御機嫌よう
あらゆることに対する(!)やる気が減退している釋證眞です。
ものぐさです。何なんですかねこれ。
さて、昨年12月に本廟にお参りしたときに
本廟のお荘厳をじっくりゆっくり拝見できたのでコーナーを設けたいと思います。
本廟総門。
清水寺が近いからか外人さんの御参詣がけっこうあります。
信法院樣が掲げた、関白九条尚忠卿(昭和天皇の曽祖父、九条武子様の義祖父君)筆の「大谷本廟」の扁額の下をくぐると仏殿が見えます。
仏殿向拝に吊られているのは「みかん型」の灯籠。
昭和32年、若林仏具製作所の御寄進。
なかなか珍しい形をしていますよね。かわいい。
御本尊の蓮台が白蓮華なのは有名な話ですが
御本尊自体は身丈二尺一寸、信解院樣御手彫で胎内にはこれも信解院樣御真筆の阿弥陀経一巻が納められています。
なお仏殿内陣正面の「龍谷山」の扁額も信解院樣御筆です。
本廟はちょこちょこお荘厳具がおもしろいです。
上の写真の通り、上卓の色は緑!(前までは黄土色?で修復の際に緑地であることがわかり緑色に改めたらしい)、形もちょっと禅宗っぽい!狭間は七宝繋紋透し彫!鰭には宝尽しの蒔絵があるよ!
左脇壇は信誓院樣御影。
総蓮の蝋燭立。現在市販の総蓮と蓮の向きが違います。(亀は同じ)
最近の阿弥陀堂余間の総蓮は南北で逆向きなので何とも言えません。
前卓はちょっとだけ海老束っぽくなっています。足が長い。外曲がり。
なお御影に三色色紙画讃が付くのは基本的に御本山とここ本廟だけです。
右脇壇は本廟に御廟墓がある信樂院樣〜信英院樣の連座御影。
双幅にはなっていません。
普通の三具足ですな。前卓は朱塗り。海老束。内曲がりの足。
左余間は言わずもがな覚信尼公御影。
みんな大好き本廟型余間卓です笑
蝋燭立の線が細いような気がします。
そして金香炉の耳が気になります。
右余間は太子七高僧です。
花瓶が菖蒲じゃないです。象掛みたいな顔してます。
そうそう、本廟型宮殿は金具に墨差しをしてあるというのはご存知かと思いますが
礼盤周りの金具も墨を差してあります。
いいですねこういうセンス。
こういうのがお荘厳のトータルコーディネイトですよ。
磬の吊紐が御影堂と違いますね。
「御影堂型」と銘打った市販品に近いですな。
仏殿裏には「御黒戸」があります。
さて仏殿を退いて御廟に参りましょう。
オシャレな二天門をくぐります。
二天、と言うだけあって二天像が安置されています。
持国天と増長天だと思うのですが確証は有りません笑
明著堂。
宗祖450回大遠忌を前に、御廟の拝堂として享保元年に建てられた明著堂。
信解院樣御筆の扁額が掲げられています。
「明著」は『礼記』の「古之君子論譔其先祖之美而明著之後世者也」から採られています。
御堂の畳は高麗大紋、中紋、小紋とされることが多いと思いますが
ここ明著堂は赤い紫縁…正確には紅絹縁(両門樣は繧繝縁)です。
どうしてなんでしょうね。
明著堂には礼盤一式と常香盤が舗設されていますが
コチラ。
礼盤は御本山阿弥陀堂に似ています。がかなりの部分で違います。面金は無いのか剥げたのか。
若林の「阿弥陀堂型」礼盤一式がほぼこれです。いっそ「明著堂型」とするべきなんじゃないか…。
小堀の「阿弥陀堂型」礼盤一式は御本山と本廟の折衷みたいな感じ。
特筆すべきは持蓮華が白蓮華ということですよ。
本廟トータルコーディネイト!!!
常香盤は他に見たことが無い形ですね。
リアルな蓮華型です。
そして御廟。
御影は、29代曼殊院門跡竹内良尚親王が描いた「虎石の御影」、の模本…。
正本は龍谷会に懸けられます。
真向きの御影と言えばそうなんですが、もっと輪郭がカクッカクッとしてるんです虎石の御影は。
そして普通真向きの御影には画讃が付かないのですが虎石の御影には画讃が付き、かの有名な「韜名愚禿」です。
(なお如常の御影には画讃はありません)
三具足は龍が巻いているような感じがしますね。蝋燭立の足がパッと開いています。
そしてこれ。
鬼面卓ですよ鬼面卓…
…ほんまにこれ鬼面卓かいな。
と思っちゃうくらいカタログの鬼面卓とは違います。
赤い!なんだこの家紋ズ!筆返しがグインってなってる!!
謎が多いです。
語りたいことはまだまだたくさんあるのですが
濃度が上がりすぎるのでこの辺で笑
(そしてお荘厳のことを語り過ぎてテンションがえらいことになってきたので落ち着きます)
皆様も御本廟にお参りの際は「ああ〜これが釋證眞が言ってたアレね」と内心ニヤニヤしてきてください。
ご報告お待ちしてます。

4