2017/7/21

「ダフニスとクロエ」と「毎日歌壇掲載」  毎日歌壇他

前振りとして「ダフニスとクロエ」の話を少し。ギリシャの古い物語(ロンゴス作と言われる)にラベルが作曲してバレエ音楽に仕上げたものだけれど、それはエーゲ海のレスボス島の若者の恋愛成就物語であった。

ダフニスは山羊飼いに育てられて山羊飼いに、クロエは羊飼いに拾われて育てられる。二人は若さゆえの無知や島の人々の掟などで恋し合いながら、中々結ばれないが、最後にはハッピーエンドとなる。私の記憶にあるのは昔見たギリシャ映画「春の目覚め」の美しい風景とその曲で、映画は反対に悲劇としてラストに白鳥の屍骸が浜に横たわっていたのが印象的であった。
三島由紀夫は「ダフニスとクロエ」に材を取り「潮騒」を書いたと言われ、結末はハッピーエンドであった。「潮騒」の映画化も何度かあって伊勢の海も美しかったが、白黒映画のエーゲ海の「春の目覚め」にはより清潔なエロスと恋愛の根源のような残酷さが有って、少年と少女の未成熟な美しさを海の中の風景に描き切っていた。

6月10日付「毎日歌壇」で米川千嘉子選に採って頂きました。

潮風のホテルにひとり聞いている若き日の恋「ダフニスとクロエ」   河野多香子

上の話の「ダフニスとクロエ」を下敷きにして、夏の海辺のどこかホテルのテラスレストランのような所で、曲を聞いているそんな設定に「昔の恋」を重ねた歌でしたが、本当は少年少女のような純粋な恋だったのかどうか。でも選者と「映画」や「名曲」が共有できるかは運のような物なので、その点が採って貰えて嬉しい所です。ありがとうございました。
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