2011/2/19  20:51

図書館や博物館の目的  

 図書館や博物館は、社会教育法上の社会教育施設であり、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」では教育機関である。

 教育の目的とは何かというと、教育基本法第1条に書いてある。

(教育の目的)
第一条  教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

 教育基本法は近年、改正されかなり論議もあったが、第1条に書かれていることは、そんなにおかしいことではないだろう。もちろん、「人格に完成などということがあり得るのか」とか、「教育は国家を超えた普遍的なものだ」とか、「心身ともに健康などと言っても、どうしようもない病気や障害をかかえた人はどうなるのだ」など突込みどころもないわけではない。

 ただ、はっきり言えるのは、教育の目的は商店街の振興でも観光でもないことである。

 図書館や博物館が商店街振興や観光に役立つこともあるが、それが目的ではない。

 図書館も博物館も、その資料を通じて、住民に学んでもらい、自らも研究することが主目的である。図書館や博物館の司書や学芸員は、この学びのお手伝いをするのだ。

 そして、その学びの成果として、商店街が復興したり、観光が盛んになったりするのである。図書館や博物館の事業の成果とは、そこに何人客が来たとか、そういうことよりも、そこで住民が学ぶことにより、住民ひとりひとり、また、地域としてどのような成果があったかということなのである。学びを通じての成果である。

 ここの手段と目的の履き違えが今回の合築問題の根底にある。

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2011/2/19  18:40

読書権保障の要望書  

 障害者の生活と権利を守る高知県連絡協議会が要望書を新図書館基本構想検討委員会に提出したので、以下に掲載します。

(以下、要望書)

平成23年2月17日

新図書館基本構想検討委員会
 委員長 宮地弥典様

障害者の生活と権利を守る高知県連絡協議会
会長 正岡光雄


新図書館における読書障害者への読書権保障についての要望書
   〜公共図書館における障害者に対する「ユニバーサルサービス」実施を〜 


 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 私たち、読書障害者は、著作権法をはじめとする大きなバリアーによって、情報を得る機会を阻害され、そのことが文化や芸術をはじめ、就労や社会参加への大きな障壁となっています。
 平成22年1月には改正著作権法が施行されました。しかし、公共図書館による、公衆送信やマルチメディアデージー・各種コード化など、具体的な施策はほとんど動いていないのが実情です。
 今回、新図書館の構想には、読書障害の課題解決のため、真剣な議論と早急な施策をのぞみます。
 「新図書館構想検討委員会」における障害者サービスについては一向に論議されていないことが先日の「合同会」で明らかになりました。このまま推移するなら論議なしで終わる可能性も考えられます。
 公共図書館は多様な障害者へのサービスを実施することが著作権法改正における意義だと考えます。そこで、改めて次の事項を要望いたします。

@視聴覚障害者は情報障害者といわれるが、同時に読書障害者でもある。読書障害者には これらに加えて知的障害者、発達障害者(ディスレクシアを含む)、精神障害者等様々な 障害者が考えられる。全ての障害者が等しく図書館を利用できるように施策を行うこと が図書館の発展に欠かせない。
A設備及び必用なスペース(専用の部屋)等の確保について
 T盲聾者に対応して磁気ループ設置。
 U書架は1.8メートル以上の間隔を取って車椅子使用者の通行を確保する。また、その高さは低くし、下の段の照明を確保する。
 V閲覧台は昇降式とする。
 W書見台は電気スタンド付きとする。
 X対面音訳には専用の部屋を3室以上設ける。
 Y拡大読書器使用に対して、専用の部屋もしくは第三者から覗かれないようなカーテン等による仕切りを設ける。
 Z点訳・音訳ボランティアへの専用の駐車場の確保(通常は5台、研修会等では10台程度)。
 [紙媒体の書籍を含め、電子書籍やインターネット等の読書のため、Tテキスト化、U音声化(マイリード)、VPDF化、W音声パソコンを備えた専用の読書室の設置。
Bどこの公共図書館に於いても対面音訳を実施できるよう部屋の確保を図る。
 県下で唯一の点字図書館に行くことができる者は限られている、また点字図書館は点字や音訳の書籍しか置かれていない。
C在宅の障害者に対し図書の宅配を行うと同時に、著作権法改正によって可能になった公衆送信を行う。
D知的障害者、発達障害者(ディスレクシアを含む)、精神障害者等へのマルチメディア使用を可能にする。
E図書館員への手話、点字等の研修を実施し視聴覚障害者(盲聾者を含む)コミュニケーションを可能にする。
F障害者に関する資料を多く所蔵している、国立国会図書館のデジタルアーカイブの利用を可能にする。
G布の絵本等「触る絵本」を作成し、障害者等に利用を図。また、自館での製作を可能にするための、職員への研修も実施する。
H以上の「公共図書館における、障害者へのユニバーサルサービス」について専門的に検討する、ワーキンググループを設置して下さい。
これらのことを検討の上ですべての県民が最良の文化を享受できる「新図書館」をつくられることを切にお願い申し上げます。


