2017/7/14

秀歌(70)川野里子「角川短歌」31首より  秀歌読みましょう

私達の掲示板「風」の仲間うちで松本のかたが「日本農業新聞」の川野里子選の「日農歌壇」で長い事選を受けて、昨年度は「年間大賞」に選ばれたというお目出度い話が有った。それでいつか「秀歌」に書いてみたいと思っていたのだけど、丁度「角川短歌」五月号にこれまた板の管理人の出身地紀州のお歌が載っていたので、これがいいと思った次第。
川野里子さんは大分県竹田市生まれの50代後半「かりん」編集委員で京都の短大卒業後千葉大の大学院で文学を学んだとある。「かりん」のかたたちは勉強家という印象がある。「葛原妙子賞」「牧水賞」など大きな受賞歴もあり、師匠にに聞くと「穏やかな出来た人」なのだそうだ。「角川短歌」五月号巻頭31首から八首をひく。

「海と熊楠」

不可思議の南紀白浜われを立たせてすべての砂粒かがやくところ

あざやかな鯨船(くじらぶね)いくつ隠すらむ照葉樹林にふくらむ岬

円月島に大穴ひとついちどだけ死ぬわたくしのために明るむ

西方浄土にたどりつきたる舟あるか難民の船に着く岸あらず

なにもかも手放しながら生きる母けふは入れ歯を失ひしとふ

いっしんに一人を待てる犬の瞳(め)のやうに静もる水平線よ

みつけゆく喜びぎらぎら光らせて熊楠ゆけり熊楠はひとり

海に触れ空に触れそしてわが投げし一片のパンにぶつかるカモメよ

紀州に行かれた時の歌なのか、重いテーマの歌も明るい。私の母も熊楠の家跡に行ってきたが、とても感銘を受けたような事を言っていた。熊楠に興味を持つ人は多いけど、あの粘菌は私は苦手だ。
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