東京に行っていた一週間の間にあった残念な出来事、それは指揮者クラウディオ・アバド氏の死去のニュースでした。私は東京に住んでいた頃に彼の指揮を3度耳にしています。最初は1987年3月、ウィーン・フィルとのベートーヴェン:交響曲第1番と第3番「英雄」、86年にウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任した後でウィーン・フィルとの共演を重ねていく始まりの公演でした。次が92年のベルリン・フィルとの初来日公演でブラームス:交響曲第1番、90年にカラヤンの後任としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督に就任し、名実共に現代最高の指揮者としての地位を確立した時代でした。そして最後が94年のウィーン国立歌劇場とのモーツァルト:「フィガロの結婚」、この時はクライバーの「ばらの騎士」も見ています。そのせいで懐が厳しく時期を合わせて来日していたベルリン・フィルを聴くことはできませんでした。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ウィーン国立歌劇場と世界最高峰の演奏を耳にできたことは私の貴重な思い出です。

1987年 ウィーン・フィルのプログラム
今夜はコレクションのCDの中からブラームスの交響曲第1番を引っ張り出して追悼しようかな。

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