2013/5/3

最大級の高難度コンテンツ「メナスインスペクター」 ボスは倒せずとも  

4Gamer:
 では,新コンテンツ「メナスインスペクター」についても教えてください。

岩上氏:
 はい。メナスは,地下空洞と呼ばれるダドラクエ10ンジョンエリアと,その入口があるフィールドエリアの二つの場所で戦闘を行うバトルコンテンツです。
 フィールドエリアでは,地下空洞に出現するボスモンスター以外のNM(ノートリアスモンスター)を特定のアイテムで呼び出して戦闘できます。そのNMを倒すことで,地下空洞でのバトルを有利に進める準備ができます。
 ですので,遊び方としては,地下空洞にいきなり挑むこともできますが,フィールドエリアでNMを倒して準備を進めて,週末などにみんなで力を合わせて地下空洞のボスを目指すといった感じですね。

4Gamer:
 NMを倒すことで,どう有利になるんでしょうか。

岩上氏:
 地下空洞では,フィールドエリアに登場するNMと同じモンスターが出てくるんですが,フィールドエリアでは単体だったNMが,地下空洞ではチームを組んでやってくるんですよ。だから前もってフィールドエリアで戦って強さや戦い方を確認して,地下空洞での戦闘をシミュレーションとして遊んでもらえればと思います。

4Gamer:
 なるほど,そこで敵の属性を確認しておけば有利に進めそうですね。

伊藤氏:
 それだけではなくて,実はフィールドエリアでNMを倒しておくと,地下空洞で出現させないNMを最大3体まで任意で選ぶことができます。ですので,先にフィールドエリアでNMの戦力を割いて,地下空洞で残りの戦力を叩く感じです。

4Gamer:
 とすると,倒しやすいNMは残しておいて,苦手な相手を単体のときに倒しておけばいいわけですか。

岩上氏:
 そうです。例えば魔法のダメージが優秀なパーティだったら,魔法に弱いNMを残して,魔法に強いNMは1匹ずつフィールドで倒しておくわけです。

伊藤氏:
 18人というアライアンスコンテンツだと,魔法アタッカーで固めて一気に叩こうという戦略が多いと思います。ですがメナスで登場するモンスターの中には,魔法が通じないNMもいるので,魔法ジョブで固めたいなら,先にそれを攻略しておくとか,パーティごとにまったく異なる多くの選択肢があります。

4Gamer:
 それを知らずにいきなり地下空洞に挑むと,かなり厳しい戦いになりそうです。メナス自体の難度としては,どれくらいのものなんですか。

岩上氏:
 史上最大級です。その分,手に入る報酬も最大級なので,挑戦する価値はあると思いますよ。




松井氏:
 最大級ではありますが,NMと最後のボスモンスターとでは想定している難度に段差を付けていますし,NMのパーティにも数段階の難度があります。

4Gamer:
 最大級のなかにも,難度が分けてあるんですね。

松井氏:
 なぜかというと,メナスではNMを倒した時点で何らかの報酬がもらえますが,自分達のパーティで倒せる段階のNMから入手することで,プレイヤーキャラクターが徐々に強くなっていって,装備が揃ったらボスモンスターに挑戦できるという難度を考えているんです。

4Gamer:
 勝てそうなNMからドロップ品を集めて,次の段階へという感じなんですね。フィールドエリアと地下空洞とでは,得られるドロップ品は変わるんですか。

岩上氏:
 いえ,フィールドエリアと地下空洞に出現するNMは,先ほどの説明どおり同じで,得られる報酬もNMごとに同じなんです。ですから,フィールドエリアで装備品を入手して,さらに装備品を強化してから,地下空洞に挑むというのが遊び方になると思います。ただ地下空洞は,最大6体のNMパーティだったりボスモンスターだったりするので,ドロップ率は良くしています。

4Gamer:
 この装備の強化というのは,メナス特有の要素なんでしょうか。


岩上氏:
 そうなります。メナス関連のモンスターを倒すと,「メナスプラズム」というポイントが入手できます。そのポイントで交換できる「エアリキッド」を使って,メナスで入手した装備品を強化できます。

