2011/2/27  15:29

地方自治と図書館  

 以前、このブログでも何回か、都道府県と市町村は対等であることが地方自治法でも明らかになっていると書きましたが、法文上ではきわめてわかりにくいものになっています。
 現在の地方自治法は1999年に大改正されています(その後も何度も改正あり)が、改正の元になったのは、地方分権推進委員会の勧告です。
 この委員会の勧告の都道府県と市町村との関係の部分をリンクしておきます。

http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/2ji/5.html

 地方自治法の大改正では、「関与の法定主義」というものが貫かれています。この改正以前も自治体はやっぱり自治体であったはずなのですが、「機関委任事務」という何だかわからない仕事がありました。これは、都道府県や市町村が国の出先窓口のような位置づけになってする仕事のことです。こういうものがある限り、市町村より都道府県が、都道府県より国が「偉い」という「雰囲気」はぬぐえませんでした。
 そこで、この改正では、本来、国が行わなければならない仕事を都道府県や市町村にやらせる場合は、法律でしっかり定めることとなったのです。これを「法定受託事務」と言います。こういう、イレギュラーなものは、法でちゃんと決めてやりましょうということです。都道府県は自治体なんですから、国がその自治について「関与」することは原則的にダメであって、それをしなければならない場合は法律にしっかり決めましょうということです。

 これは、都道府県と市町村の関係にも言えます。

 従って、今回の高知県と高知市の合築図書館では、県が市に、市が県に関与することになります。県と市は対等なので、市が県に関与するという関係もあります。法定主義という建前から言えば、最低でも双方の条例できちんと決める必要があります。

 しかし、これとても、団体自治(自治体という組織としての自律性)の側面はある程度満たすものの、「住民自治」の面は弱いのではないでしょうか?

 図書館は住民自治と密接に関係します。

 住民が自分たちの地域の課題や問題を真剣に解決しようと思ったときの情報源なのです。この情報源に基づいて、本来、議会その他の討議もなされるべきです。そうでないと「ただの言い合い」やセレモニーに堕してしまいます。

 県全体の課題と高知市の課題は違います。

 それは、日本全体の課題と高知県の課題が違うのと同じです。

 日本全体の課題が優先されれば、高知県は必ず見捨てられます。特に、東京が日本を代表しているかのような考え方がされれば、多くの地方はお荷物でしかありません。

 高知市の課題が優先されれば、高知県内の他の市町村は見捨てられるところが必ず出ます。

 自治体とか地域は、会社とは違います。お荷物とか効率が悪いとかいうような存在ではなく、そこで暮らしている人がいる文化の母体なのです。

 他の地域から移り住む人が増えたところで、地域はそれを柔軟に受容し、新たな文化を創っていくのです。

 そういったものと自治と図書館は一体なのです。この大きな前提を考えずに、県と市を機械的に一体にしようというのは、本人の意向を無視して政略結婚させるようなものです。

 いや、実際、そういう政略があるのかもしれません。これからの様々なことの布石かもしれません。



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