは当たり前である。 しかし、怖いのは、技術、知識、経験を持ち合わせていることが過剰な自負心(プライド)になることだ。 大抵の仕事は、自分の持つ技術(技能)、知識、経験を総動員して事に当たるのが常識であり、それが豊富な人ほどより良い仕事ができるのは当然である。 また、成果が上れば自負心となり、ヤル気を向上させる結果となる。 どんな仕事であれ、そのポジティブスパイラルを求める。

 継続的仕事としてのSE作業全体で見れば、当然そのポジティブスパイラルを個人が形成することが必要ではあるが、個々のPre−SE作業でプライドは禁物である。 一般的にPre−SEアプローチは、対象となる相手(顧客や社内他部門)の状況や状態を把握することから始めなければならない。 「SE」と云う仕事(業務)は、自分が判っているとか、自分は出来ると言った感性では、まず失敗する。 何故かというと、相手(顧客、他部門)の担当者が困っていることに対し、別の観点から業務改善を行い、相手にストレスの少ない業務環境、業務手順を提供することを目的としている訳であるから、サポートするSE側が実際に日々その業務と格闘しておられる方々より内情や実情を理解できている訳はない。 アプローチするSEは、コンピュータ利用やシステム開発については熟知しているかも知れないが、相手先の業務内容やその方法・手順と云ったことを相手先より詳しい訳がない。 相手先の業務内容に改善点はあっても、それをインタビューするSEに較べたら業務熟知、熟練に格段の差がある。 アプローチするSEはそのことを肝に命じなければならない。

 従って、知らない者(SE)が、熟知している者(顧客、他部門業務担当者)に問い掛け実情を把握する作業であるから、何の準備もなく簡単に実施しようとするのは非常に危険である。 できる訳がない。 また、聞かれる方も、自分の身の廻りのことを100%理解し、実情を整理把握できているケースはまずない。 何故なら、それができているなら、SEの世話になる必要もないからだ。

 万に一つでも、SE自身にプライドが生じた場合、その時点でSE失格であろう。 自分に経験が無いことや詳しい知識がないこと、ましてや相手先のお家の事情など知る由もない。 しかも、それを把握できない限り自分のPre−SE作業は始まらない。 SEに要求されるのは、入り口での謙虚で誠意ある気持ちしかない。 その謙虚さを表すためには、SE自身が把握したい内容を、明瞭で且つ相手先に伝え易いインタビュー項目を事前に準備することにある。 そして、まずは「教えて下さい!」からのスタートである。

 この様に言うと、「そんなに難しいことは、自分には出来ない!」となるかも知れないが、内容的に難しくもなんともない。 SEの仕事は、自分のレベルで仕事を進めることができるからである。 

 では、インタビュー項目とは何なのか? ・・・・・・・・

それは、自分が知りたい事項を、順序立てて列挙したインタビュアのストーリーである。 とは言え、それをSEアプローチ一般論で説明するのは難しい。 私自身、以前に紳士ズボンの縫製卸の会社のS.I.を担当したことがある。 その事例に沿って、インタビューと云う作業を解説したい。

                  北尾隆夫
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2009/8/24

今すぐできるSEアプローチ:SE業務の定義  

 SE作業は、大きく2つの意味(目的)があると考えられる。 それは、狭義な意味と広義な意味と言い換えてもよいかも知れない。

 狭義には、コンピュータシステム開発でしばしばお目にかかる、コンピュータシステム開発(S.I.)での要件分析、システム設計、システムテスト、運用テストを指す。 S.I.作業での入り口と出口を担当する訳である。 しかし、そこには大きく2種類のSE業務が存在することを理解しなければならない。 一般的な用語かどうかは別にして、このSE塾ではその2種類のSE作業を
   @ Pre−SE
   A After−SE
と名づけることとする。 『Pre』とは、「事前」とか「予め」と云った意味の接頭語であり、接頭語ではないが、『After』は、「その後の」とか「一山越えた後の」と云った意味を込めている。

 Pre−SEとは、S.I.要求の掘り起こしであり、業務改革取組み上の重要な作業といえる。 一般的に「要件分析・要件定義」という作業をS.I.の前工程の様に位置付けるが、通常のS.I.作業では、After−SE作業に近い。 何故なら、I.T.化の範囲が決まっているならこそ「要件分析・要件定義」が出来るからであろう。 この様に、Pre−SEの仕事は、相手先のI.T.化範囲や目的を明確に整理することにあり、単なる要件分析だけではないことを理解する必要がある。

 After−SEは、Pre−SE作業で明確化され、相手先の納得も得られたI.T.化の範囲は目的を前提として、仔細に業務要件、仕様要件を整理と最適化を図ることから作業は開始される。 その様な意味で、After−SEは、知識、技能、経験がものをいうのかも知れない。

 広義な意味でのSE作業は、コンピュータシステムの利用を前提としたI.T.システムの構築にその守備範囲を限定していない。 業務が目的に沿って遂行されるためには、組織が要求される。 組織は機能分担され、PDCAサイクルが機能していなければならない。 営業であれ、製造であれ、流通であれ、管理であれ、組織機能が矛盾なく、且つ遅滞なく機能しているかどうかを見極め、問題点があればそれに対する改善策を提言するアプローチである。 一般的には、業務コンサルとか経営コンサルとか言われる業務であるが、組織そのものがシステムがあるから、これもSystems Engineeringである。

 この様に、SE作業の範囲、レベル、内容には限定できるものがなく、あらゆる知識、経験、技術、事例を総動員する必要があるだろう。

                        北尾隆夫
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2009/8/21

今すぐできる「SEアプローチ」  

 何となく思いついたことを書き留めて置きたくなった。 25年間忘れかけていた「SEアプローチの基本」だ。 何でそんなつまらないことを書き留め様としたのか?

