姿を見て彼は自分を落ち着かせる為かため息を吐く  

またしてもさっさと入っていくのかと思いきや、マルクスは扉を開けたままミレーヌに声を掛けてきた。

「なんだ、早く寝ろと言ったのが聞こえなかったか?それとも、そこで寝る気なのか?」
「い、いえ!そういうわけじゃあ…」
「だったら早くこっちへ来い!」

イライラした口調で大声を出したマルクスにミレーヌは肩をビクつかせた。
そんなミレーヌの姿を見て彼は自分を落ち着かせる為かため息を吐くと「疲れてるんだ…」と言いながらミレーヌに近づいてくる。

「俺と一緒に寝るのがそんなに嫌か?」
「え?」

彼は今なんと?
まさかそんな言葉が彼から出るとは思わなかったミレーヌは驚いた。
まさかそこまで心配してくれるとは思っていなかったミレーヌは彼の気遣いに頬を染めた。
だけど、次の彼の言葉で高揚した気持ちが一気に下がるのがわかった。


『もちろん王妃の問題が解決しだいこの婚約は解消するんだ。同じ部屋で過ごすのはその間だけだ』

寝る前にマルクスから言われた言葉。
それになんとか”はい”と答えたものの、ミレーヌはやり切れない思いで布団を顔まで上げると目を固く閉じた。
自分から偽りの婚約を望んだくせに、いざその立場になってみるともう後戻りは出来ないのだという事を思い知らされる。

あの後マルクスはさっさとベットの端へと潜り込むとミレーヌに背を向け、数分も経たずに寝息を立て寝てしまった。
実際は数メートルも離れていない所に居て、少しでも手を伸ばそうと思えば掴める距離にいても、心の距離はどんなに追いつこうと走って手を伸ばしたとしても届かないのだ。
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