2013/11/4

湯島の菊人形  短歌

今年の十月はいつもより暑いといいながらも、ベランダでは十月の半ばぐらいから菊人形に着せるような黄色の小菊が開き始めて、11月の今では盛りである。白と赤の菊もあったが、これは夏の暑さにすっかりやられてしまった。

湯島天神が菊祭りを盛大にやるようになったのは、十四五年前ぐらいだろうか。菊人形といえばあちこちで開催されるけれど、二本松の菊人形が一番ではないかと思う。霞城と呼ばれるお城を舞台に何十景という場面が展開されてそれは見事だが入場料も高い。
20年以上前にテレビで「傘作り」という菊を二年がかりで作る話をみた。それが二本松の人々で菊人形の飾りだけでなく、傘作りの品評会もあるのだという。一本の菊を枝を何本にも別れさせて傘の開いた形に作り、その先に一つの花をつけて全部で何百多いと千以上の花を一度に咲かせ傘の見立てを作るのだ。大抵二色の蛇の目で、あれは二本で作るのだろうか。大層な苦労だと聞いていたがその頃は東京では見られなかった。何年前か、たまたま湯島天神に出かけてみると菊祭りの最中だった。その時は11月のはじめの週だったとおもうが狭い境内を上手に通路をしてかなりの数の菊鉢をならべていた。その一部にあの傘作りの菊が五六鉢飾ってあって、私は内心わっと声を上げたものだ。

湯島天神は文京区だが、家からは近い。昔は受験のためのお参りに行ったが、だんだん混むようになって何だかご利益が薄いような気がしてそちらは別の所にお願いするようになった。「湯島の白梅」というぐらいで梅祭りには大抵行く。近頃は母が長く居たがらないので車でさっと行ってさっと帰るのだが「梅祭り」より「菊祭り」の方が美しく楽しいものになってきている。楽しいのは期間が延びて七五三の参拝と一緒になっているからで、小さい子供がいなくなった我が家では着飾った親子を見るのもお楽しみである。
菊は傘作りの鉢も年々増えて、他に懸崖に仕立てた鉢、一本物の福助や管菊などで、最後に小屋掛け風に三つほどの場所に一つは富士山にクジャクなどの見立て絵を菊で作り、あとの二つが菊人形である。毎年NHK大河ドラマの場面を二つ登場させ、人形の顔は同じものの衣装を菊で色とりどりに着せている。一度花が終わりかかりに取り替える「着せ替え」の時に行き会ったのは、人形の中身が見えて面白かった。竹ざるのような胴体に小菊を這わせて着せるのである。二本松の何十分の一だけど、無料だし東京の近くの方にはおすすめ。

華麗なる懸崖菊も庭菊もみな美しくそれぞれの秋  多香子
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