ワークショップは残り5名です。
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昨日の体験会で「ありのまま」という意見があった。
もちろん、そこまでの流れはあるのだが、取り敢えずその「ありのまま」について話した。
つまり、言葉は深いという話だ。
浅いレベルでの「ありのまま」は、そのままの自分ということで、そこにレベルや自覚を持ち込んだ時、自分の質の不甲斐なさに気付いたとする。
そうすると、その場合の「ありのまま」は、このままでは駄目だという事に気付いている「ありのまま」だから、「ありのままでは駄目」だとなる。
こう書いた中にも、「ありのまま」は混在している。
だから、そこをどう区分けするか、区分けできるかで、言葉の整理が進むのだ。
そして、人は、どの「ありのまま」を使っているのかを理解することの手立てになるのだ。
もちろん、私は国語博士や文学博士ではないから、それが正確なのかどうなのかは分からない。
ただ、実体的に考えているだけだからだ。
人生を歩く上では、この実体的というのが大事なのだ。
「学的」に知っていても、それを使うには、実体に落とし込むという作業がなければ使えないからだ。
だから、抽象化された言葉を、実際的な現象に置き換える、これも重要な作業の一つだ。
「武禅」で皆が書いたレポートを読み返している。
総枚数180枚だ。
「出来た・出来ない・気付いた」という言葉が並ぶ。
これは素晴らしい事だ。
何しろ、自分自身を振り返った、あるいは、自分自身と曲がりなりにも向き合ったからだ。
しかし、大変なのはここからだ。
出来なかった事に、また、気付いたことに「どう取り組めば良いのか?」という問題が目の前にあるからだ。
しかし、本当のことから言えば、これらの気付きに対して「冷や汗を流したかどうか」そこを経過していれば、「どう取り組めば良いのか」は出て来ない。
つまり、自分自身が方法も気付いていくからだ。
逆にどうして、そう大変なのかというと、従来の自分、「武禅」を受けるまでの自分自身が、自分自身だからだ。
ある言い方をすれば、生活習慣病をどう克服するのか、というようなことだ。
自分自身の考え方の癖、感じ方の癖等々が、自分自身であって、その自分自身を「おかしい!」としたところで、その生活習慣が取り除けることも、修正していくことも出来ないからだ。
だから、ここからが大変だというのだ。
「冷や汗を流しのか」というのは、そこで切羽詰まったのか、本当に自分にとって切実な問題だと気付いたのか、と関わるからだ。
大分以前に「武禅」を受講してくれた方が、今回も受講してくれレポートの中に「初めて武禅に参加した時、先生からの手紙の中に『あなたはお勉強をしに来たのですね。あなたの話は誰も聴いていなかったでしょう』という内容のメッセージに、私はかなりショックだった。と記憶しているが、今朝からの人との関わりの中で、そしてこのセクションでその言葉が蘇って来た。あの頃の自分は、全くその意味を理解していなかったと気付き、同時にずっとその事は避けて、もっと自分の問題点を強固なものにした恐ろしいものになっていた。とても恥ずかしく、周囲の人との関係を無視した夢の中の人だった」
という事を書いていた。
この時点で、冷や汗が溢れ出てくれていたらと願わずにはいられない。
冷や汗は、生活習慣病を一挙に飛び越し、新たな自分を形成する特効薬だからだ。
人が気付き変化、あるいは、成長させるのは、「冷や汗」という特効薬以外にはないのだ。
それが人の仕組みだから仕方がない。
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昨日、大阪の稽古を終え食事の時、「かっこいいのが一番」という話題になった。
一人が「カッコ付けすぎ」と若い頃に言われた事があると告白。
身に付いていない時は、誰しもそうだ。
そこをどう突破していくのかが、自覚と客観性の磨きになる。
かっこいい、言葉を変えれば「美意識を持っている」となる。
もちろん、質もレベルもあるが、少なくとも持っていない人よりは良い。
自分の自意識のレベルを、何時か気付けるチャンスを持っているという事だからだ。
ただ、そこを直球で切り込んでくれる他人、友達を持っているのかどうか。
あるいは、自分に「切り込んでも良いよ」と、心が開いているのかどうかだ。
自分にそういった他人からの切り込みの経験の無い人は、無意識的に心を閉ざしていると自覚する事だ。
前にも書いたが、稽古をしていても、アドバイスをしたくなる人と、勝手にやっておけ、と思う人がいる。
これも同じで、自分の殻が分厚い人、心が開いていない人には、声をかけようとは思わないしかけられない。
少なくとも、美意識の欠けらでも持ち合わせていたら、電車の中で化粧をしようとは思わないものだし、人の前でゲームに熱中しないものだ。
