とみさわ昭仁さんの「無限の本棚 手放す時代の蒐集論」を読みました
2016/4/11 | 投稿者: パリッコ

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大先輩ライターにして、古本屋「マニタ書房」店主、とみさわ昭仁さんの最新刊です。
帯には
「コレクションの鬼になれ。ぼくが『蒐集』の文字を使うのは、文字に鬼が入っているからだ!」
「蒐集にとりつかれ、50年の人生から導き出された驚愕のコレクション論!」
とあり、端的にいえば、生粋の蒐集(収集)家であるとみさわさんの、コレクター人生から導き出された「蒐集とは?」に対する現時点での回答と、そこに至るまでの過程が記された本ということになるでしょうか。
これ、知ってる方の本だから褒めるとかでなく、本当におもしろすぎて、一気に読み切っちゃいました。
光栄なことに一緒にお酒を飲ませてもらったことは何度もありますが、基本的に酒場ではバカ話しかしないので、断片的にしか知らなかった、とみさわさんの波乱万丈の人生の全てが新鮮で興味深く、ページをめくる手が止まらない。
様々なものをコレクションし、またそれを捨て、ついにたどり着いた「エアコレクター」という概念とは?
全てを読み終わった時、「無限の本棚」というタイトルの意味も、すとんと理解できるようになっています。
ひとつのことに熱意を燃やし、何年、何十年と突き詰め続けることによって見えてくる世界って、確実にあると思うんが、それをこうして体系立て、わかりやすい一冊の本にまとめてもらえるっていうのは、本当に貴重なことだと思います。
最近だと、みうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』なんて、まさにそういうありがたさのある本でしたよね。
「自分は物を集める趣味はないからなぁ…」なんて、もはやそういう問題じゃないので、カルチャーでもスポーツでも昼寝でも、とにかく何か好きなことがある人ならきっと楽しめるし、人生をより豊かにするヒントをたくさんもらえる本だと思います。
また、そういう方と、年代は違えど一緒に楽しく飲ませてもらえたりする環境にいる自分は、あらためて幸せ者だなぁと。
さて、次は安田理央さんの「痴女の誕生」を読むぞ〜!

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