2011/2/18  7:14

前高知県立図書館長の意見(パブリック・コメント)  

前高知県立図書館長の丸地さんのお出しになった意見(パブリック・コメント)を許可をいただいたうえ、掲載します。

(以下、丸地さんの意見)


新図書館基本構想中間報告書(案)(以下、「報告書」)について

 合築の賛否については、昨年、高知新聞へ寄稿したとおり反対なので、ここでは繰り返さない。以下、県が行うべき図書館行政とは何かという観点から報告書に意見を述べる。

1.市町村立図書館(高知市以外)の職員体制の充実を
「B図書館ネットワークの構築と市町村立図書館への支援機能」(報告書p7)は一定評価できるものの、支援だけで県内全域の読書環境、情報環境を改善するのは難しい。市町村教委の意識改革が必要である。高知市以外では、職員数が1〜2人の図書館も少なくない。その様な体制では、専門性を高めるための研修に参加することが難しい。人員体制の充実が急務である。
人の配置について、県は市町村教委の理解を得る努力をすべきであり、知事が先頭となって国にも働きかけるべきである。このようなことでこそ、高知県には「日本初」となってほしい。
人口が減少すれば解決すべき課題は逆に増え、解決に役立つ資料・情報が必要となる。先に述べたとおり、人員体制を充実させ、そのような資料・情報要求に十分に応えられるようにしてこそ、「イ 物流ネットワーク」(同p8)の「毎日届けられる」物流体制が有効となる。

2.全県域を視野に入れた目標設定を
来館者への貸出冊数を目標とするより、図書館未設置地域の解消を目標とすべきである。そうでなければ、県民一人あたりの貸出冊数を増やすという目標の実現は難しい。

3.十分な投資を
高知県は全般的に、図書館への投資が少なすぎる。これからは、もっと投資をすべきである。理由は1で述べたとおりである。
第3回基本構想検討委員会で、事務局から新県立図書館の資料費として1億円が提示されたが、これは評価したい。それを継続的・定常的に措置し、それに見合う人員体制を強化して県内全域の読書環境の改善を図るべきである。

4.県教委の機構改革を
 「館長の役割」(同p 20)で権限強化が謳われているのは、評価できる。率直に言って、高知県では、県生涯学習課が図書館振興の障害となっている。イベントが多すぎる。手段のはずのイベントが目的化してしまい、周囲がそれに振り回されている。はたして、存在意義はあるのか。
生涯学習課を県立図書館の主管課とする現状を改め、県立図書館を県教委の独立した課とするような機構改革が必要と考える。「餅は餅屋」という言葉のとおり、図書館の現場の意見が尊重されることも機能・サービスを向上させる上で重要なことである。
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2011/2/18  7:05

第7回新図書館基本構想検討委員会は今日です  

新図書館基本構想検討委員会は今日です。

平成23年2月18日(金曜日) 午後1時30分から午後4時30分まで

高知共済会館 3階大ホール (高知市本町5−3−20)
(土佐電鉄 グランド通り下車 市民図書館はす向かい)
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2011/2/17  23:08

『図書館雑誌』(日本図書館協会発行)2月号に高知の問題が  

 日本図書館協会発行の『図書館雑誌』2月号に高知の問題が取り上げられている。

 「北から南から」というコーナーで、元徳島県立図書館の職員で、のちに、徳島県内の2つの町の図書館長をされた棚橋さんによる記事である。

 ただ、棚橋さんは勘違いされていて、新図書館は1万7千平米になると思っていらっしゃる。

 まあ、通常の感覚だったら、205万冊も入れるのに1万3千平米などという発想はしないから無理もないが。

 だいたい1万平米に100万冊が相場だから、200万冊だったら2万平米あったっていいのだ。

 しかし、こんなに大きいのは利用しづらい。2つに分けた方がいい。ということで、結局、市立図書館と県立図書館は分けた方が利用はしやすい。
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2011/2/17  23:01

蔵書の収容力  

 新図書館が1万3千平米から1万5千平米になって、大分県立図書館よりは、密度はゆるくなった。

 しかし、余裕があるかというとそうではない。

 実は大分県立図書館には、閲覧室らしい閲覧室があまりない。

 では、どうしているかというと、一緒に建っている施設(これは図書館面積には含まれない)の先哲資料館というところに閲覧室があるのである。

 こういう資料館は一般の図書館ほど人が来るわけではないので、ここで図書館と閲覧室を共用したところで大きな問題はないのだ。

 共同利用とはこういう条件下で行うべきではないだろうか?