4Gamer:
 ただNMを倒すだけではなくて,ポイントを集めるという要素もあるんですね。

岩上氏:
 このポイントは,モンスターを倒していくごとにボーナスが入るという要素を入れているので,モンスターが多い地下空洞のほうが集めやすいと思います。

伊藤氏:
 さらに,メナスプラズムで装備品が交換できるんですよ。

4Gamer:
 お? それはNMからのドロップ品と同じものなんでしょうか。

岩上氏:
 同じものです。

伊藤氏:
 同じ装備品がドロップとポイントの両方で手に入るというのは,これまでのFFXIではなかったものですよね。普通はNMを倒すという目的のために,その装備を手に入れるという導線を残しておくんですが,今回は溜まっていくメナスプラズムの報酬として用意しています。

4Gamer:
 とにかくメナスに参加していれば,いつかはちゃんと装備品が手に入るんですね。

伊藤氏:
 そうなります。メナスは,遊んでいくうちに徐々に強くなっていくというところに重きが置かれたシステムなんです。これまでだとコツコツとやっていても,運によって手に入らないものは,絶対に手に入らないものが多かったですから。

4Gamer:
 ちなみにメナスプラズムは,1回のメナス挑戦ごとではなくて,挑戦が終わったあとにも溜めておけるものなんですか。

岩上氏:
 はい。溜めておけます。

4Gamer:
 そうするとボスモンスターを倒せなくても結果が残るわけですから,何度でも挑戦のしがいがありますね。

岩上氏:
 はい。メナスに出現するモンスターからは,メナスプラズムと装備と強化アイテムが入手できるので,次に挑戦するときは今より強くなった状態で挑戦できます。そして徐々にプレイヤーが強くなって,いずれはボスモンスターを倒していただきたいです。

4Gamer:
 アイテムを手に入れたらそのコンテンツは終わり……ではなくて,そこからアイテムを成長させるために,繰り返し挑戦するという形なんですね。

伊藤氏:
 「スカーム」では,装備品の性能がランダムだから,挑戦を繰り返すというコンテンツになっています。メナスの装備品に似ているのは「メイジャンの試練」で,対象のアイテムを装備して試練をクリアすると性能が次の段階に進むというものでした。このメナスは,こうしたコンテンツの良いとこ取りなんですよ。ほかの装備品を着ていても,溜めたポイントで別の装備品を育てられるし,性能も自分で選べます。

4Gamer:
 選択というのは,プレイヤーが任意で成長の方向性を選べるんですか。それとも強化アイテムの種類によって変わるのでしょうか。

岩上氏:
 最初の強化で,3種類から方向性を選べます。さらにエリアリキッドを使うことで成長ランクを伸ばし,より強化していけます。





4Gamer:
 発表された情報では,装備品にRare属性(1キャラクターにつき1個のみ所有できる)が付いてますよね。途中でやっぱりこっちの方向が良かった! ということで,装備の成長ランクをリセットしたくなるかもしれないですが。

岩上氏:
 一番最初の状態には戻りますが,リセットできますよ。

4Gamer:
 それなら,安心して強化できますね。それにしても,報酬の入手方法については,高難度コンテンツの割に親切という感じがします。

松井氏:
 そうですね。というのも,いまのFFXIで18人のアライアンスを要求するシステムは,人数を集めるという意味でチャレンジすぎると思うんですよ。そのうえでレア品を手に入れて終わりでは,得た人はもうそのコンテンツに用がなくなります。

4Gamer:
 ああ,そうなると参加者の募集が難しくなドラクエ10 gってきますね……。

松井氏:
 そういうことを考えて,突然ドロップして手に入る運のいい人もいますが,それからまたこのコンテンツで戦い続けて,どんどん強くしていくというものにしたかったんです。

4Gamer:
 ところで,このコンテンツは最大18人ということですが,逆に最低何人くらいいれば戦えるんでしょう。

松井氏:
 目的によって変わってくるとは思うのですが,例えば,最後に待ち受けるボスモンスターを攻略するならば18人いないと難しいかもしれません

岩上氏:
 コツコツとポイントをためるためなら6人でも挑戦できますし,慣れれば……地下空洞でも下の難度から2段くらいのNMは,2パーティ(12人)くらいで攻略できると思います。

松井氏:
 ただ,制限時間が短いというのもあって,それを考えると人数をしっかり揃えたいところなんですよ。

4Gamer:
 時間を考えると火力は揃えておきたいですよね。ところで,メナスプラズムで得られる装備品は,登場するNMから得られるものと同じとのことですが,今後,新たな装備品がメナスに追加されることはあるんですか。

岩上氏:
 それは,メナス2があるのかというご質問ですか?

4Gamer:
 お,2があるんですか?

