12月1日、畷の里温泉の家族風呂を使って2回目の入浴支援(お風呂)を行いました。
これは3つある家族風呂の中の一つですが、1回目に使って勝手がわかる外気にも当たれるベランダがあって湯船もひょうたん型の部屋を予約していたのですが手違いで湯船も二人しか入れない丸型の“五右衛門風呂”でした。
もう一つ、予定していた時間に準備ができていなくて入浴開始が15分もずれてしまいました。
これが中の様子です。この日は写真左側に移っているシャワーが大活躍しました。
そんなこともあってか、初めての場所と取り組みでただでさえ不安の大きいお友だちは待たされる羽目になり、不安が一層大きくなったようです。でも、背中をさすりながら“大丈夫やで。今、おばちゃんが掃除してくれてはるやろ。もうすぐ入れるで。見に行こうね”と話しかけると、少し安心できたのかちゃんと落ち着いて待ってくれました。
入浴支援では、目的はまずは…
@風呂屋の家族風呂でお風呂を楽しむこと。あ〜気持ちよかったなぁ、また入りたいなぁと思ってくれたり、言葉で伝えてくれたら嬉しいな。
A@の中には場所だけでなく、いつも入る人とは違うデイサービスの“支援者”の支援を受けながらお風呂に入れること。ガイヘルさんと入っている人もいます。支援者の支援を受け入れて生活の中で大事なお風呂に入れること、世界が広がってステキではないですか。
Bお風呂は気持ちいいが10倍感じられるようになるためには一日の汗や汚れを落として「清潔」になること。そのための身体の部位(名前がわかればなおいい)とその洗い方(石鹸やタオル・手指の使い方)を知ること。知って少しでも自分で挑戦してきれいさっぱりになった自分を認めることができれば最高です。
C同時に、周りからも「気持ちいいね」「きれいになったね」「ピカピカして素敵だね」「いい匂いだよね」「これでお友だちにもモテモテだよね」などと言ってもらって「(心地いい)快の情動を共有する」したり、まんざらでもない自分や人に認められたい気持ちを意識できたらより主体的にお風呂に這ったり清潔にしたりできるのではないでしょうか?
もちろん、その他に身体を拭いたり、着替えたりの大切な行為もありますが、入浴支援で心がけたいような点は以上のようなことではないでしょうか。
さて、この青年らしい姿を見てください。きれいさっぱりして鏡を見ながらドライヤーをかけています。
あ〜気持ちよかったぁ〜。帰りの車の中で“またお風呂に行きたい?”と聞かれ、しっかり“行きたい!”との返事がありました。
それもそのはず、「暑い湯船には入らないかもしれません」というお母さんの心配をよそに、たっぷり40分使ってお風呂に入れたからです。(私もそうなんですが)朝風呂が大好きというKくん。しかも、シャワーが大好きな様子。てっきり、冷たい水をかけて洗体するのかと思いきや、熱々のシャワーでした。ちょっとばかし大雑把な洗い方だったので横で見本を示すと、しっかりまねて背中や頭などかゆいところまで手が届いていましたよ。それで、安心していると洗体が終わって遊びだしたシャワーは冷水で、かけられた私はヒィヤ〜

しかし、水を加えてぬるま湯にした五右衛門風呂は“いや!入らない!”と強く主張!
でも、ここまで来るともう安心です。ヒントは彼からもらいました。
お分かりの読者の皆さんも多いと思います。そうなんです。大好きなシャワーを指示して一言、“いいよ!シャワーしよう。シャワー持って入っていいよ!”の一言に湯船にもドボン。肩までつかろうねと言うと沈んでいました。私たちは安心の手段=シャワーのことを“心の杖”と呼んでいます。
放心状態でテレビを見ながら、イタズラでタオルを顔に押し付けられたスタッフのBさんとくつろぐKくん。
彼ももう一回入りたいと言っていました。なんと、往きも帰りも“おすし!ミックスジュース”と風呂上がりのいっぱいを要求するKくんでした。二十歳になった彼と一杯やりたいものです。
シャンプーは苦手ということもわかりました。「今度シャンプー大好き、一回に3度シャンプーする」というFくんともう一回お風呂に入ろうよ。
“中学生のための性と生のセミナー”参加のYくんは、第1回のお風呂の取り組みでは、教える立場になって、洗体の順番や洗い方、たとえば「おちんちんの先の洗い方や、なぜそこが特別に大切なのか」なども含めて手ほどきしてくれました。第三回目は彼に“リーダー”をしてもらおうかな?

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