日本中が感動した浅田真央選手の滑りから一夜が明け、各方面から賞賛や感謝の言葉が聞こえてくる中、どうしてもこの人の一言に物言わずにはいられません。
「頑張ってくれと見ていましたけど真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子、大事なときには必ず転ぶんですね」。20日のショートプログラムの後に福岡の講演会で発言した森喜朗元首相です。彼は首相時代にも「神の国発言」や様々な失言を繰り返し、首相としての資質に欠けると批判されており、またか、という印象もありますが、今は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長という立場、誰よりも競技者に対し思いやる気持ちを持たなければならない人間です。早稲田大学にはラグビー部の推薦入学で入りますが病気のため競技生活を断念、雄弁会に入会し政治家を目指した経緯があります。短い期間ではありますがアスリートの経験があり選手の辛さは十分にわかるはずで、もっと配慮があってもいいと私は思うし、日本には他にもっとふさわしい人物がいないのでしょうか? これだけ大きな組織になれば政治的な能力が必要なことはわかりますが、政治的能力についても疑問符がつく人物ではこのあと6年間持たないような気がします。
浅田選手に対する発言ばかり注目されていますが、アイスダンスのリード姉弟に対しても「オリンピックに出場する実力はなかったが、帰化させて、日本の選手団として出した」などと発言しています。これは姉弟に対して失礼なだけではなく、事実誤認(帰化ではなく多重国籍から日本国籍への選択)でもあります。
今からでも遅くありません、組織委員会の会長は絶対に替えるべきです。このままでは日本だけではなく海外の選手にも差別的な発言が出てくる可能性があります。特に東アジアに対しては要注意だと思います。替える場合には政治家ではなくアスリートがいいでしょう、柔道の山下さんが適任だと思いますが。

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