2011/2/24  23:43

レファレンス・サービスについて  

 レファレンス・サービスとは、図書館が利用者の調査・研究の援助に応じることである。これは、図書館法にも明記されており、市町村立であれ、県立であれ、両方行うべきサービスである。

 そして、このレファレンス・サービスを行うためには、専門職である司書がいることが必要である。

 もっとも、レファレンス・サービスは調査・研究の援助であって、利用者のかわりに調査・研究を行うことではない。司書は、調査・研究にあたって使えそうな資料を探し、提供するのが仕事となる。

 レファレンス・サービスを行政が行うサービスとしては過剰サービスと考える向きもあるが、それは違うのである。そこまで極端に何でもやってあげるという類のサービスではないし、いくらなんでも、そこまでは実際できない。

 このレファレンス・サービスのためには、資料が必要なので、市町村立図書館の蔵書の量や内容では対応できない場合がある。このようなときに、県立図書館がバックアップする。バックアップの仕方としては、市町村立図書館の職員を通じての問い合わせに応えるという形もあるが、利用者自身が直接、県立図書館に出向いて尋ねたいという場合もある。

 つまり、直接サービスであってもバックアップのサービスであることがあるのだ。

 それから、いくら優れた司書がいても、資料がなければやはり応えられない。司書は資料を通じてサービスするのだ。司書は資料とその組織化(分類などをしたり目録データを作成したりして検索できるようにすること)、そして探索や検索についての専門家であって、個々の分野の内容の専門家ではないのである。いくら何でもすべての分野の専門家になることは天才でもできない。ただ、司書はいろいろな分野の資料・情報・知的資源の組織化や管理(企業の場合はナレッジ・マネジメントにあたる)の専門家なのである。こうして、多くの専門にまたがる課題や問題には図書館が有効となるのである。

 まちづくりや地域活性化などは、こういう複合問題の典型で、図書館で人を寄せて解決しようなどということではなく、図書館本来の機能を使い、そこで自ら学習して解決を図ってもらうのが筋である。(と言うより、そうできなければ、図書館をただ作って人を寄せただけでは、まちづくりにも地域活性化にもならない。)

 そのためには、県立図書館も市立図書館も中途半端な一体化といった奇形ではなく、きちんと独立した組織体になっている方が2段構えの使い方ができて、実は利用しやすいのである。

 本がとにかくたくさんあるといいと思っている人もいるが、多すぎたり傾向がいろいろだとかえって使いにくいということを忘れている人もいる。できてしまってから気づいたのでは遅すぎる。
11

2011/2/24  23:17

合築図書館はいいカモにされるだろう  

 合築図書館はいろんな業者のいいカモにされるだろう。

 まず、コンピュータ・システムの統合は報告書に出ているような数字の金額では済まない。日本全国の合併した自治体で異なる会社を使っていた場合、双方から、なんだかんだと言われて金を請求されている。

 しかし、それでも自治体の合併によるシステムは市町村同士なので、機能要件に基本的な違いがないので、大きな問題までにはならない。

 ところが、県と市では大きな違いがある。例えば、現在の高知市では、県内外の他市町村立図書館に対しては、分館の資料は貸し出していない。また、本館の資料も購入してから1年間は他市町村立図書館には貸し出していない。これは高知市民の利用を優先しているからだ。市立図書館だから当然である。

 ところが、県立図書館は、そもそも市町村立図書館も顧客であるし、そこに協力貸出しすることが業務の柱なので、購入してすぐ貸す。また、その期間も半年以上大量に貸すものもある。さらに、図書館でない公民館図書室等にも貸す。

 そのため、貸出し中の資料に個人利用者から予約が入っても、すぐには用意できないと伝えることも多々ある。このような人は地元の市町村立図書館で予約をすればよいのであるし、それが図書館サービスの本筋である。そうでないと地元の市町村立図書館が健全な形で利用されなくなり、存在意義を失ってしまう。

 図書館というサービスは、基本的に市区町村が提供すべきもので、都道府県や国はそのバックアップをするものである。

 こういう機能の分担によって二重行政は避けられ、相補的に図書館サービスの全体ができあがっているのである。

 合築図書館は、二重行政を避けると言っていながら、実は高知市が県の業務もやり、県が高知市の業務もやるという二重行政を生じさせることになるのに気がついている人が少ない。これは、見かけの建物が1つだから、業務も1つというような先入観を持ちやすいからに他ならない。

 もっとも、二重に手厚くサービスされる新図書館の半径500メートル以内くらいの人にとってはハッピーだろう。

 しかし、半径500メートルのコンパクト行政でよいのだろうか?

 話がそれました・・・

 このような珍妙なシステムでは、パッケージを使えない。コンピュータは合理的にできている機械だから、論理的矛盾のあるシステムをつくることはできない。従って、論理そのものが違う県と市の統合システムでは必ず抜け落ちたり、かちあったりしておかしなことになるだろう。新規開発やプログラム修正、トラブル対応といった全国唯一の対応のために多額の費用を請求されるのは間違いない。

 ある意味、大変、おいしい商売とも言える。わざわざトラブルを起こしておいて解決しましたというわけだ。

 もっとも、不幸な事態が起こることを期待するわけがないので、ここに書いてあることが杞憂になることを願う。そう言っておいて、高知を食い物にしようとしている人にはやめてくれと伝えたい。



 
34



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