2011/2/11  23:48

新図書館フォーラム(四万十市) その2  

 四万十市での新図書館フォーラムで出た、合築に賛成ではない意見をまとめます。

1 スケジュールが短すぎて拙速である。かつて2002年に高知市民図書館の単独整備を検討したときは、検討委員会は10回行い、全国の図書館視察なども行っている。

2 面積の具体的内訳がわからないと、十分な面積なのか判断できない。(報告書の25ページ)本来必要な面積を積み上げていったものなのか? 追手前小敷地に合わせてつくってしまっているような感がある。

3 利便性や節約が言われるが、図書館が1箇所減るということである。現在、県と高知市の図書館では、片方が曝書(蔵書点検等の特別整理閉館)しているときは、もう片方に行けばいいが、そういうことができなくなり、不便になる。
 もともと、図書館の利便性とは数がたくさん身近にあることである。

4 費用の節約が言われるが、合築のため、駐車場を地下にしたら10億かかり、駐車場の補助に2億7千万出し、統合のために4億もコンピュータ関係の費用がかかるなら、本当に節約になるのか?

5 検討委員会にしても合築ありきの感じがして、利用者の意見を積み上げていくという姿勢を感じられない。不信感を持っている。

6 県の小中学校課が本のリストをつくっているが、県立図書館の司書はリストづくりに加わっていない。こういう調子で本当に、県市の一体型図書館などできるのか。

7 そもそも何で、合築しなければならないのかの論拠がよくわからない。コストカット以外に納得できる理由がない。

8 県立図書館と市立図書館とでは、機能もサービス範囲も違う。

9 報告書の26ページの中ほどに書いてあるが、組織体制がちゃんとしていればいいと言うが、これでは、現場に責任を丸投げしている。

10 今回のフォーラムにしても、四万十市民には知らない人が多いと思う。もっと持ち方を検討すべきだ。

11 運営体制が疑問。

12 責任区分や役割調整が難しい。

13 指定管理者制度は矛盾だらけ。合築で本当に直営を堅持できるのか。

14 図書館日本一の滋賀県などは、設置者の姿勢が明確で、県として、県全体の図書館振興を行った。そういうことが、合築でできるのか?

15 高知駅前県有地を単独整備でなぜ検討しなかったのか? 「とさてらす」のような観光施設とも合わせることは可能なのではないか。

16 県立図書館と各市町村の図書館とは相互補完の関係にあるので、一緒にしてしまうと、かえってその関係が維持しにくくなる。

(高速道路と一般道路は、同じ道路でも、長距離高速輸送と、身近な輸送とを相互に補完し分担しているというようなイメージでおっしゃったのだと思います。 筆者コメント)

17 図書館は民主主義の基盤である。異なる自治体の合築図書館でそれが果たせるのか。

18 本当に必要な面積が十分確保されていない。これでは蔵書を増やすのに限界がある。また、いろいろな施設をつめこみすぎ。

19 上意下達でスタートしていることがそもそも良くない。

20 コンパクト・シティとか、商業的な部分とか、本来の図書館サービスとは異なる部分を優先させるのはいかがなものか。本質的な論議を最初にすべき。

21 東西軸の活性化など高知市だけの話である。幡多にとって何の意味があるか。東西に長い高知県全体のことを県は考えてほしい。

22 なぜ、「高知県の図書館行政のあり方(提言)」を論議しなかったのか。なぜ、「提言」は削除されたのか。合築ありき、追手前小敷地ありきの議論ではないか。

23 高知県には資産は人材くらいしかないのに、なぜ、こんな貧しい発想で図書館を構想するのか。図書館は高知県全体の人材を育てるために重視しなければならない。

24 車でしか行けない地域の人がいるのに、それに対応していないということが致命的欠陥。

25 カウンターを市民図書館に委託し、県は派遣程度でやるというのでは、県立図書館の職員が、市町村の図書館などの現場職員の支援などできなくなってしまう。

26 日曜市が開催される日曜日が一番利用が多いはず。交通上、問題が起きるし、危険だ。


 不足の点や、ニュアンスが違うという点はコメントください。

 なお、批判ばかりでなく、県の子ども読書活動支援員については、今後も続けてほしいという意見、そして、資料費の増額や、高知市民図書館に司書職制度を導入するということについては非常に良いことであるという評価がありました。

