2018/9/28

個人通販始めます  歌集

『古今さらさら』は私の第一歌集です。多くの歌友から優しいお言葉を頂きました。「不識書院」は老舗ですがアマゾンと取引をしないので、若い方に手にとって頂けないのが少しさみしく、個人通販を始めることにしました。特別価格にいたしますので、お財布に余裕のある方は読んでみて下さいませんか。
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今年は歌集の発行ラッシュで、ネットのクラスタはお知り合いの歌集をいっぱい買ったり、同人誌やネプリを抱えて積読タワーが出来ているかもしれませんね。そのタワーに私の『古今さらさら』も加えて下さいませんか。よろしかったら、下記のメールにお問い合わせ下さいご案内メールを差し上げます。
(星印を@にかえて)tanuko☆mbx.kokage.cc どうぞよろしくお願いします。
<帯の歌から>

☆ 佐保姫は衣の裾をひるがえし六階の窓にも春の香りを

☆ 仰向けに浮かべば空も海となり私の夏はどこまでもブルー

☆ どこまでがこの胸内の傷なのかテールランプが尾を引いてゆく   
   河野多香子
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2018/9/21

秀歌(79)石川美南「角川短歌」12首詠より  秀歌読みましょう

石川美南さんは、1980年生まれだからまだ38才、横浜生まれ外語大卒だが早稲田の水原紫苑の短歌講座で学んだと言う。結社ではなく同人誌「pool」および [sai] に所属。 その才能は早くに弾けている。私など昔は理解のつかない所があったけれど、このごろ服部真里子さん、大森静佳さんなど、読んでみるとやっぱり何かを持っているのだなあと思うようになった。今年歌集「架空線」を上梓されたところだが、まず「角川短歌」九月号の12首詠から六首を並べる。

「洗濯と過剰」

この夏の脳(なずき)のごとし無理に詰めた洗濯機音もなく壊れて

「音もなく」は嘘だ かぼそい鳴き声で機能停止を告げてきにけり

浴槽で絞る朱赤のワンピース 前向きに生きても夜は底

みのむしが福井にゐたと、裏山の茸デカいと、ふいに便りは

剥きだしのわたしに直射日光は当てる高温多湿避けない

火星見に出ようか外へ 洗濯機届いて安らかなわたしたち

割合に日常に近く壊れた洗濯機に引き起こされる不便さ、その向こうにある大災害などによる不安さなど、読みとりやすい歌かも知れない。
色々の災害による生活の大変さは、日常のある日壊れた洗濯機と繋がっているのかもしれない。言葉を裏返して、また表にしてではっきり描かれないシチュエーション。今年の夏だからできた歌、しかしそれは普遍的な人間の「大変さ」と「すぐに戻れると思う」日常を表しているのかと読んだ。
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2018/9/14

「藤むら」はなくなってしまった  短歌

私は甘いもの好きだけど、羊羹よりは最中の方が好きで、でも日持ちのしない最中よりお使いものには羊羹の方が良いと思っている。知り合いの羊羹好きに言わせると日本一は「藤むら」の羊羹だそうで、店は本郷東大横の角から一軒隣なのだけど、ちょっと店前が引っ込んで目立たない作りの木造家屋だった。
お値段が高いというのは聴いていたけど、一度友人が止める間もなくお店に入ってしまって、すぐ飛び出してきたことがあった。ちいさな半切りが2000円ぐらいだった。お家にお土産にするには角の「三原堂」の方が庶民的な品ぞろえで、友人は納得の買い物をした。

「藤むら」は加賀の前田家お出入の菓子匠で、江戸時代に前田家が今の東大のところに上屋敷を造営した傍へ金沢から呼び寄せられたのだと聞いていた。加賀百万石のお殿様直々のお声掛かりであったため、最上の味であったという。
いつも私の歌を応援して下さる高木絢子さんの歌にも

「藤むら」の桜もち買ふ一葉のこころときめき弥生のそらは       高木絢子『一葉日記』

という歌があって、小石川生まれの樋口一葉も「藤むら」を訪れていた話はあったけど、その当時でも高かったとおもわれるお菓子を、ただ買ったとは思えない。萩乃舎のおつかいを頼まれて自分もおすそ分けにあったのかなどと思ってしまう。(一葉日記に当りもせずにこんど絢子さんに聞いてみようなどと考えている)

その「藤むら」が店を閉めたと思ったらとうとうやめてしまって、建物も人手に渡り壊されてしまったと知ったのはつい先ごろ。ずっと出かけないでいたからネットの情報で知ったのだ。やはりデフレに慣れてしまった人々には手が出ないほどの高級品(友人は価値の分かる仕事上の大事な方にしか贈れないと言っていた)ではやって行かれなかったのだろう。ビルに建て替えて貸さなければ固定資産税の払えない東京は老舗の生き残りは難しい。残念。

涼やかに月の射しこむ部屋を出て猫の目のような夜を歩こう    多香子
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