敬具
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2011/2/19  8:32

県民や司書の意見の陳述を  

 新図書館基本構想検討委員会の要綱では、第5条の第3項で「委員会は必要に応じ、委員以外の者に対して、意見の陳述、説明その他の必要な協力を求めることができる。」と書いている。

 現場の司書やあるいは、県内図書館の職員、あるいは、この「県民の会」のメンバーなどに意見を陳述・説明させるべきではないだろうか?

 現場職員が意見を言う場合には、言論の自由を保障し、言った内容に関して不利益な取り扱いをしないことをはっきり保障した上で行うべきである。日本のような自由主義で民主主義の国家では当然のことであるが、それを確認し、それに反したことがあった場合、責任の所在を明確にする必要があるからである。

 フォーラムをやったからいいというものではない。

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2011/2/19  8:10

新図書館基本構想検討委員会での建設場所の論議について  

 新図書館基本構想検討委員会は、設置要綱がある。
 そこには次のように書いてある。

(設置)
第1条 新県立図書館・高知市立市民図書館(本館)の一体的な整備のための基本構想を策定するため、新図書館基本構想検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(検討事項)
第2条 委員会は、新図書館の基本構想について、次に掲げる事項の検討を行うものとする。
(1) 新図書館のあり方、役割及び機能に関すること。
(2) 施設(規模・構成)及び設備に関すること。
(3) 建設場所に関すること。
(4) 管理及び運営に関すること。
(5) 単独と合築の比較検討に関すること。
(6) その他基本構想策定に必要な事項。

(以下略)

 この要綱には矛盾がある。

 1条で、「一体的な整備のための基本構想を策定」と書きながら、2条で、「単独と合築の比較検討」と書いている。「単独と合築の比較検討」で「単独の方がよい」もしくは、「合築は難しい」という結論になったら、どうするのだろうか?

 現在の委員会の状況は後者である。一部委員が反対というレベルではなく、各委員それぞれ温度差がありながら、はっきり合築推進の人はほとんどいない。

 これでは、合築ではない一体的整備をするのが適当という結論ということになる。

 また、建設場所も検討事項にはっきりあがっている。

 しかし、検討委員会では、検討委員長や、事務局にすぎない県教育長が、追手前小敷地に合築でつくるとしたらどんなものか検討してもらうとずっとリードしている。これは、行き過ぎではないか? これでは、要綱に沿った討議とは言えない。

 委員会は結論を出し切れず、今度は議会に判断してもらうなどと言っている。

 これでは責任のなすりあいである。

 そもそも、議会は、建設場所や単独との比較を行うことを条件にこの委員会の設置を認めたのではないのか?

 ここまで来ると、図書館問題ではなく、行政そのものの質や手法の問題となってくる。なぜ、マスコミはそこまで掘り下げないのか?

 阿久根市などと並び称されることがないようにしなければならない。

 これは、政治家や行政、そしてマスコミの見識も問われている。

 このまま行くと、首長も行政も議会も委員会もみんな責任転嫁を行い、すべての矛盾と責任は現場の職員に集中することになる。

 こういうあり方はどこかで見なかったか? 大事故を起こした会社などで。



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