 
4

2011/2/11  23:06

新図書館フォーラム(四万十市)  

 本日(2月11日)午後1時半より四万十市の中央公民館で行われたフォーラムの様子をお伝えします。

 まず、新図書館、新点字図書館、科学館(仮称)の中間報告の案について、説明がありましたが、これは、各検討委員会からではなく、県の教育委員会や、市の担当課からでした。科学館は、まだ設置されていないからともかく、図書館のことを図書館長が説明しないのは奇異に感じました。

 一体型の図書館になっても、同様なことをするのでしょうか? そのときは、いったい、県が説明するのでしょうか、市が説明するのでしょうか?

 一体型の図書館の所管課とはどこなのでしょうか?

 それとも、大幅に一体型図書館の館長に権限委譲するのでしょうか?

 形式的なことから、わからないことが多々あります。

 説明で印象に残ったのは、点字図書館も科学館も面積が足りないということです。点字資料は活字の資料1冊分が5冊分にも10冊分にもなるということです。点字は、カナを点字にしたものであり、さらに分かち書きにともなう空白があり、活字よりは大きいサイズにせざるをえず、また、でこぼこがあるので、本が厚くなることからこうなるわけです。それなのに、点字図書館の面積を5倍にするとか10倍にするという話には全然なっていません。大丈夫なのでしょうか?

 科学館の方も、収蔵庫は最小限で我慢するそうです。我慢すると言ったところで、地質の標本など増えて行ってしまったらどうするのでしょうか? 歴史民俗資料館が専門家の望んだものの8割、収蔵庫をカットしてしまったがために、現在、県内各地の民具などは、まともに置くところがないと言います。同じ轍を踏んでしまうのではないでしょうか?

 説明の後、9人の方から意見がありました。

 15人意見が言えるところ、9人だけ意見というのは、ちょっと低調で残念でした。参加者は十分な人数がいたというのに。やはり、意見を言えるだけの判断材料がない方々が多いということでしょう。意見を言った方の中にも、情報は新聞とテレビしかないという方がいました。こういうこと自体に、高知県の情報過疎の状態が示されていると思います。図書館の発達した地域では、こういう場合、図書館で本や雑誌を調べて意見を言います。図書館のことを論議するのに、その本や雑誌もないということなのでしょうか?

 9人の意見発表者はいずれも、新図書館についての意見を述べました。そのうち、合築賛成の方は2名のみでした。

 賛成の方の論拠は、事務局側の説明以上のものはありませんでしたが、おおむね、次のとおりです。

1 高知県の読書環境は非常に厳しい(悪い)。そういう中で、サービスが不十分な現在の2つの図書館をそのまま維持するのはいけない。

(もっとも、単独整備でサービス向上もできるわけですし、合築することが必ずサービス向上につながるわけでもないわけですが。 筆者コメント)

2 合築で両図書館の良さを取り入れればよい。

(これも、単独でも両図書館の良さを維持すればいいわけですし、サービスが不十分という認識を持ちながら、「良さ」とは何かが知りたいところです。 筆者コメント)

3 子どもや高齢者の利用を考えると郊外は不便である。追手前小敷地が最適。

(これも、駅前の県有地なども検討していれば、単独でも郊外とは限らないし、また、単独整備でも、どちらかの図書館を追手前小敷地に建てればよいだけの話である。さらに、郊外と言っても、シキボウ跡地などは、バスがたくさん走っており不便とは言えない。他県では、郊外に図書館をつくった場合、新たにバスルートを設定しているところも多い。 筆者コメント)

4 駐車場についても、今までよりは良い。

(今は「ない」に等しい状況なのだから、当然だが、県立図書館の利用者が少ないのも、新しい本を置く場所もなく、資料購入費も少ないということとともに、駐車場が整備されていないからである。資料を充実するなら、駐車場も充実しなければならない。大都会のように県全体に交通機関そのものを整備することが難しいのだから。 筆者コメント)

5 科学館との連携も期待できる。

(これも、単独整備で、どちらかとあわせて作れば可能。また、すでに、ミュージアム・ネットワークのような組織もあり、場所は離れていても、諸施設が連携をとることは、もともと必要。 筆者コメント)

