2020/8/15

EF135mm F2.0L USMレビュー  カメラ機材

写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


キヤノン(CANON)には1996年から販売が開始され、
約四半世紀も現行ラインナップとして君臨し続ける銘玉が存在します。

そのレンズは一見何の変哲もない8群10枚からなる硝材で構成されていながらも、
キヤノンレンズ群の最高位たる「L」の名を冠し、その類稀なる描写から数多の名カメラマン達に愛されてきました。
今日レビューする“EF135mm F2L USM”は、そんなレンズです。

13年前このレンズを手にしたあの日、最初の1枚を撮影した後の驚きと感動は、
きっと生涯忘れることはないだろうと思います。それほどの衝撃でした。
このレンズに見合う腕が欲しい、それを目標に腕を磨いてきたと言っても決して過言ではありません。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


まずはじめに135mmというのは、どのような画角なのでしょうか。
一般的には85mmと同様にポートレートで使用されることが多いように感じます。

ポートレートに好まれる理由としては、
まずその圧倒的なボケ量でピント面を背景から乖離することで、
被写体を印象的に浮かび上がらせることが可能だからだと思います。

また、135mmは肉眼で見た形と最も近い写りをすると言われており、
その歪みの無い端正かつ誠実な写りが、ポートレートには好まれたのだと思います。

そこへ圧縮効果という望遠ならではのファクターが加わり、
大きなボケ量・歪みの無い写り・圧縮効果による密度の増加という3要素が、絶妙なバランスで混ざり合うことで、
写真をより一層印象的なものへと昇華させてくれているように感じます。

これは恐らく85mmにも200mmにも出来ないことです。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


画角の概要はさておき、“EF135mm F2L USM”自体の性能に言及していきたいと思います。

描写面では開放だと解像度・コントラスト共に最新のレンズに比べるとやや劣りはしますが、
決して低いというわけでもなく必要十分という印象です。
また、一段絞ると画面全域で高い水準の解像・コントラスト・色のりを発揮してくれます。

ちなみに、作例の写真は開放にて撮影を行っています。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


曇天かつ霧のかかる山の麓から撮影を実施しています。
のっぺりとした輪郭が曖昧な写真になりがちなシチュエーションですが、
単焦点だとこのあたりの撮影もそつなくこなしてくれるので大変有り難いです。

雰囲気も過不足なく的確に捉えてくれているように感じます。



写真
EOS 5D MarkU&EF135mm F2L USM


当レンズは、2枚のUDレンズ(Ultra Low Dispersion)を搭載することで、
蛍石レンズ(Fluorite)とほぼ同等の性能を得ているおかげか、
前後共にも非常に嫌味の無い卓越したボケ味を獲得しているよう見受けられます。
ボケ味に関しては、どこか懐かしさを覚えるというか、昔ながらの正統派という印象を受けます。

背景の条件によっては、二線ボケ傾向になることもありますが、それもまたご愛嬌(ぇー



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


F5.6まで絞るとかなりパリっとした描写に。

ドール撮影では開放〜F3.5くらいまでのF値を多用してしまうのですが、
メリハリの効いた描写が欲しい時はF5.6〜F8程度まで絞って使用しています。

最近のレンズだと、開放でも絞っても描写特性があまり変化しないということも珍しくありませんが、
やはり個人的に使っていて楽しいのは当レンズのように、描写がF値によって変化するタイプのものです。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


弱点としては、コーティングが脆弱である為、逆光に大変弱いことが挙げられます。
室内ではさほど問題になりませんが、野外での撮影ではフードは必須だと感じます。
ただ、ゴーストやハロが雰囲気の助長に一役買ってくれることも多々あるので、
敢えてフードを外してしまうこともあります。

コーティングが弱いと良くも悪くも光に敏感になってしまうのですが、
特性を把握することで短所を長所に変えられたら良いなと、そんな風に常々思っています。

1996年製ということもあり、設計が古いというのは否めませんが、
逆に言えば最新のレンズには無い味を持っているという事の裏返しでもあります。

重量も750gと単としては、そこそこ重い部類に入るのですが、それでもEF70-200mm F2.8L IS II USMの1490gという重量と比べると、
約半分の重量でF2.8を超えるF2という明るさを得られる為、十分に納得して使っています。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