だから角度を変えれば、美意識を持たない人には「他人がいない」という事なのだ。
その癖、他人の目を気にする。
それを「子供」というのだ。
それこそ、使用前・使用後ではないが、「武禅」の最後に行後の写真を撮るが、その顔付きがまるで違う。
全員目が鋭く、つまり、精気を帯びているからだ。
生き返ったという感じだ。
その原因は何か?社会的な事だけに視線が向き、自分自身に目が向いていなかったからだ。
生命体としての自分が、息を吹き返し始めたのだ。
何時もながら、全員がお礼を言い合う最後の姿は美しい。
大方の人がそんな「ありがとうございます」を忘れていたのだ。
そこに込められた他人に対する感謝の心は、相互に反応しあって美しく見えるのだ。
「2泊3日、長い様で短かったが、とんでもない体験を出来た事を、大変嬉しく思います」「人と関係することは、とても気持ちの良いものであることを体感した」と感想がある。
共通しているのは「一体感を得た事が不思議だった」と感想を書いていることだ。
世の中の風潮で、大方の人は欠点の指摘は殆ど体験がないのだろう。
だから、指摘が出来ないし、言われたことの受け止めが出来ない。
それは自分自身の姿が、他人からどう見えているのか、自分の行為が他人に不快感を与えているのかを全く知らないということだ。
2泊3日、相互に駄目だしの連続だから、相当疲れる。
でも、単に一人の人から指摘を受けるのではなく、自分を除く全員が同じことを指摘するのだから、「そう見えていたのか」と自覚せざるを得ない。
その時に、では今までの人生では、他人に失礼な態度を取っていた、あるいは、全く自分の話を聞いて貰えていなかった、本気で生きていなかった等々と反省できるのだ。
それこそ、本当の意味での成長の一歩であり、変わる為の本当の入り口なのだ。
「武禅」メインのピラミッドまで、無事通過。
真剣の場だからこその涙あり笑いあり。
心置きなく最後の「関係」そのものの体感を得るワークへと進める。
では、最後の昼食へ。
何かを専門で取り組んでいる人は、視野が狭いところがある。
専門でも一流の人達は、間違いなく視野が広い。
私は、私を一流だとは思ってはいないが、とにかくあらゆるところから、目指すヒントを引っ張ってくるのが得意だ。
それが「剣と禅」を見つけたり「点・線・面」を見つけ、その時点での自分が取り組んでいることのヒントにしている。
それは、自分が問題にしている事が明確だからだ。
「何を知りたいのか」が明確だから、それに関連する何かを見つけられるのだ。
それこそ、一人Googleだ。
しかし、これは私に限らず、問題を明確に持っている人は、それこそ絶対に何かヒントを「引き寄せる」のだ。
今、ふと思ったが、「出来ていると思っている人」には、これは起こらない現象だ。
「出来ている」のだから。
それは同時に「理解するな」とも共通する。
自分の時点で理解してしまえば、それ以上は探究しないしする必要性は起こらないからだ。
人とは厄介な代物だ。
「大人扱い」や「子供扱い」という言い方がある。
14.5歳の中途半端な年齢の時、大人扱いされたら嬉しいものだった。
そこで失敗すると逆に「何ややっぱり子供かいな」と言われ悔しい思いをしたものだ。
そう言えば、そういった言葉を聞かなくなった様な気がする。
14歳の時、年齢を偽って、キャバレーのボーイをしていた。
丸刈りの頭を少し伸ばした程度だ。
頭は癖毛なので、伸びても目立たないから上手くいったのだ。
キャバレーのボーイは、まず掃除だ。
もちろん便所掃除からだ。
家ではそんな手伝いもしないのに、仕事となると一生懸命した。
そして、キャバレーは大人の香りと、少々危険な香りを併せ持っていたから毎日ワクワクして通ったものだ。
ホステスさん達は山程いた。
中学生の子供ではなく、大人の女性だ。
この業界は人の出入りが激しい。
だから、一寸真面目に長く働くと格上のガイドになれた。
しかし、どう見てもガキの私だが、他のボーイや厨房のチーフ達、ホステスさん達は、それこそ「大人扱い」してくれていた。
それは当時の日本の生活状況があったからだ。
だから、キャバレーの人達全員が「生活の為」だった。
ガイドになると、チップがあちこちから入って来た。
中学生の1ヶ月の小遣いが500円、新聞配達の朝夕刊配達で5.000円程だった頃に、1.000円のチップをお客さんや、ホステスさんから沢山貰えるのだ。
優に給料の倍以上にはなっていた。
それこそ、こんな美味しい話はない。
お客さんからは「いい子付けてや」とチップを貰い、まだ指名のないホステスさんには「お客さん付けたろか」とチップを貰ったものだ。
「大人扱い」を受けた楽しい思い出だ。
キャバレーを終え、市電の終電車で上六へ帰り、近所の寿司屋でお酒を飲んでお寿司をお婆ちゃんのお土産にしたものだ。
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