この空の下で 〈1〉  news




     この空の下で 1話  「旅先であったもの」


森の手前に少年とグレイシアがいた。

『エン〜、この森に入るの〜?』
「うん、そうだよ」
エンと呼ばれた少年が言う。
『え〜、この森なんか不気味だよ』
「この森を進まないといけないんだ。それくらい我慢しろよ」
『ヤダ』
グレイシアは言った。
「グレイシア」
『ヤダ』
「いくよ」
『イヤ』
「グレ『い や で す』」

2人(1人一匹)の間にしばらくの沈黙があった。

「…じゃあ置いていくからな」
『え!?』
エンは森の中に入っていった。
『ちょ、ちょっと待ってよ~!』
グレイシアもつられて森に入った。

『う〜、やっぱり不気味だよぉ』
「森に入らないんじゃなかったのか?」
エンがくすくす笑いながら言う。
グレイシアはムッとした。
でも、何も言わない。

俺達はどんどん森の中に入っていった。

しばらく進むと、何やら工場とか発電所みたいな場所が見えた。
でかっ!

(こんな森の中にこんな物があるなんて珍しいな。)

そして素通りする。

こんなのには興味がない。
それに今は急いでいる。

その時だ。

後ろからいきなり話しかけられたのは。

「キミ、ここで何をしている?」

エンは後ろを向く。

そこにはゴルバットを連れた目つきの悪い男がいた。
工場の見回りでもしていたのだろうか。

「え?えっと俺は別にこの森を抜けたいから歩いているだけです。」
「そうか…」

男が言う。

「で、では…」

エンは男から離れた。

そして走り出す。

不気味だったからだ。

男の出す妙な空気が。

胸騒ぎがする。

なんでだろう

とても嫌な予感がする。

この感覚は…

まるで

あの時みたいで

エンは汗をかいていた事に気がつく。
いけない。
エンは汗をぬぐう。
『大丈夫?』
グレイシアがいった。

「あぁ、行こう」

そしてまた歩き出す。

その時だった。

『エン!危ない!』

え?

ドンッ

後ろから何かに押された。
俺は地面に倒れる。

なんだ?何が起きたんだ?

俺は起き上がろうとする。

「動くな」

その声が聞こえたと同時に首に何かを突き付けられる。

俺は目を開ける。

そこにはさっきの男がいた。

「悪いな。お前には氏んでもらう」

なに!?
俺に向かって男が言った。

『エンー!』

っはっとして俺は横を見る。

そこにはゴルバットに襲われているグレイシアがいた。

「グレイシアっ」
「ポケモンなんかに気を取られてるんじゃねぇよ」

終わった。

すべてが終わった。

アイツに会えないまま。

生まれ変わったら。

また会いたい。

俺の大切な人

エンは目を閉じる。

「ピカチュウ!電気ショック!」
『うん!』

え?
思わず目を開ける。

「!」
バチバチバチバチッ!
男に強烈な電気ショックが当たった。
男が倒れる。

そして森の茂みからショートカットで眼鏡をかけた少女が現れた。

「速く!ここから離れるよ!」
少女は手を差し伸べる。

「あ…あぁ」

状況判断がまったくできない状況だったが俺はその手をつなぐ。
『ま、まって!』
グレイシアとピカチュウが急いでついてくる。
さっきの電気ショックはこのピカチュウだったのか…。

俺は走り出した。

動揺と不安を抱きながら。

でもこれは始まりに過ぎない。

本当の苦しみはここから始まる…。
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タグ: 小説



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