伊藤氏:
 メナスもスカームもバージョンアップを重ねて,メナス2といった感じに拡張され,高レベル版として登場するんですよ。
 スカームもまた,次に開放されるエリアでは,第1弾よりも高レベルなものとして追加されて,徐々にコンテンツレベルが上がっていきます。
 メナスもそうですが,対象レベルの低いコンテンツで装備を整えて,この階段を上っていかなければなりません。ただ,メナス2になったときに,メナスプラズムが同じ価値として使えるかどうかは検討しています。

岩上氏:
 メナスプラズム2になったり,桁が大きくなったりするかもしれません。


特別な11周年を祝うイベント企画を計画中

4Gamer:
 さて,最後に今後のFFXIについてもお聞きしたいのですが,そろそろヴァナフェスのお話も出てきそうですか。

松井氏:
 ヴァナフェスに関しては未定ですが,今年はFFXIの11周年になりますよね。ほかのゲームではともかく,FFXIでは“めでたい年”なので,何かをしたいと思っています。ただ,それが昨年のようなスタイルになるかは未定です。例えば,この日とかそういうものを決めないで,毎月11日などに何かを行うような,11年丸々全部を祝ってしまおうという計画も立てているところなんですよ。

4Gamer:
 大きな会場で開催とかではない可能性があるんですね。

伊藤氏:
 今回も会場を借りて行うイベントを開催する可能性はありますが,1日限定でというイベントをやると,海外もそうですが,参加できないプレイヤーさんも大勢います。だったら,それを1回やるだけではなく,みんなに楽しんでもらえるような内容を検討したいですね。

4Gamer:
 なるほど。どんなイベントになるのか,楽しみにしています。では,最後に4Gamer読者へコメントをお願いします。

伊藤氏:
 アドゥリンの発売までには,いろいろな制限を取り除く必要がありました。例えばマップの追加一つにしても,10年前に決められていた上限をなかなか突破できなかったんです。ですから,実際にアビセアが終わったころには,もうマップは拡張できないねという話をしていました。
 ですがプログラマと相談して,具体的なことは説明できませんが,ここのワークは別のものに置き換えてといった感じでやり取りしたんです。最終的に「全部をそうする覚悟があるなら,それでいくよ?」と言われて。

4Gamer:
 選択に迫られたと。とくにPS2版を考えれば,何もかもを見直す必要がありそうです。

伊藤氏:
 そうですね。ですが,「その覚悟があるからやってくれ」と返答しました。というのも,田中さん(元スクウェア・エニックス 田中弘道氏)から,なんとか拡張できるように,みんなと折り合いを付けてくれと強く言われていたんです。そして,なんとか拡張にこぎ着けられました。拡張できるようになったら,アドゥリンを企画して,いろいろなところに協力を要請して,かなりのハイペースで開発を進めたんです。
 このように,開発者としていろいろなセクションで限界突破をしないと完成できなかった作品になりました。だからこそ,苦ドラゴンクエスト10労の末に生み出した,愛せる作品になったと思います。プレイヤーの皆さんには,そんな苦労もしてたのか,くらいに思っていただけるとありがたいです。

岩上氏:
 メナスインスペクターも,変に制限して繰り返し遊んでもらうスタイルではなく,楽しんでいればどんどん強くなる,失敗してもいまより前に進めるというものを考えて作ったコンテンツです。いっぱい遊んで開拓してもらえればと思います。

伊藤氏:
 また,すぐにモンスタープレイング(仮)を作らなきゃね。

岩上氏:
 そうです。モンスタープレイング(仮)が待っています。

4Gamer:
 期待しています。

谷口氏:
 今回は新ジョブの設計をさせていただきましたが,既存のジョブに関しては,もちろんこれから調整していきますので,いろいろご意見をいただければと思います。新ジョブの二つに関してはまだまだスタート地点に立ったばかりなので,ほかのジョブと見比べつつ,みなさんの様子を見つつ,調整していきますので,よろしくお願いします。

松井氏:
 アドゥリンが立ち上がったときには,まだこのチームにいなかったんですが,半年前にこちらに戻ってきました。プロデューサー業務が慣れていないところでしたので,サポートというのは変ですが,新しいコンテンツ/要素からお手伝いさせてもらいました。最後にモンスターの技の実装をさせてもらったのも楽しかったですね。

