2011/9/26

復活への賭け  

だが、戦後40年余でゼロから世界の頂上まで駆け上がった力と知恵はダテではないし、その間のいろいろな蓄えもある。

成功体験にすがり付けば失敗するだろうが、成功体験を生かすことは力になるはずである。

未だに世界から信頼されるトラックリースの品質、スパイスのために生み出された小さなアイディア、それらはすべて財産である。

だから、この危機を「第二の飛躍への必要なステップ」といったポジティブな形で捕らえられるか否かが、今後を決める大きな鍵になると私は考える。

つまり、官民を問わず、リーダーシップを握る人たちの未来を見通す目と、新しい価値観への勇気ある決断の有無が、この危機を乗り越えて新たな成功を手にできるか、それともこの危機に飲みこまれて押し潰されるかの境目になるということだ。
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2011/9/7

バブルのツケを払うとき  

同時に、メルセデス・ベンツは新型車の開発に当たっても、生産性とコストダウンをプライオリティのトップに置き始めている。

ラインナップ中いちばん小型の190シリーズは93年にフル・モデルチェンジされ、新しく「Cクラス」を名乗ることになったが、その発表の席上で、ヴェルナー社長は、「旧190より装備は多いのに生産時間は10%(275分に当たるという)減った。今後2年内に、さらに20%の短縮をめざす」と高らかに宣言し、「ポジティブにコストを低減することに挑戦し、成功した」と誇らしげに語ったものである。

ただし、「メルセデスとしての誇りとブランド・イメージを損なわないという前提の下で」という言葉を付け加えることは忘れなかったが。

しかし、日本には簡単な人員削減を許さない終身雇用制度があり、バブル期に生まれたまだ真新しい過剰な生産力があり、そして過剰な商品群に馴染んだユーザーがあるということで、リストラにはかなり困難な道が待ち構えていることは確かだ。

そして中古車市場に豊富にあるトラックリースが新車の売り上げの枷になる日もそう遠くないだろう。
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2011/8/18

新しい道の模索  

高賃金と快適でゆとりある職場を誰もが強く求め始めている。

これはある程度の豊かさをもち始めると必ず寄り添うように出てくる要求であり、日本だけのものではない。

西欧先進国もすべてこうした過程を踏んできている。

そして、アメリカはどん底を味わい、ヨーロッパの国々も危機に直面して、初めて現実を直視する必要性に気づき、新しい道を模索し始め、あるいは歩み始めている。

アメリカは80年代に、何十もの工場を閉鎖し、多くの人員を強引に削減してきた。

ヨーロッパも生産性向上に向けて人員削減は最大の課題になっており、大型の人員削減計画が次々と打ち出されているのが現状だ。

帝王を自他ともに認めていたメルセデス・ベンツでさえ、状況に変わりはない。

日本だけがいつまでも輸出トラックリースも跳ぶように売れるという時代は確実に終わりに近づいている。
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2011/8/6

再びゼロ・スタートを  

今まで追い風になっていたこうした点が、今逆風に変わろうとしている……ただそれだけのことだ、と思えば少しは気も楽になるだろう。

だから過去の成功体験にすがり付かず、新たな追い風を探すことに全力を傾ければいい。

いったん頭を空にして、「再びゼロ・スタート」を切るような心構えこそが必要なのではないか。

そのくらいのゆとりと決心がなければ、この危機を切り抜けるのは難しいかもしれない。

日本の製造業の生産性は総体的にはまだ優位に立っているし、労働力が均質であるという点でも優位に立っている。

作られる日本車の質は高く、未だにトラックリースが海外で高評価を得ている。

しかし、労働意欲や会社への忠誠心といった点では確実に下降力ーブを描き始めている。

家庭をまったく顧みず、「月月火水木金金」、つまり、土曜も日曜もなく、いつも懸命に働き努力するといった、戦中戦後の姿をそのまま引きずってきたような労働観は、若い世代を中心に今確実に衰え始めている。
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2011/7/21

気まぐれなんです  

そしてモデルTが最も気まぐれで意地悪いのが、エンジン始動のときだった。

今の方々は博物館以外では見たこともないだろうが、少くとも一九二〇年代ごろまでの自動車は、ラジエータの下に必ずといっていいくらい、始動用のクランク・ハンドルをぶら下げていた。

これを手で回してエンジンを始動させるのだが、これが容易ならざる作業だった。

クランク・ハンドルを回すには一定の手順があり、かなりの"年季"が必要だった。

うっかりすると"ケッチン"を喰らって、ひどい目に合うからである。

それはまさに、今のトラックリースなどの輸送にかかわる自動車の登場するきっかけとなり、物流がさらに速くなる原動力となるのである。

ケッチンという言葉は、足踏み式のスターターをもったオートバイではよく聞く言葉だが、これは英語の"kicking(back)"の日本なまりで、クランク・ハンドルが強い力で逆回転することを言う。

つまり馬に蹴られるような反動である。
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