ついにこの日が来てしまった
コンサドーレ札幌の中山雅史選手が現役引退を発表しました。2010年に手術した膝の状態が思わしくなく、悩んだ末の結論のようです。1990年代のサッカー界を牽引したゴン、93年ワールドカップアメリカ大会アジア最終予選イラク戦、ロスタイムに同点ゴールを決められベンチから崩れ落ちるゴンの姿は「ドーハの悲劇」の象徴のようにテレビに映し出されます。ジュビロ磐田がJ1に昇格してからもチームの優勝、得点王にMVPと大活躍。4試合連続ハットトリックや最短ハットトリック(試合開始3分15秒)のギネス記録など様々な記録がありますが、一番はワールドカップフランス大会ジャマイカ戦での日本人初ゴールでしょう。ドーハでの屈辱の経験が産んだゴールだと私は思います。97年11月8日アジア予選カザフスタン戦を国立競技場で観戦しましたが、この時ゴールを決めたゴンは出場停止でスタンドにいたカズに向かってユニフォームの下の背番号を見せたのが今でも忘れられません。2002年ワールドカップ日韓大会ではチームの精神的支柱として選出され、ロシア戦では後半からピッチに立ち、日本初勝利にも貢献。
一方で骨折など怪我に悩まされることも多かったが、その都度立ち直り、体をケアしてきたことで45歳までプレーすることができたのだと思います。残念ながら札幌ではその雄姿を十分に見せることはできませんでしたが、その精神はチームに残すことができたはずです。来季からJ2に降格しますが、ゴンの最後まで諦めないプレーを目指してもらいたいです。

2002年11月30日 豊田スタジアム 対名古屋グランパス戦
後半44分 PKを決めたゴン
Jリーグ通算142得点目
いつの日か、指導者となって札幌に帰ってくるのを待っています。

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