6 共同作業がいろいろできる。(具体的な内容は示されませんでした)

7 お金が安くつく。

 ただし、課題もあるものの乗り切れると思うとの意見でした。どう乗り切るのかは示されませんでした。

 なお、賛成とは言いつつも、今、高知市に買物に妻と一緒に出て行くと、自分は喫茶店で何時間も待っている。こういうときに時間を潰せるところに図書館がなるといい、図書館にも喫茶コーナーなどがほしいとのことでした。

 お話の中ではわかりませんでしたが、駐車場の問題を感じていないのですから、3000円以上かけて、鉄道で買物に行かれるのでしょうか。新図書館や諸施設は結構、つめこんでいますから、喫茶コーナーはつくれるかどうかわからない感じがします。最初のうちは、まだ本がいっぱいではないから、つくれるでしょうかねえ。

 でも、本当に喫茶コーナーくらいあるゆったりした図書館がいいですよね。単独にした方がつくりやすいと思いますが・・・。

 残り7人の反対もしくは疑問があるという意見は次の項目で書きます。
4

2011/2/11  21:39

合築図書館への素朴な疑問  

 難しい話ではなく、素朴に次の疑問があります。

1 総床面積を1万5千平米にしたところで、県立図書館単独なら結構いいかもしれないが、市の本館もあわすとやはり足りないのではないか? 福井県立図書館は単独で1万6千平米あります。

2 駐車場を整備したところで100台で本当に足りるのか? また、そのまわりの交通環境を整備できるのか? 遠方から来館して長時間利用する人から駐車料金を取るのは、果たして適切なのか?(ただでさえ、来るための時間やガソリン代がかかるのに。)

3 蔵書の統合やコンピュータ・システムの統合はちゃんとできるのか? その費用をまかなえるのか? 他の図書館のようにパッケージ・システムを使えないから、将来的にも毎年のメンテナンスも高くつくのではないか? また、プログラムの改変の必要性が頻繁に発生しても、高知県のような地域だと企業側も十分な対応ができないのではないか?

4 1〜3を綜合して考えると、結局、合築の方が高コストではないか?

5 建築面積や高知県や高知市の財政事情を考えると、それぞれ別に、日本一などという極端なことを言わずに平均なみのものを整備した方が、結局、コスト的にも事業的にも安定し、かつ、今現在より確実にサービスも上がるのではないか?

6 進め方の問題・・・なぜ、このようなフォーラムを先にやらなかったのか? 県民的な議論を大いに進めてからやった方が中身がよいものができるのではないか?

7 人材確保の問題・・・このようなトップダウンの進め方を行っていて、新図書館に人材を本当に確保できるのか? また、そういう人たちを図書館政策のレベルの部分で本当に活用できるのか?

8 2館長体制が維持できなくなったら、どのようにするのか? その場合は、図書館予算は十分に確保できるのか? 財政当局は図書館サービスを本気で進める気があるのか?

9 候補地の問題・・・なぜ、他の候補地を真剣に検討しないのか? たとえば、仮に合築でもシキボウ跡地の方がはるかに余裕があるのではないか? また、駅前に県有地があるのに、なぜ、そこに県立図書館を建てることを検討しないのか? 観光施設との複合もありうるのではないか?

10 商店街との関係・・・商店街の振興は必要なことだとしても、なぜ、図書館がそのために使われなければならないのか? 図書館サービスとして、商業や地域振興に関する資料・情報の提供やレファレンス・サービスを行うということの方が重要なのではないか?

11 単独整備の検討をなぜ行わないのか? 仮定として合築の検討を行うなら、なぜ、仮定として単独整備の検討を行わないのか? 両方揃わないと公平な目で判断できないのではないか?

12 もはや無意味な面子で暴走しているのではないか? 単独整備するにしても書庫のコンパクト化を図るなどすれば、一定の面積縮減は可能である。そういう方向の検討はしたのか? 合築すれば、集中度合いが高くなりすぎ、かえって業務量が増加しすぎ、人員が必要になるリスクは検討しなかったのか? 業務の性質から言って、サービス量を減らすコントロールは難しく適切でないし、貸出しのセルフ・サービスなども高齢化県で効果が期待できない。そういう諸要素を比較検討したのか?

6



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