「型付け職人さんは、わりかし気が長い人が多いけど、染職人はせっかちが多いね〜。仕事柄なんだろうね〜」
と語る恩田さん。実直さと
気風の良さが、会話の中に垣間見えます。

すべて手作業なので、1日10反ほどしかできないという長板中形。左は雪輪の中に様々なお花が、右は気が遠くなりそうに細かい
むじな菊。一同、驚嘆!

おふたりの技の集大成が、この
長板中形の反物。出来上がるまでの工程をつぶさに見せていただいたので、その仕事の凄さを実感することができます。

表も裏も同じ柄。ピッタリと合ったその柄は、おふたりの仕事を象徴しているかのようです。両面染めるからこそ、細い線までクッキリと出せるのだとか。これが江戸の粋ってもんでしょうか。おふたりの作品は、
日本橋の老舗「竺仙」にも納められているのです。

最初は、「数万円もする浴衣って…」と思っていたイガラシでしたが、本物の技を目の当たりにして、
その価値を認識しました。そうなると、作品が愛おしくてならなくなり…本来、着物ってこういうものかもしれないですね。
次回の匠を訪ねる旅は、4月9日(土)に
「児玉・神川・本庄の絹の近代化遺産を訪ねる」と題し、普段は非公開の
原家別荘特別見学をメインに、養蚕学校だった競進社や本庄の町をご案内する予定です。(おしまい)
☆長板中形にすっかり魅せられた、イガラシのブログもご覧下さい→
http://moon.ap.teacup.com/nyanko/1872.html

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