もう随分前の話しです。
ある日、職場にお客様から
「相談したい事があるから、自宅に来て欲しい。」
と連絡がありました。
おいらは「仕事の話だな。」と思って、夕方6時か7時頃だったと思いますが、
いそいそとお客様宅へお伺いしました。
お伺いすると奥様が出迎えてくれて、奥の座敷に通されました。
座敷には、以前は無かった檜の一枚板で作られた
すばらしい神殿が作られていました。
押し入れをひとつ潰して作られた様です。
座敷にはひとり若い女性が居て、誰だろうと思ったら
奥様はその女性をおいらに紹介してくれました。
随分昔の事なので、詳しくは覚えて居ないのですが、
印象に残っているのは、
どこかの宗教団体の方だという事、
女性はリーダー的な立場にある人だと言う事、
リーダーが手をかざすと、魂が清められる、体の悪い所が治る。
と言う様な事だったと記憶しています。
おいらは
「何だよ、新興宗教かよ、仕事の話じゃ無いじゃん。
こんな事なら来なきゃ良かった。」
と後悔しました。
でも、そこは大人です。
お客様との今後の事もありますから、
直ぐに立ち去る事もできません。サラリーマンの辛い所です。
その内「あなたも手かざしを受けて見ませんか?」と言われ、
無下に断る訳にも行かず、
仕方なく手かざしとやらを受ける事になってしまいました。
説明によると、
体に悪い部分があると、そこが熱く感じると言うこと、
また体が勝手に動き出す事があると言う説明を受けました。
おいらは正座し合掌させられ、
リーダーの手かざしを受ける事になってしまいました。
祝詞を唱えていたかどうかは定かではありません。
手かざしを始めて2〜3分経ちましたが、
何の変化もありません。
体のどこかが熱くなる事もありませし、
もちろん体が勝手に動く事もありません。
ただただ「早く終わらないかな。」とだけ思っていました。
その内、お客様のお子さん二人、
高校生と中学生の姉弟も一緒に受ける事になり、
リーダーが手かざしを続けていると、
二人の姉弟は、正座した腰から上をぐるぐる回し始めたのです。
おいらは「この二人は一体どうしちゃたんだ!」と思っていたら。
姉の方が畳の上に横たわり、のたうち始めたのです。
更に弟は、
腰から上を激しく伸ばしたり縮めたりし始めました。
ふたりとも何かに取り憑かれたかのように
激しく体を動かしています。
おいらはそれを見て、
「勘弁してくれよ。何の茶番だよ。」
と、ここへ来た事を深く後悔していました。
おいらには全く何の変化も無く、
ただ正座をした足が痺れてきた程度でした。
15分ぐらいはやっていたでしょうか、
やっと手かざしが終わりました。
リーダーが
「どうですか?少しすっきりしましたか。慣れてくると体が動くようになりますよ。」
と言いました。
「別に体は動かなくて結構です。それにもう二度と来ません!」
と言いたいのをぐっと我慢したのでした。
そしてこの場から早く逃げ出したい一心でした。
手かざしが終わった後、お客様から
「食事を一緒にいかがですか?」
と誘われましたが、
「次の予定がありますから。」
と見え透いた嘘をついて、這々の体で逃げ帰って来ました。
もし一緒に食事でもしていよう物なら、
新興宗教に入る事を勧められていたかも知れません。
新興宗教への勧誘の入り口は、実に曖昧です。
この場合も「相談が有る。」としか言いませんでした。
状況から言って、こっちはてっきり仕事の話だと思うじゃありませんか。
で、実際に出かけてみると、新興宗教の勧誘だったと。
こういうやり口はフェアではありません。
ましてや体がぐるぐる動かなくても結構です。
というか迷惑です。
そのお客様とも、それっきりになってしまいました。
今でも熱心に信心しているのでしょうか?
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