その9/ビフォア・アフター(住宅リフォーム)
母が使っていた居間の住宅改修を行った。母が生前ベッドで暮らしていた畳敷きの部屋は、いまは父が一人で使っている。母の介護保険でトイレや風呂場の手すりの取り付け等の住宅改修は済んでいた。しかし、父もやがて身体の自由度が効かなくなる時が予測されるので、自分からリフォームを言い出した。リフォームでは、@畳敷きから洋間へ、A家具はクローゼット方式へ、B仏壇を安置するスペースの確保、を主たる目的で行った。工期は2週間だったが、極めて使い勝手のいい部屋に生まれ変わった。
<ビフォア> 畳と天井、側壁、押入れをすべて撤去して、洋風に作り変える。床の間だった位置に仏壇を置くことにして、そのためのスペースを最初から設計した。
<アフター> 中央に仏壇、下の棚は線香などの仏具、右側には飾り棚を作った。飾り棚の置物については検討中である。
<アフター> 飾り棚の横の障子はそのまま残し、塗り替えたら京都風の情緒あふれるスペースになった。中央は父と母が新婚時代に買ったという有田焼の花瓶。右は母の少女時代の写真。左側は宝塚阪急で求めた夫婦フクロウの七宝焼の置物。背後の置物は福岡・新宮のマルティグラスの鶴のガラス工芸品。これから配列を考えたい。
<ビフォア> 左側の家具はすべて撤去。収納のためのクローゼットに作り変える。
<アフター> 床は車椅子でも傷つかない材質の木材、ベッドから起き上がる際の手すりを5ヶ所に付けた。右側の飾り棚の上の小さな小物入れは母が婚姻前から持ってきたもので、今回塗り直しをしてもらった。カーテンは仮のもので、近く誂え品をかける。

その母が婚姻の際に持参してきた小物入れ。簡素な杉材で出来ている。塗りなおしてもらったら、艶が出て新品同様になった。
昨日(10月28日)から使用開始となり、父は新しい環境に大満足の様子。母もきっと居心地がいいに違いない。
家屋のリフォームは、2009年9月に風呂場とトイレをやり直して以来のことだ。その時は、数日間トイレが使えなくなるので母を
京都旅行に連れ出し、その間に工事をやって頂いた。帰ってきて快適な湯船につかった母は、「ああ、ごくらく、ごくらく」と大満足だった。今回も生きていれば見違えるような部屋を満喫していたであろう。仏壇の中の写真を中腰になってのぞき込みながら何やらブツブツと、最後は「あん!」と拝んでいたものだ。
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その10/さよならフィット

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