 ちなみに大分市立図書館の方は、かなり自習の学生対応に苦慮しているようである。

 やはり、県立図書館と市民図書館の閲覧室を用意するというのは、簡単なことではない。催しものも多いから集会室等もそれぞれに必要になる。ここは、双方を足して、小さくできる部分などほとんどないのだ。

 片方の施設がそもそも人がそんなに来ない小規模なものなら良いが、県立図書館も市民図書館も、本来、れっきとした本格的な図書館だ。そういう大きいもの同士の取り合わせだから大変なのだ。

 パンとご飯食べているようなものですね。カロリー取りすぎ。
2

2011/2/13  9:35

費用の問題  

 1万5千平米に新図書館の面積が変わっているのに、中間報告の表は1万3千平米のままです。この表では、平米40万円で計算し、18億1千万削減できるとしています。削減できるとした面積が4千平米から、2千平米になりましたので、8億はさらにかかることになり、削減は10億1千万程度ということになります。

 しかし、これで、地下の駐車場を整備するなどというと、あっという間にこの削減は意味がなくなります。

 それから、追手前小敷地からちょっと離れた財務事務所の土地を「新資料館」にしますが、こちらは面積が足りず、隣の民間駐車場を12億くらいで買うそうです。

 もし、県立を別な場所に建てて、新資料館と新高知市民図書館を同じ土地に建てれば、ただでさえ少ない駐車場を買う必要もないのではないでしょうか?

 つまり、削減どころか、かえって2億余計なお金を払うことにならないでしょうか?

 確かに、シキボウ跡地などを買うのであればお金はかかりますが、もともと県も出資している土地開発公社のものです。通常の買物とは異なります。

 さらに、中間報告のコンピュータの費用は、合築でもなんでもない山梨県の例を(甲府駅前に建てることになっている)ひっぱってきています。特殊なプログラムにしなければならない合築図書館で同様に行くとは考えられません。

 特殊なシステムですと、最初だけでなく、継続的に余計な費用が発生します。

 人件費にいたっては、勝手にたいして忙しくならないだろうという思い込みで作られています。

 正職員40人、臨時16人となっていますが、本当に大丈夫でしょうか。

 図書館は土日や夜間もやっているため、2交代制ですので、カウンターに一度につける人間は約半分です。この56人が全部カウンターにいっぺんにつくことは無理です。館長だの副館長だのチーフだの係長だのだけで、示された組織図だと13人くらい必要になります。これだけで、実質43人です。さらに庶務・管理だの市町村支援だの学校支援だの障害者サービスだの資料の分類・目録等整理及び資料管理だのがあり、また、ビジネス支援や電子化にあたる人も差し引かなければなりません。業務量の拡大によっては、さらに人が必要になります。集中化した図書館になりますので、業務量は予想もつかないほど多くなる可能性もあります(高知が人口少ないと言っても、高知市だけで35万人ほどあり、潜在需要は大きいです)。

 カウンターは、(1)貸出し・返却、(2)レファレンス、(3)子ども読書室、(4)郷土資料、(5)ビジネス支援、(6)書庫出納といったものは最低必要になります。

 ここに、平均3人のべ6人配置しただけで、6×6=36人必要になります。平均2.5人のべ5人でも5×6=30人必要です。これ以上少なくすることは物理的にも無理です。

 残りの人数つまり、46-36=10あるいは46-30=16という数字で大幅に拡大する市町村支援や学校支援、障害者サービス、また、購入図書が一気に増えることによる図書等の整理、さらには電子化などできるかというと、部分的な委託なども活用したにせよ、かなり困難な運営を強いられそうです。市町村支援が県内3ブロックに3人派遣し、さらに、県立図書館で協力貸出しの業務を3〜4人程度でがんばったとしても、6〜7人かかります(最低限度の数字です)。また、学校支援もどの程度やるかによりますが、4〜5人は最低つけないと効果があがらないでしょう。障害者サービスも同様です。整理は委託を活用しても、監督・点検する人は3人くらいは最低必要です。それに、なにを書庫に入れるか、何を開架に出すかといった判断は、専門の司書でないとなかなか適切にできません。電子化や郷土資料も本格的にやるなら、最低3〜4人はいるでしょう。

 これだけで、もう23〜28人くらいになってしまいます。さらに、高知市の分館支援だの、移動図書館担当だの多文化サービス担当だの、広報・PR担当だのにそれぞれ最低1.5人くらいだとすると、13〜24人くらいは確実に不足してしまいそうです。あと、庶務関係の人だって4〜5人はいるでしょう。すると、17〜29人くらい不足になるかもしれません。これを無理にやったら、いろいろ述べられているサービスはただのお題目になることは必至です。

 しかし、これは最低限の話で、しかも、大幅な利用増を考えていない話です。

 ご存知でしょうか、長崎市の市立図書館は、指定管理者運営でさえ、90〜100人近いスタッフが働いています。

 大丈夫ですか?

 長崎は県と市の合築を撤回しましたが、もし、していたら、どれだけ人が必要なことになったでしょうか。
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