昨年12月、愛知県一宮市で悲しい父子心中がありました。
病気がちで働けない父親(48)と、小学校5年生(10)の少年が
マンションの一室で遺体で発見されました。
警察に匿名の女性から
「連絡が取れないので見に行って欲しい。」
との通報があり、
訪れた警察官が並んで倒れていた二人を発見したそうです。
その状況から親子心中とみられ、
部屋には遺書が残されており、
その中には少年が書いた、
死ぬ覚悟と悔しさが綴られた遺書もあったそうです。
この父子がマンションに引っ越してきたのは4年ほど前、
父親は無職で、精神的・身体的な病を抱えて働けず、
生活保護を受給していました。
同じマンションの住人は、
「父親は丁寧に話す方でした。親子は仲良さそうでした。
親子一緒に自転車のパンクを修理したり、
出かけたりしていましたよ。」
と話しました。
また別の住人は
「昨年の春ぐらいまで、お姉ちゃんもいたけど、最近は見ていない。
付き合いも無いのでよく分かりません。」
と語りました。
病気がちの父親と小学生の少年の二人暮らし、
父親は自分では養育が難しいと、
児童相談センターに最初に相談を預けたのは
3年ほど前だったそうです。
少年の担当職員は
「その時から昨年まで、計8回少年を保護しています。
8回も保護するという事は殆ど無い事なので父親に、
『少年を施設に預ける事を考えてみたらどうか。』
と提案しましたが、
父親はそれを拒絶したんです。
8回保護した内7回は単純な親子喧嘩が原因で、
売り言葉に買い言葉で
少年が家を飛び出した事によるものでした。
最初の依頼も、父親の精神的な負担から、
イライラして接してしまうからと相談があったためです。」
と説明しました。
8回も保護するなどと、
親子関係が悪いと思われますが、
実はそうでも無く、
父親が少年に対しての身体的、精神的な虐待、
ネグレクトの様な育児放棄もなく、
決して少年が逆境に置かれていた訳ではなかったそうです。
担当職員は言います。
「また少年は勉強が好きな子で、
『勉強を教えてくれる父ちゃんが好きだ。』
とも話していました。」
と職員は説明しています。
こんな仲の良い父子でしたが、
昨年の夏ごろから、少年の親権争いが起きたそうです。
そして昨年9月、
少年を施設に預けた際父親から、
「親権問題でもめている。」
と職員は相談を受けたそうです。
そして
「それによって気持ちに余裕が無いので、
落ち着くまで預かって欲しい。」
と父親が話し、
少年はその話を聞いていて、
「自分がどうするのかは、家庭裁判所の決定に従う。」
と言っていたそうです。
月末には少年は、施設から家に帰りましたが、
施設職員が少年の姿を見たのは、
それが最後だったそうです。
その時の様子を職員は、
「少年が『父親の所に帰りたい。』言い、
父親が迎えに来て、
親子で『ちゃんと学校へ行こうな。』って話していました。
ふたり共なんだかうれしそうにしていて、
まさかんな事になるとは..........。」
と絶句していたそうです。
二人が亡骸で発見される5日前、
少年が通う小学校で校長面接が行われ、
その時の様子を校長は、
「父親と少年のふたりと面談した時に、
『転校するかもしれない。』
という相談を父親から受けました。
その時、特段おかしな様子はありませんでした。」
と証言しています。
少年が教室の自分の机の中に、
メモを残しているのを担任が見つけ、
校長へ報告したのだそうです。
そのメモには
「気持ちとしてはクラスメートと一緒に卒業したかった。」
という事が書かれており、
その時は、転校する事を言っているのだと思ったそうです。
しかしそのメモを見たという別の人によれば、そこには
「『卒業式まではいられないけど、魂としては居る。』
と書かれていました。
『魂』という言葉に込められた異変を見逃した事が悔やまれます。」
と言っています。
面談をした週明けに、
「少年が学校を欠席する。」という連絡があり、
その翌日も無断欠席し、
そして更にその翌日に、
ふたりの亡骸が発見されました。
部屋には、
3通の遺書が残されていたそうです。
3通の遺書の内2通は父親がパソコンで、
父親自身と少年の思いを書いたもので、
もう1通は少年が書いた自筆の遺書でした。
父親が書いた遺書には、
親権争いへの不満が綴られており、
「少年には『生きろ』と伝えたが、
少年の強い思いから一緒に連れてゆく。」
という旨が書かれていたそうです。
そしてパソコンで書かれた少年の遺書は、
「父親と離れるのは嫌だ。」
という思いが溢れる内容だったそうです。
少年の自筆の遺書には、
親権争いに巻き込まれない様に、
父方の祖父母と養子縁組した
姉への思いも綴られていたそうです。
「お姉ちゃんが希望の星、お姉ちゃんに僕の人生をあげる。」
学校に対しても
「転校してきた僕を世話してくれてありがとう。」
という事が書かれていたそうです。
少年の担当者が明かしました。
「少年の知能テストは、稀に見る高い数値だったんです。
自分で自分の人生を切り開いていける力がある子でした。
それだけに残念です。」
と。
何とも言葉になりません。
父子の深い愛と絆によって、
少年が短い人生を終えなければならなかったとは....。
病気で働けず、
その事によって我が子に重い負担を強いている事に、
父親はどれだけ苦しんでいた事か。
もし父子の愛と絆がそれ程深く無ければ、
父親は少年を施設に預けるなり、
養子縁組に出すなりしていたと思われます。
10歳の少年の純粋な父親への想いと、
父親の我が子を愛する気持ち、
そして父子の絆があまりに深い為に、
今回の不幸な事件が起きてしまったのだと思います。
神様はこの父子に対して何をさせようとしたのでしょうか。
この親子を通じて世に、
親子の絆や命の大切さについて啓示されたのでしょうか。
それとも、この父子が、
神様の言葉を聞き違えてしまったのでしょうか。
自殺しても問題は解決しません。
死してなお、
その苦しみから抜け出す事はできず、
永遠にその苦しみが続くのだそうです。
しかしこの父子においては、
黄泉の国で仲良く幸せに暮らしてもらいたいと切に願います。
不幸な運命の渦に巻き込まれてしまった父子に、
心よりご冥福をお祈りいたします。
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