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このたび習作歌集「猫と暮らせば」を上梓いたしました。私家版で第一段の発送をいたしました。まだ20部ほどありますので、ご希望の方には送料300円ほどで贈らせていただきます。お申し込みは下記のめーるアドレスの☆を@マークに替えて、メールをしてください。ご案内メールをさしあげます。通販はしない予定で居ります。よろしくお願いします。       tanuko☆mbx.kokage.cc
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2017/7/21

「ダフニスとクロエ」と「毎日歌壇掲載」  毎日歌壇他

前振りとして「ダフニスとクロエ」の話を少し。ギリシャの古い物語(ロンゴス作と言われる)にラベルが作曲してバレエ音楽に仕上げたものだけれど、それはエーゲ海のレスボス島の若者の恋愛成就物語であった。

ダフニスは山羊飼いに育てられて山羊飼いに、クロエは羊飼いに拾われて育てられる。二人は若さゆえの無知や島の人々の掟などで恋し合いながら、中々結ばれないが、最後にはハッピーエンドとなる。私の記憶にあるのは昔見たギリシャ映画「春の目覚め」の美しい風景とその曲で、映画は反対に悲劇としてラストに白鳥の屍骸が浜に横たわっていたのが印象的であった。
三島由紀夫は「ダフニスとクロエ」に材を取り「潮騒」を書いたと言われ、結末はハッピーエンドであった。「潮騒」の映画化も何度かあって伊勢の海も美しかったが、白黒映画のエーゲ海の「春の目覚め」にはより清潔なエロスと恋愛の根源のような残酷さが有って、少年と少女の未成熟な美しさを海の中の風景に描き切っていた。

6月10日付「毎日歌壇」で米川千嘉子選に採って頂きました。

潮風のホテルにひとり聞いている若き日の恋「ダフニスとクロエ」   河野多香子

上の話の「ダフニスとクロエ」を下敷きにして、夏の海辺のどこかホテルのテラスレストランのような所で、曲を聞いているそんな設定に「昔の恋」を重ねた歌でしたが、本当は少年少女のような純粋な恋だったのかどうか。でも選者と「映画」や「名曲」が共有できるかは運のような物なので、その点が採って貰えて嬉しい所です。ありがとうございました。
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2017/7/14

秀歌(70)川野里子「角川短歌」31首より  秀歌読みましょう

私達の掲示板「風」の仲間うちで松本のかたが「日本農業新聞」の川野里子選の「日農歌壇」で長い事選を受けて、昨年度は「年間大賞」に選ばれたというお目出度い話が有った。それでいつか「秀歌」に書いてみたいと思っていたのだけど、丁度「角川短歌」五月号にこれまた板の管理人の出身地紀州のお歌が載っていたので、これがいいと思った次第。
川野里子さんは大分県竹田市生まれの50代後半「かりん」編集委員で京都の短大卒業後千葉大の大学院で文学を学んだとある。「かりん」のかたたちは勉強家という印象がある。「葛原妙子賞」「牧水賞」など大きな受賞歴もあり、師匠にに聞くと「穏やかな出来た人」なのだそうだ。「角川短歌」五月号巻頭31首から八首をひく。

「海と熊楠」

不可思議の南紀白浜われを立たせてすべての砂粒かがやくところ

あざやかな鯨船(くじらぶね)いくつ隠すらむ照葉樹林にふくらむ岬

円月島に大穴ひとついちどだけ死ぬわたくしのために明るむ

西方浄土にたどりつきたる舟あるか難民の船に着く岸あらず

なにもかも手放しながら生きる母けふは入れ歯を失ひしとふ

いっしんに一人を待てる犬の瞳(め)のやうに静もる水平線よ

みつけゆく喜びぎらぎら光らせて熊楠ゆけり熊楠はひとり

海に触れ空に触れそしてわが投げし一片のパンにぶつかるカモメよ

紀州に行かれた時の歌なのか、重いテーマの歌も明るい。私の母も熊楠の家跡に行ってきたが、とても感銘を受けたような事を言っていた。熊楠に興味を持つ人は多いけど、あの粘菌は私は苦手だ。
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