伊藤氏:
 人手が足りなすぎて,松井さんにもやってもらったんですよ(笑)。

4Gamer:
 えーと,確か松井さんはプロデューサーでしたよね(笑)。

松井氏:
 バトルバランスについては,伊藤からもっと口出ししていいと言われているので(笑)。今後は谷口を鍛えつつ,二人三脚でやっていこうと思います。これまではリソースがほとんどアドゥリンに向かっていました。そのため,手を入れたい既存のコンテンツ/エリアが後回しになっていましたが,これからどんどんやっていきますので,よろしくお願いします。
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2013/5/3

「ファイナルファンタジーXI」に追加実装される新コンテンツ「メナスインスペクター」とは(1)  

 2013年3月27日に発売された,MMORPG「ファイナルファンタジーXI」(PC / PS2 / Xbox 360)の最新拡張ディスク「アドゥリンDQ10の魔境」(PC / PS2 / Xbox 360)。実に約6年ぶりというこの拡張ディスクでは,「魔導剣士」「風水士」といったプレイヤー待望の新ジョブが追加されたことを始め,高難度の新規コンテンツが登場し,プレイヤーの挑戦を待ち構えている。

高難度コンテンツ「メナスインスペクター」


 さて,発売からおよそ1か月が経過し,4月30日に「メナスインスペクター」という新コンテンツが実装された(関連記事)。本作の開発スタッフが「史上最大級の難度」と話すこの最新コンテンツはどんなものなのか。本作のプロデューサーを務める松井聡彦氏を始め,ディレクターの伊藤泉貴氏,プランナーの谷口 勝氏,岩上亮太氏に「アドゥリンの魔境」発売以降の反響を聞きつつ,教えてもらった。

「ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境」公式サイト
「ファイナルファンタジーXI」公式サイト


PS2版の初回出荷分が売り切れる事態も
約6年ぶりの拡張ディスクで大変だったこととは?

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。拡張データディスク第5弾「アドゥリンの魔境」の発売前にも,松井さんと谷口さんにインタビューしましたが(関連記事),今回2人を加えて4人ということで,改めて紹介をお願いします。

松井聡彦氏
松井氏:
 分かりました。「ファイナルファンタジーXI(以下,FFXI)」プロデューサーの松井です。前回と繰り返しになりますが,昨年の9月からはFFXIのプロデューサーと新生FFXIVの開発を兼任していました。今年に入ってからは,ほぼFFXIのプロデュース業務を主に担当しています。

谷口氏:
 主にジョブ関連の調整や新ジョブの設計などを行っている,プランナーの谷口です。FFXIの開発に関わったのは,アルタナの神兵からで,そのときは,モンスターの配置だったり,コンテンツの一部を作成しました。

岩上氏:
 2010年の4月にスクウェア・エニックスに入社した岩上です。入社後にFFXIに配属されて,バトルコンテンツの制作やモンスターの挙動を作っています。

伊藤氏:
 あれ,そこから始まるんだ?(笑)

一同:(笑)

岩上氏:
 えーと,これまでは「ヴォイドウォッチ」や「レギオン」といったコンテンツを担当していました。そして現在は,4月30日に公開予定の新コンテンツ「メナスインスペクター」(以下,メナス)と,今後導入予定の「モンスタープレイング(仮)」を開発しています。

4Gamer:
 2010年入社で,いきなりFFXIのコンテンツを任されたわけですか。メナスについては,のちほど教えてください。

伊藤氏:
 ディレクターの伊藤です。私は10年くらい前にスクウェア・エニックスに入社しまして……。

4Gamer:
 流れに乗っかった(笑)!

伊藤泉貴氏
伊藤氏:
 乗ってみました(笑)。2010年に「禁断の地アビセア」の制作が終わった当時,松井がFFXIのディレクターをされていましたが,同年の末にディレクターを引き継ぎました(関連記事)。

4Gamer:
 ちょうどFFXIVの運営刷新が発表されて,松井さんが同作のリードバトルプランナーに就かれたときですね(関連記事)。

伊藤氏:
 はい。それ以降,これまでFFXIのディレDQ10クターをやっています。

4Gamer:
 では,拡張ディスク「アドゥリンの魔境」が先月3月27日に発売されましたが,感触はいかがでしょうか。

松井氏:
 感触と言いますか,今回は拡張ディスクを出すということが,いかに大変かを思い知りましたね。

4Gamer:
 と,言いますと。

松井氏:
 拡張ディスクを出すときには,いろいろやることがあるんですよ。だけど約6年ぶりの拡張ディスクということもあって,久しぶりにやらなければならないことが,かなり多くありまして。しかも,3リージョン同時にPS2版,PC版,Xbox 360版を出すという大変さもありましたし。