 先般、さるロートルSEと会話させて戴く機会があったからに他ならない。 現役の頃への回顧的感情もないではないが、何か新鮮なものも感じてしまった。

 「SE」とは基本的に専門的な仕事でも、特異な仕事でもないと私は思う。 必要なのは、「素直な気持ち」と「多少の常識」である。 と言うのも、日常普通に生活している人々は、別段無駄の山に埋もれて生活している筈がない。 であるならば、その日常生活で実施できている常識的な判断や行動を仕事に生かせばよい。

 我々は、仕事と云うものを非日常的なテーマとして捉えがちであるから、間違いが始まる。 その間違いの始まりは、失敗が許されないという先入観、顧客の感情、上司の感情、未経験な作業・・などなど非日常だと思ってしまう要因が散在しているからである。 結果、仕事はストレスを齎し、それをリフレッシュするために休暇やヴァケージョンを必要としてしまう。 仕事は、人間が人間に対して実施している業務であるから、そこにストレスがあるなら、そもそも生きて行けない。 「SE業務」の基本は、そこにあると感じる。 そもそも企業業務も人間が考え出し、先輩諸氏が実施しているのであるから、途方もなく厄介なものである訳がない。

私は、SE作業の基本は、その様なストレスの中で困惑する顧客業務をストレスから救ってあげることにあると考えている。 重要なことは、以下の5点に絞られると思う。

 @ 自分(SE)が相手(顧客)のことが判っている訳がないと云う認識。
 A 相手(顧客)のことをとことん知ろうとする意欲を持つ。 
       即ち、相手が抱えるストレスから開放して上げたいと云う誠意を持つ。
 B 知り得た相手の状態を、とことん分析する努力を厭わない。
 C 顧客の業務の中に、ストレスを発生させる事象があるなら、必ずそこには矛盾がある。
       その矛盾を的確に抽出する努力を厭わない。
 D 抽出された矛盾点を解決するための手立てを必死に考える。

 これが、SEがSEたるための基本であり、経験が多ければ多いほど、知識が多ければ多いほど、実施するSEアプローチが高度なものとなるだけである。 高度なアプローチに本当の価値があるというと、そうでもない。 経験のないSEの方が、「基本中の基本」を指摘した例は山ほどあり、それが本質をついている場合が多いのも事実である。

 SE作業のスタートポイントは、こんなものではないだろうか。 プロと胸を張るSEも、スタートはそんなものだと感じる。

                       北尾隆夫
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2009/8/18

中小企業での I.T.活用  

 「I.T.」と云う言葉も聞き飽きて久しい。 回顧的なことでバカにされるのは覚悟の上ではあるが、昨今、そのアプローチに疑問を感じることがある。

 半世紀前、民間企業でコンピュータが利用され始めた頃、誰の目にも目新しく、且つ最新の文明機器であった。 しかし、当時コンピュータ利用には明確な目的があった。

 それは、多くの人手を介してしか実施できなかった作業を機械(コンピュータ)によって機械的に処理し、業務の効率化を図ることであり、目的としては簡単明瞭なものであった。 しかし、コンピュータ活用のその様な局面は多くの業務場面で実現してしまい、今や更なる高度な活用方法へと展開されている。

 話題は変わるが、世の中の情勢として、小泉政治やリーマンショック以降、「格差社会」と云うことが議論になっている。 ここで言う「格差」は、立場や労働成果に対する世の中の仕組みが生み出した格差経済のことであり、資本主義経済に於いては必然なのかも知れない。 どうしても、競争社会の中では格差が発生してしまい、行政がある程度それを担保する必要はある。 しかし、全面的に担保することは、国と言えどできない。

 「I.T.活用」についても同様のことが言えると思う。 世の中に手の届く価格でI.T.ツールが氾濫し、目的さえ明確であればいつでも買い揃えることぐらいできる。 しかし、本当に有効に「I.T.ツール」が活用されているのだろうか。 ここに「I.T.活用」に於いても「格差」が生じていると言える。 興味があり、ある程度の知識を持っている人々にとっては便利で楽しい道具であるが、使いこなせない者にとっては故障した家電製品になりかねない。

 EXCELやWORDと云った便利ツールが故に、安易にパソコンが利用でき、また社会環境的にも、メールやインターネット利用で必須アイテムともなっている。 このため、コンピュータ利用に
  ・仕事での有用なツール と 個人で有用なツール
  ・大手企業の業務効率化ツール と 中小企業での業務改善ツール
と云った区別がなくなり、適用範囲が限定されない広く浸透するツールとなってしまった。 とは言え、洗濯機や冷蔵庫の様に安易に使いこなせるものでもない。
 
 コンピュータやネットワークを使用して何を実現することが目的なのだろうか。

 個人であれ、企業であれ、
  ・本当に有用に活用されているのか
  ・目的達成に寄与しているのか
を、今一度問い掛けるべき時期にきているのではないだろうか。
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