2009/11/26

遊走腎  

遊走腎はどんな病気か

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 臥位(がい)(寝た姿勢)では正常の位置にある腎臓が、立位で2椎体(ついたい)(約10cm)以上下垂(かすい)する状態を指します。本症は内臓下垂の部分症状と考えられています(図3)。
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原因は何か
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 腎臓は腎線維被膜(じんせんいひまく)に包まれ、その外側に腎周囲脂肪からなる脂肪被膜があり、さらに外部を腎筋膜(ジェロタ筋膜)という膜がおおっています。この病気は、これら腎臓を支えている周囲の組織が弱いために生じます。
 立位では、肝臓など重量に富む臓器の荷重負荷がかかるなどのさまざまな要因から、右腎は左腎と比較して下垂しやすくなっています。腹壁筋の発達が悪くて緊張が低く、やせていて体脂肪の乏しい人では、簡単に腎臓は下垂する傾向にあります。


症状の現れ方
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 立位歩行や荷重などで、症状は持続または増悪します。臥位・座位などによりおさまる腰痛、側腹部痛、腰背部痛を訴えることが多く、その多くは鈍痛です。
 また血尿は、腹痛と並んで遊走腎でよくみられる症状で、通常は目に見えない顕微鏡的血尿が主体です。肉眼的血尿がみられることもありますが、血尿により貧血を生じることはありません。立位で背中を反る体位をとった時に、軽微な蛋白尿を認めることもあります。
 尿路症状として頻尿(ひんにょう)、残尿感、排尿痛、排尿困難、尿失禁など(尿路不定愁訴)を訴える人もいますが、遊走腎による特異的症状とはいえません。そのほか食欲不振、吐き気、下痢、便秘、胃部膨満感(ぼうまんかん)などを訴えることもあります。


検査と診断
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 臥位と座位における腎臓の触診と、静脈性尿路造影が診断の中心となり、臥位と立位での腎臓の位置を比較します。
 静脈性尿路造影では、立位負荷をかけた時の腎臓の下垂の程度に加えて、腎臓の回転、捻転、偏位および腎盂(じんう)・腎杯(じんぱい)の形態変化などを観察します。


治療の方法
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 遊走腎は、原則的に保存的治療を優先すべきで、重い病気ではなく、腎不全にはならないことなどを理解することが重要です。
 保存的治療としては、やせている人は腎周囲の脂肪を増加させ、腎臓の支持・補強を目的とする肥満療法が基本になります。また虚脱体質、食欲不振、内臓下垂などの典型的な「虚症(きょしょう)」を示す場合には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方製剤が用いられることもあります。
 同時に、理学療法として腹筋・背筋力強化のための運動療法を行うとともに、コルセットや腹帯などを用いて腹壁の緊張を保持します。
 遊走腎に対する単独の手術として腎固定術が行われることは、現在では極めてまれです。


遊走腎に気づいたらどうする

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 泌尿器科を受診し、専門医からこの病気について説明を受け、治療法に関して相談をしてください。

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2009/11/26

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