伊藤氏:
 このときまでに,ここまで進めておかないといけないという,発売までのスケジュールがありますが,まずは当時の記憶を思い起こすことに苦労しました。いつまでにディスクを生産して,このときまでにダウンロード用のデータを用意するといった,拡張ディスク発売までの流れを再確認する必要があったんです。

4Gamer:
 確かに6年というと,染みついていたスケジュール感も薄れてしまうかも……。

伊藤氏:
 ディスク生産の締め切りが,実は2か月早かっただとか,考えていたスケジュールよりも早い締め切りがトントントンと出現したりだとか。なんとか締め切りの交渉をしましたが,これは大変でした。

谷口 勝氏
谷口氏:
 ほかのタイトルでも,最後のFIXデータを作るときには時間に追われることがありますが,今回はそこに向かっていたらローカライズ的な締め切りも次々に出てきて。となると,もっと前にこれをやって,その前にこれを……と締め切りに追われながらの作業になりましたから。

4Gamer:
 ああ,ドミノ倒し的にズレていきますよね。原稿の締め切りだったり,校了の締め切りだったり……,想像するだに怖いです。話を戻しますが,日本ではいまおっしゃった通り,PS2版のパッケージも発売されました。

松井氏:
 PS2最後のソフトになるのではないかと言われてますね。

4Gamer:
 ああ,その話はよく聞きますね。しかし,話によるとその初回出荷分(およそ1万本)が,すぐに売り切れたとか。

伊藤氏:
 はい。PS2版の売り切れに関しては,ご迷惑をおかけしました。数日後に再出荷できるように調整をしまして,品切れは解消しているのですが。

4Gamer:
 正直なところ,それだけのプレイヤーがPS2で遊んでいるというのは,ちょっと意外でした。当然ですが,拡張ディスクは実際にプレイしていない人が買うものではないですから。
 しかし,さすがに6年前と比べて,遊んでいるプラットフォームには動きがあると思うんですが,実際のところどうなんでしょう。

伊藤氏:
 うーん,PS2をメインで遊ぶプレイヤーというのはさすがに減少していますが,プラットフォーム全体で見ると割合は,そんなに変わっていないんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 PCとPS2の両方で遊んでいるというプドラゴンクエスト10 rmtレイヤーはいそうですね。では,その「アドゥリンの魔境」ですが,発売から1か月が経過して,プレイヤーからはどんな反応や意見が出ているのでしょうか。

松井氏:
 反応という意味では,あらかじめ予想していた通りのものもあれば,予想だにしなかったものもありますね。例えば,最初に新ジョブを入手して,追加クエストを体験して,次に魔境の「開拓」に進むかなと想定していたら,モンスターを倒すことに,プレイヤーが流れてしまいまして。

4Gamer:
 モンスターを倒すことというのは,アドゥリンの魔境発売と同時に導入済みの「スカーム」のことですか。

松井氏:
 そうです。スカームについては,トリガーアイテムの入手について,想定していた動きとは大きく差が付いてしまいました。

4Gamer:
 それだけ差が生まれた理由はなぜなんでしょう。

伊藤氏:
 スカームは,そこに入るためのスタチューセグメントを集める必要があるんですが,それをうまく集められたワールドと,あまりにも出なくて諦めたワールド……という感じだと思います。





4Gamer:
 それは,単に運が左右したから……というわけではないですよね。

伊藤氏:
 実はスタチューって,そのワールドで人気のあることをみんながやっていると出づらくなるんですよ。

4Gamer:
 システム的な,何かがあると。

伊藤氏:
 はい。例えば,このエリアから伐採でスタチューが出るという設定がされたとき,誰かが伐採でそれを取らないと,次の設定がされないので,流出先が増えません。


4Gamer:
 なるほど,1ワールドで1度に出現するスタチューの数が決まっているんですね。伐採で誰も取らないから,その分がほかで出現しない。

伊藤氏:
 そうなんです。

4Gamer:
 ワールド内のプレイヤーが,いろいろな行動をしないと,いつまでも出現数が増えないわけだ……。

伊藤氏:
 でも,こういうことをやったらスタチューが出たという情報があったら,みんながその場所に行ってしまって。実際は,スタチューが出たら,次は絶対に違う場所に設定にされるので,そこに集まっても出ないんですよ。