眼で見た時よりも滋味深く鮮烈に。切り札たる所以です。
何もない場所から雰囲気を作り出すこのレンズに、何度救われたことか分かりません。

このように四半世紀もの間、数え切れぬほど多くのカメラマン達との信頼を積み重ね続け、
期待を裏切らないというのは一体どれほどのことなのでしょうか。

決してキヤノン贔屓だから言うのではありません、
銘玉の条件というは本来このような部分にあるのだと感じます。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


キヤノンは言いました「キヤノンの画作りの理想とは、ユーザーが思い描いた通りの画を提供すること」であると、
続けてこうも言っています「ユーザーのために心を尽くす」と。
この“EF135mm F2L USM”をEOSへマウントし撮影する度、確かにそんな理念を感じてしまう自分がいます。

もし、キヤノンユーザーでまだこのレンズに触れたことがないならば、
一度で良いのでどうか使用してみてください。きっとキヤノンで良かったと思えるはずです。それほどのレンズです。



写真
EOS 5D MarkW&EF135mm F2L USM


今回で全7回に及ぶEFレンズのレビューは終了となります。

“EOS R5”が発売されたことにより、EFマウントをアダプター経由にて使用される方も、
まだまだ多いと聞いていますので、このレビューがその一助となれれば良いなと思い書かせて頂いた次第です。

ここ一ヶ月でEFレンズの人気が再燃し、中古市場もどんどん値上げがされていっている現状ですが、
RFマウントレンズのラインナップがまだまだ不十分ということもあり、暫くはこの傾向が続きそうですね;。



それでは、また次の更新でっ!ノシ
次回は未定となっております。
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タグ: 撮影 機材 レンズ

2020/8/13

EF100mm F2.8L IS MACRO USMレビュー  カメラ機材

写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


はーい、どもー、ボーダーラインですー┏( .-. ┏ ) ┓ ヨッコラセ

今日は誰が言ったかキヤノンの良心“EF100mm F2.8L IS MACRO USM”をレビューしていきたいと思います。
基本的にマクロレンズって、コンセプト的にどれも高性能だったりするのですが、
この100Lマクロも例に漏れず欠点が少ない非常に優秀な製品だと感じます。

あまりの使い易さに、自室の撮影ブースだとほぼこのレンズしか使わないほどです(オイ

まず機能面でピックアップしたいのは、ハイブリッドISについてなのですが、
当レンズに搭載された手振れ補正は通常の補正方法とは違い、
角速度センサーと加速度センサーの両面から高精度補正を行っており、
これのおかげでほぼ手振れとは無縁の撮影が可能です。



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


描写面に関しては、コントラスト・彩度共に高過ぎず低過ぎず適度な塩梅です。
色収差・球面収差などに関しても非常に良く補正されています。

マクロレンズなので当然近接撮影時に画質が乱れることはありません。
また、遠景でもその高い性能を遺憾なく発揮してくれる為、
物撮りや近接撮影だけではなく中望遠レンズとして使用されることも多いです。

よく、85mmがあったら100mmは必要ないですかね?というご質問を頂くのですが、
“EF85mm F1.2LU USM”のように中望遠ポートレートに特化したレンズほどではないにしろ、
ボケ味も相当スムーズですし“EF100mm F2.8L IS MACRO USM”には、
等倍まで寄れるという大きなアドバンテージがある為、
この2本焦点距離こそ近いですが、かなり性質が違うので、
結局どちらも買うことになるのでは??と思ってしまうこともしばしばです(オイ



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


普段、個人的にはあまり外に持ち出すレンズではないのですが、稀にスナップで使うことも。
先述したとおりマクロレンズは性質上、高性能化し易い土壌があるので、優秀な中望遠として十分運用可能です。

