
K's OMNIBUS 2000 / V.A.(2000)
2007/3/28 購入価格100円
★☆☆☆☆
制作はInter College Productionと表記されていますが、その事務所は早稲田大学理工学部 内田研究室。要は自主制作ですね。タイトルの通り、さまざまなミュージシャン(学生?)が参加しているわけですが、癒し系インスト、民話の朗読、パンク、小室系、テクノ、ゲーム音楽....。節操がないにもほどがあります。
写真では分かりにくいですが、ジャケットの目玉のところに『熊野』と書かれています。タイトルのKは、熊野の頭文字のようです。で、ライナーを見たところ、和歌山の熊野の自然をテーマに曲を集めたような感じですが、そのお題に沿っているのは、癒し系インストと民話だけで、あとは熊野のくの字もありません。
まともに聞ける作品は、M9『Equilbrium I.R.』だけで、あとはどれも音めちゃくちゃ。M1のインスト 『Birth and Death』は、ノーエフェクト、延々モノラル、ベロシティーべた打ちのピアノを聴かされるし....。M5、6は、鰐涙というパンクバンド。メインのボーカルはいいけれど、バックコーラスヘタクソでうるさ過ぎ。
M7、8は、Milky Waveという女の子二人のユニットなのですが、生まれてこの方、小室哲哉の曲だけ聴いて育ったんじゃないかと思うほど、限りなく小室に近いオリジナル曲。思いっきり笑いました。たのむから、ネタだと言ってほしい。鰐涙は、かろうじてパートがガッツリ左右に分かれていたので、ステレオになっていたわけですが、このMilky Waveの2曲もスーパーモノラル。ボーカルのリバーブさえモノラル。と思ったら、部分的なシーケンスパートだけが微妙なノリのタップディレイで左右に飛んでいます。この演出の意図はなんなのだろう....。
それでも、M6『サクマドロップス』の歌詞にはすこし共感しました。『サクマドロップス、振って出たのを舐めよう。』『ハッカもたまにあるから、メロンはウマイんだぜ。』...世の中、なにかと合理主義で、『メロン』のみを追いかけようとします。そんな人は、この鰐涙を聞いて、初心に帰るべきでしょう。(2007/04/05記に加筆)

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