2021/9/24

「NHK短歌」10月号  NHK短歌

誰と話しても「一週間があっという間で、知らない内に次の月末が来る」と言うのですが、年を取ったせいだけではない、コロナ下のジクザグ政策に追い立てられてのことのように思われます。
新聞だとかN短に投稿とかしていると、すぐに次の週が来て締め切りに追われる(人気作家ではないのでかっこよいものではない)気分に陥るのです。いやならやめればいいのだけれど、短歌とかかわってルーティーンのようになっているのでやめられません。

「NHK短歌」テキスト10月号で佐佐木頼綱選「パラスポーツ」佳作に一首掲載されました。

湿度ある物置の隅に色褪せて父の寂しき車いすあり   河野多香子

頼綱さんは今年はスポーツがテーマで(オリパラの開催を前提としたNHKらしい企画だった)ご自分もボクシングなどスポーツにいそしんでいるらしいです。父君の幸綱さんも早稲田のラガーマンだったし、「男歌」と称される快活な短歌だけれど、頼綱さんには「若君」のような「はにかみ」があってまわりも見守っている様な感じがします。

私は運動はしないし「オリパラ」の開催には危惧を持っていたので、歌が出てこなくて父の車いすにしてしまいました。投稿フォームの中に「これは「自由詠」でお願いします」とことわりを書きました。パラリンピックの時に父亡きあとの車いすって良くないだろうと思ったけど、佳作に載せていただいてうれしかったです。佐佐木さまありがとうございました。
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2021/9/17

秀歌(101)俵万智「角川」30首より  秀歌読みましょう

俵万智さんが第55回超空賞を得られて、いよいよ歌人としての地位を一段高くしたのは、早かったのか遅かったのかはともかく納得できることだ。私の師匠は岡井さんにも超空賞を取らせたという一時期賞ラッシュの時期のあった編集者だったから、この頃の歌人の傾向と「超空」の名はそぐわないと不満を漏らしていたけれど、それは「芥川賞」と同じで時代というものだと思う。
「角川七月号」に受賞第一作30首が載って、俵さんが受賞後入院生活のあったことを詠んでいた。読者はこのような連作から歌人の消息を知ることが出来て、それはこの文化の良い部分だと私は思う。30首より8首を引く

「笑いたい夏」

一昨年のパリ以来なる鞄持ち入院という旅が始まる

採血のたびに謝る看護師の声やわらかに針雨の降る

つっこんでくれる息子がいてほしい「午後の紅茶」を朝に飲むとき

入院の日々の渚に濡れながら触れたいものはガラスのコップ

牛丼の日にお粥から米飯へ替わる喜び主治医に話す

母親が賞もらうこと思春期の息子はいかに受けとめおらん

絶食の砂漠の蜃気楼に見るアボカド、焼き茄子、メヒカリの群れ

10センチ以上は開かない7階の窓にも届く梅雨晴れの風

遠い山の緑のようだ退院後の仕事で埋まりゆくカレンダー


二首目は子規の「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」のパロディー。全体に本当は辛い日々ものんびりとおかしいものに聞こえる。
コロナ下でも他の病気で入院治療が出来ること(面会も何もないけれど)それが日本の医療水準が高いことだし、コロナで逼迫したベッドを増やすために他の病気は診なくていいというのは間違いだろう。うたの中のユーモアは相変わらず豊かに、無事退院されたことおめでとうございます。
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2021/9/10

「東京歌壇」掲載  毎日歌壇他

パラリンピックもどうやら無事に済んで、突然の雨模様の気候も猛暑が危ぶまれていた分よかったのでしょう。これからのコロナ対策で空いた施設をうまく利用して、臨時病院や療養所にあて、初期の患者用の飲み薬が承認されたり、使用されるようになることを切に願っています。(そうはいかないのかなあ」

9月5日付「東京新聞歌壇」佐々木幸綱選で一首掲載されました。東京歌壇は佐佐木さんと東直子さんのお二人が選者ですが、ツイッターなどでおなじみの若い方たちが多く、なかなかの激戦区と聞いています。私も去年11月に佐佐木さん、12月に東さんに取られた時は割と早くにデビューできたと思いましたが、その後は全然かからず、この佐佐木さんの選でようやく二度目です。幸綱さんは「心の花」の主宰だし、朝日歌壇の選者でもあるので大家ですが、東さんは若い方に信捧者が多く、東さんの選に取られると、舞を舞ったり号泣したりととても人気の歌人さんですね。

夕顔のほの白らみゆくベランダに今年も花火の音は聞こえず    河野多香子

これは8月9日に出したので選歌は大体一か月のようです。地元紙として親しめる場所で有ったらと思って始めた投稿でしたが、全国紙と変わらぬ厳しい場所なのは辛いところです。「東京新聞」という割と暴れん坊の論陣の新聞には頑張って貰いたいなと(日曜に買うだけでは何にもならないけれど)投稿を続けています。佐佐木様ありがとうございました。
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