フードがかなり大きいので、スナップの時はわざと付けていかなかったりしますが、
それが原因で画質的に問題を感じたことはほとんどありません。



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


AF速度は早くも遅くもないというか特筆する点はなく、本当に普通ですね。
ピント精度は正確なのですが、大きく外した時のみ再度ピントが合うまで、
他のLレンズに比べると時間が掛かる時があります。



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


夕暮れ時、大きく揺れる吊橋の上から、F5.6まで絞りつつ撮影しています。
足元がかなりグラグラしていましたが、ハイブリッドISのおかげで難無く撮影が出来たのを覚えています。

この時、試しに手振れ補正をオフにしたらどうなるのか試しているのですが、
シャッタースピードを1/200程度にしても手振れしてしまい、撮影が上手くいきませんでしたので、
ハイブリッドISの有り難さを非常に感じたシチュエーションでした_(:3」∠)_



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


描写に歪みがほとんどないレンズですので、目で見た状態に限りなく近い描写が可能です。
メイクオーダーを受けた時など、完成時の撮影はほぼこのレンズで撮るようにしています。

また、等倍まで寄れるので細かい部分まで確認して貰えるので一石二鳥ですね。



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


質感描写に関してはF8程度まで絞ると流石にパリっとした描写になるのですが、
F5.6くらいまではやや柔らかめといった印象です。

ちなみに、この写真ではF5.6とF8.0の2パターンを撮影していて、質感が柔らかく写った前者を採用しました。
質感ってホントに大事で、周囲のシチュエーションと被写体になってくれた子の質感がミスマッチだと、
想像以上に浮いた状態になることも珍しくありません。

あと、当レンズはマクロレンズということもあり、F16くらいまで絞っても回折の影響をあまり受けず、
描写性能が著しく落ちることはありません。
自宅撮影ブースではF11程度のF値を多用するのですが、まだまだ余裕を感じさせる描写で安心感があります。

F22まで絞ってしまうと明らかに小絞りボケの影響で、シャープネスがガクっと落ちるのですが、
そんな極端に絞ったF値13年間で片手で数えるくらいしか使ったことないような(オイ



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


開放F値かつバストアップまで寄った時だと、こんな感じの描写に。
個人的には、とても好きな描写です。

一口にマクロレンズと言っても、わりとメーカーによって開放描写に結構な違いがあるのですが、
今まで使用してきた3本のマクロレンズの中では、一番バランスが取れている印象です。
良くも悪くも偏りの少ない無難な描写と言えなくもないのですが、汎用性があり被写体を選びません。


<これまで使用したマクロレンズの開放F値の描写>
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TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1(Model272E)
→花や女性を撮りたくなるフワっと柔らかな優しい描写、やや暖色傾向


SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG
→無機質なモノを撮りたくなる開放から切れ味のあるシャープな描写、明らかな寒色傾向


CANON EF100mm F2.8L IS MACRO USM
→柔らか過ぎず硬過ぎず偏りの少ないバランスの取れた描写、色の偏りもほぼ感じない
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写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


ボクがこのレンズに寄せる信頼は相当大きいというか、必携の一本だとさえ思っています。

ただ寄れるレンズというだけでなく、描写面の基本性能の高さやハイブリッドISなど、
“EF35mm F1.4LU USM”と同様使っていてワクワクするタイプのレンズではありませんが、
絶対に失敗したくない撮影の時、安心して仕事を任せることが出来るレンズではないでしょうか。



写真
EOS 5D MarkW&EF100mm F2.8L IS MACRO USM


総評としては、Lレンズにも関わらず中古だと6万円前後で入手可能ということもあり、
描写性能や機能面を鑑みるともはやバーゲンセールと言って相違無いです。

個人的にはマクロレンズのαにしてΩだと思っているので、
キヤノンユーザーかつ使い易いマクロレンズをお求めならば、
まずは“EF100mm F2.8L IS MACRO USM”を試して頂ければと思います。


ということで、今回はここまででっす。
次回は最も付き合いの長い“EF135mm F2L USM”のレビューとなります。
それでは、また次の更新でっ!ノシ
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タグ: 撮影 機材 レンズ



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