2011/2/28  21:51

単独と合築の比較1  

 新図書館基本構想の中間報告には、単独と合築の比較表がある。この表は検討委員会でもわざわざ合築よりにつくってあると指摘されていたが、もう一度よく見直してみよう。

 まず、「資料の収集・整理・保存」である。

 これは、図書館としてかなりのボリュームを占める仕事である。

 単独整備の場合としては、次の事があげられている。

(1) 県と市、それぞれの特性に応じた特色のある蔵書構成ができる
(2) 収集・整理機能は、機関発行等の寄贈資料や、調査研究用の参考
 図書等の資料が多い県立図書館と、迅速性が求められ、ポピュラーな
 本を中心とする市民図書館との業務の違いに応じた体制が組める
(3) 整理機能は、速さの求められる市民図書館と詳細さの求められる
 県立図書館とそれぞれ重点を置いた業務プロセスを設計できる
(4) 保存機能は、県内最後の拠点としての県立と、適宜、一定の除籍も
 可能な市民図書館とそれぞれ適合した体制を組める

 これは、おおむねその通りだろう。

 合築の場合としては、次の事があげられている。

(1) 基本機能は変わらないが、合築することによるメリットと付随する問
 題が発生する
(2) 資料が集積し、県民市民の利便性が高まる
(3) 合築による浮いたお金を資料購入費に廻すことができれば、単独整
 備より充実した資料の収集が可能となる
(4) 図書館の資料構成が、市民のポピュラーな図書と県立の専門性の
 高い図書の二つの山を築く可能性があり、その隙間を埋めるためによ
 り蔵書を充実させる必要が生じる可能性がある
(5)作業効率と書庫のあり方については検討が必要である 
(6)県立と市民の図書の書誌データの購入先(日販かTRC)を統一する
 必要がある
(7) 蔵書統合のため経費が発生する

 1は項目として必要ない。

 問題は2である。「県民市民」というフレーズがよく使われるが、これは大変奇妙なフレーズだ。市民とは高知市民のことだが、こういうフレーズを使うこと自体に、高知市民にサービスが偏在することを示している。
 たくさん本があって、一番、利用に有利な高知市民がばんばん借りていってしまったら、他の県内の市町村にまわす分がどんどん足りなくなるに決まっているではないか?
 県立図書館と市立図書館が別だったらこういう問題は起きない。高知市民は市立図書館におもに行ってもらい(他の市町村民がそれぞれの図書館に行くのと同じように)、それで足りない時に県立図書館に行けばよいのだ。
 県立図書館は、県内全体公平に、それぞれの市町村図書館・図書室で足りない本を協力貸出しや長期貸出しすることができる。
 一緒くたにしてしまったら、この分担はうまく行かない。

 3も奇妙だ。

 合築して浮いた建設費とは、それぞれ単独の単純合計の面積から減らした面積分の費用となっている。しかし、その費用を資料費にまわしたら、今度は本が増えるわけだ。すると、その本はどこに置けばいいのだ。

 器を減らして、中身を増やしたらあふれるに決まっているだろう。

 4から7はデメリットだ。こんなにたくさんデメリットがあるのに大丈夫なのだろうか。

 ただし、4は本当にたくさん資料を買えば解消される。しかし、それだけ資料を買うとなると置き場としての面積がより求められ、合築のメリットはまったくない。

4



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