2017/8/11

大原の太巻き  短歌

近頃も作られているのか、一時太巻きの断面が華麗な模様になっているものをテレビなどで紹介していた。花や、パンダなどの柄で金太郎あめのようにどこを切っても、というもので、太さも直径五センチから十センチもあったように思う。この頃は節分に恵方巻きなどといって、一本丸かじりなどと行事のように言うが、それとは違う房州から常陸のほうのお盆や晴れの日の御馳走であったように思う。

我が家ははじめ内房に別荘があったが、あとから外房に買い替えて、そちらに行ってから太巻きを見かけるようになった。テレビでは「大原」の郷土料理として紹介されていたが、土地に知り合いがいなかったので、お店屋さんの店頭でお弁当として売られている太巻きの美味しさに魅せられたものだった。

常陸もと思ったのは、私の祖父が隠居して再婚した人が常陸の出だったからだ。その人は「太巻き」が得意で家へも御裾分けで到来した。とても美味しいのだけど、海苔を二枚繋げて巻くのがこつという直径七センチほどのお寿司は、夕飯にしてもお腹に溜まってそうは食べられなかった。

あれは何年ごろか、帝劇で「風と共に去りぬ」を上演するのに、本当の馬が出るのだそうだと祖父が切符を取って、皆を招待してくれたことがあった。ウィキで調べると1966年有馬稲子、那智わたるダブル主演で、どちらを見たのかは覚えていない。我が家から帝劇は近いが、祖父たちは柏にアパートを建てて住んでいたからかなり遠いのに、彼女は張り切ってみんなの分の太巻きを拵えて来てくれた。幕間に食堂へ行くのも観劇の楽しみではあるけれど、たいてい慌ただしいので、その時はその太巻きがとても美味しかったのを覚えている。

海苔二枚繋げて作る太巻きのパンダの顔がウインクしている  多香子
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