4Gamer:
 ああ……そのプレイヤーの気持ちはすごく分かります。やっぱり何かしらレアなものが“そこで”出たと聞いたら,その場所に行きたくなりますから。たぶん自分もまっしぐらだったと思います(笑)。

伊藤氏:
 ただ,最近になってこれがある程度浸透してきたのか,スタチューの出現数がグッと増えてきたんです。

4Gamer:
 プレイヤーの研究が進んできたんですかね。

伊藤氏:
 どうでしょうね。正解を導き出してそうしているのか,ほかの人を出し抜こうとしてほかの行動を選んだ人が多いのかは分からないのですが。ともあれ,流出量は上がっているので,これが続けばもっとスカームに行く人も増えていくと思います。

4Gamer:
 なるほど。でも,これって書いちゃってもいいんですか?

伊藤氏:
 はい。なんだか都市伝説みたいになっちゃってるので,バレてもいいということでお話しています。





プレイヤーは新ジョブをどう見たのか。
忙しさが増す魔導剣士。風水士には意外な意見が

4Gamer:
 では,新たに追加されたジョブ「魔導剣士」「風水士」に関しては,プレイヤーからの反応はどんな感じでしょう。

谷口氏:
 やはり強い弱いが多いですね。

4Gamer:
 分かりやすい反応ですね……。

谷口氏:
 ほかのジョブと違って,スタート地点に立ったところで,メリットポイントだったり,そのジョブに特化した装備品だったりが手に入っていない状態ですから。

4Gamer:
 なるほど,それはそうですね。つまり現状だと,素の強さを体験している段階でしかないわけですし。

谷口氏:
 そうなんですよ。やはりほかのジョブと比較すると,まだ整っているとは言えませんから。これから装備を揃えて,メリットポイントのカテゴリー1と2を追加していって,ようやくほかのジョブと立場がイコールになるという感じですね。
 ただこの場で話しておきたいのですが,弱いところを全部,装備品やメリットポイントで補うというつもりはありません。魔導剣士であれば,魔導剣士として基本的性能として持っておくべきというところはそのように調整していきます。

4Gamer:
 とはいえ,新ジョブ用の装備は期待されていると思いますよ。

谷口氏:
 導入時点でも,結構入ってますよ。ただ魔導剣士は,防御面に長けたジョブにしていきます。そのため武器は防御寄りのスペックになるんですが,基本的に両手武器を振るので,その火力に目がいくみたいなんですよ。そこに意識の差があると思っています。

松井氏:
 谷口君がダメージを入れて敵対心を取ってください! と言ったから,みんなダメージを入れたくて仕方なくなったんだよね(笑)。

一同:(笑)。



4Gamer:
 いっそのこと,火力に特化させるという道はないんですか。

谷口氏:
 いや,それはダメなんです。そうすると,あっという間に強さがトップになっちゃうんですよ。ですので,しっかりとバランスを見つつ調整していきます。

4Gamer:
 分かりました。そういえば,魔導剣士について前回のインタビューで「全ジョブ中でもっとも忙しい」という取材時の感触をお話しましたよね。

谷口氏:
 次の調整で,もっと忙しくなります。ただ,確かに忙しいジョブなんですが,いまのプレイヤーさんにはそうではなかったみたいですね。

4Gamer:
 慣れだったり,経験だったりの差でしょうか。

谷口氏:
 魔導剣士が忙しいのは,状況判断の難しさがあるからなんですが,それは雑魚戦だけでは味わえなくて。ですから,NMなり強敵と戦うと忙しさが実感できると思います。

伊藤氏:
 メナスは,かなり大変なんじゃない?

谷口氏:
 ええ,相当忙しいと思います。

4Gamer:
 その,忙しさの違いは何から来るものですか。

伊藤氏:
 要するに,敵が複数体いたとしても,属性が1種類なら魔導剣士は簡単に対応できるんですよ。ですが,メナスでは複数の属性を持つモンスターが出るので……。

4Gamer:
 属性に対応するアビリティを,相手に合わせてその都度,うまく切り替える必要が出てくる……わけですね。

谷口氏:
 そうです。その一方で,アビリティのリキャストタイムが長いというデメリットがありましたが,このリキャストタイムを短くして,より状況判断がしやすくなります。もっと忙しくなるというのは,これが理由ですね。
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